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オタクで変人なPC部員は、異世界で冒険者になったら器用○○でした!?  作者: 古河楓
第4章 PC部員たち、戦争に巻き込まれる
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第63話 リースキット防衛線戦 1

「21万……予想より多い。だが作戦に変更はない!」


 俺はすぐに映像を切り替える。そこには無線映像が映し出される。というのも、先ほど相棒に無線映像が使える機材(魔法で作った。土台は水晶玉)を持たせて、ずっと敵軍を探させてたのだ。


「よし、このまま上空から見せてくれれば……」


 こればっかりは願うしかない。声で伝わるわけもなく、完璧に以心伝心できるわけもない。だからこそ、願うしかないのだ。


 なんとか上から移してくれ、と思った瞬間、無線映像が上空に浮かび上がり、どんどん森から離れていく。どうやら相棒が空へと舞い上がったようだ。


 薄暗い森を通る街道に無数に動く“何か”が確認できた。その何かは、もちろん敵兵だろう。

 それは街道の奥の方までずっと続いている。

 先頭はもうちょっとで視認できるはずだ。

 行動開始だ。


「全軍、作戦開始! パワードスーツ隊は正面に展開! 魔導士隊、例の魔法の準備に入れ!」


 俺の号令とともに8mはある人体搭乗式パワードスーツが正面に展開する。その数およそ300。まだ薄暗い高原を照らすゴーグル型の目には、ちゃんと敵の騎兵隊が見えていることだろう。

 ちなみに、武装はシールドと、パワードスーツ用のショートソードだ。

 今回、彼らの役目は防御にあり攻撃になし、なのだ。


「さぁ、敵さん来るぞぉ……来るけどまだ撃つなよぉ」


 相棒はまだ空にいる。なのでそれを通して敵の先陣を見てみる。そこには数2000の重装騎兵隊が。敵もどうやら最初は一番固いのが最初に展開して、後ろから火力で押すタイプのようだ。

 こういうのに備えて、こっちも作戦を用意してある。


「魔導士隊、例の魔法は!?」

「いつでもいけます!」

「上等だ!」


 連絡を取ることができる兵が答えてくる。

 俺はすぐに魔導士隊を使うことを決めて、指示を出す。


「全軍に通達、盾を出せ! タイミングを間違えるなよ!」

「はっ!」


 司令部にいる数十人の通信員が連絡を取る魔法で警告していく。これから使う魔法はまともにやれば見方も確定で巻き込まれるのだ。


「パワードスーツ隊の範囲外撤退を確認! 全軍準備整いました!」

「よし。魔導士隊、攻撃はじめ!」


 俺の号令とともに魔導士隊との通信を取り持つオペ子たちが「魔導士隊の攻撃行動を許可! 攻撃行動に移ってください!」と騒ぎ立てる。それを受けてか、徐々に地下に魔力が集まっているのがわかる。


「攻撃まで、5,4、3、2……」

「全軍、魔法結界展開!」

「1、攻撃……今!」


 攻撃の2秒前に、全軍が魔法結界を展開する。もちろん指令室も入り口に魔法結界を張る。

 そして、俺たちはそのまま5分間待機する。


「5分経ちました。現象の解除を確認!」

「よし、塹壕部隊、攻撃はじめ! 目標、敵先発隊!」

「了解!」


 今度は塹壕に隠れていた魔導士や弓使いとの連絡を取り持つオペレーター陣が騒がしくなる。

 それから30分もたたないうちに、敵の先発隊壊滅の伝令が届く。


「ふむ……やっぱ早いな……」


 作戦勝ちだ。いくら重装騎兵と言えど、この凶悪な作戦の敵ではなかったか。


「敵、第2陣接近! 数およそ3万!」

「了解。もう一度同じことをやるぞ。魔導士隊、準備に入れ! もう一度パワードスーツ隊は攪乱を頼む」


 本来、パワードスーツは攻城兵器だが、結構機動性があったので、実質攪乱兵器と盾扱いしている。敵を蹴散らす役目でもいいが、結構足場が悪いこの高原では不利になる。魔導士からの魔法を受ければ、少なからずダメージを受けるらしいし。というか、後で乗ってみたい。


「この攻撃が終わり次第、第3、第6に出動要請を出せ」

「了解! 」


 さすがに、3回目は通用しないと思い、別動隊の一部に要請を出す。第3、第6はシンプルな騎兵だけで編成した隊だ。今頃は、この司令部から右斜めにある山岳地帯で息を殺して出番を待っていることであろう。


「魔導士隊、準備完了」

「全軍、魔法障壁の展開を確認! いつでもいけます! 」

「攻撃はじめ! 」


 号令と同時に、再び魔導士隊が魔法を放つ。

 その現象は再び続き、今度は10分経ったところでお開きになる。相当敵も弱ったはずだ。


「塹壕部隊、並びにパワードスーツ隊、掃討はじめ! 第3、第6に出動要請を送れ!」


 その指示を出し終えて、、俺はお茶を取りに行ったシルクがいまだに戻っていないに気づいた。すぐに来ると思ったのだが……。


 俺はそう思いながら、通路を通って、家に入ると……。


 そこは灼熱地獄だった。


「うぼああああああ!? 」


 部屋中の電球や電子機器がすべてヒートアップ。冷蔵庫の冷却機構も使い物にならなくなり、調理場は摂氏65℃の地獄。周りが金属なのが原因と思われます。


「と、とりあえず【フリーズ】! 【フリーズ】! 【フリーズ】ぅぅぅ!!」

 

 俺は大急ぎで家中に冷却用に【フリーズ】をかけまくる。ログハウスだから材質は木。あとちょっとで火事、よくてミディアムになるところだった。


 というのも、さっきの2つの作戦。なにをやっていたかというと、温度を上昇させる魔法、【ウォーム】を使い、全身に鎧を着てガッチガチに防御を固めた敵兵を暑さでおかしくさせて、熱中症になってもらい、自爆してもらおうというものである。

 同時に1000人規模でやっているので、味方にも被害が起こる。それゆえ、魔法結界を作り出してそれを防いでいたのだが。どうやらこの家自体は魔法結界からは外れていたらしいのだ。


 俺は今度から気を付けようと心に誓いながらキッチン周りを冷やすために【フリーズ】をかけていると。

 ……誰かがキッチンで倒れていた。

 真っ白い髪にどっかの誰かが着せた軍服……。つまり、これは……。


「赤坂あああああ! すいませんんんんん!!! 【フリーズ】、【フリーズ】、【フリーズ】ぅぅ!」


 その場で熱中症になって倒れていたシルクに俺は大慌てで回復魔法と冷却魔法で体温を下げる。


「ああああ!! ちっくしょおおおお!」


 外では依然激しい戦いが繰り広げられている中、俺は他人の体調とのバトルを繰り広げるのであった。



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