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オタクで変人なPC部員は、異世界で冒険者になったら器用○○でした!?  作者: 古河楓
第3章 PC部員たち、社会の上下関係に巻き込まれる
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第40話 魔獣契約をしたい! 2

 結局、魔獣契約をしに行くことにした俺は、シルバーエル―が夜行性であるため、すぐに探しに行こう! というわけにはいかず。夜になってから探すことになる。

 そして、夜。何故か家にお土産(シルクが討伐した魔物の肉)をぶら下げて現れて、赤坂とよろしくやり始めたので、俺は新田だけを伴ってシルバーエルー捜索をするために、慣れ親しんだ夜の森に足を踏み入れていく。


 〇 〇 〇


 夜の森の空には満月、そして満天の星空、それに隣には新田(女子)が。一つの要素を抜けば、どんなにいいシチュエーションなのだろうか。

 ただ一つ……。


 ……ウルフの群れに囲まれてなきゃね!!!

 どうやら、森の中を歩いている俺たちを見て、野生の夜行性のウルフ達が獲物にしたのだろう。

普通のウルフよりも黒色の毛並みを持っていて、より牙が鋭い。ダークウルフというウルフだそう で、普通のとなんら変わりはないが、闇魔法を使えるという、いわゆる上位種というわけだ。

 そして、ウルフよりもモッフモフで暖かそうな毛並みをしている。あー、触ったら気持ちいいんだろうな~。


「せ、先輩! 私近接戦闘はできませんからね!」


 知っとるわ! どんだけそれ言うんだよ、どれだけ苦手なんだよ! 戦闘毎に行ってる気がするよ!

 そうツッコミを入れると、さらに俺の方へ近づいてくる。

 ……あのな。正直言ってね。魔導士Aならこんくらい鼻歌歌いながら倒せると思うのは俺だけか?

本来、俺はサポート役であり、新田と赤坂がメイン火力を務めるはずなのだ。それが最近では、何故か一番火力が低い俺になりつつある。

 行っておくけど、本来のメイン火力は君だからね?


「じゃあ! じゃあなんで先輩は岩龍にとどめを刺し、シーサーペントを実質1人で撃破して、ジャイアントゴーレムを圧倒して、ゴブリンロードをいじめてるんですか!」


 いやいやいや、あれは君たちが支援してくれたからでしょ? それに“たまたま”戦術がピタッとはまっただけだし。まぐれだまぐれ。

 ……まあそれはいいとして。まずは目の前の群れを倒すことから考えよう。


「まあ、セオリーだから。【フライ】っと……」

「うひゃあああ! またですかああああ!?」


 俺は接近されなくて安全な空への退避をしようと【フライ】を発動させた。突然襲ってきた浮遊感に、新田が声を上げる。もう何度も何度も使ってるんだから、さっさと慣れろようっとうしいな。


「私ジェットコースターとか乗れないんですよおおお!? それにこういうの苦手ですしぃ!怖 いんですよおおお!」


 もしかして、高所恐怖症かな? わからないけど。


「ほい、来るんだったら早くしろ」

「いわれずともそうしますよ!」


 新田は素早く俺の腕をつかむと、すぐさまそれを命綱にして、背中に張り付いてくる。なぜ背中にひっつくかわからん。

 前になんか言おうとしたんだけど、何を言おうとしたか忘れてしまった。


 そんなこんなで、何かに引っかかりながら俺は上昇していく。そして、振り返ろうとした瞬間、俺の横を黒紫に光った球体が通り過ぎていった。


「な……」

「先輩、下です!」


 俺は新田に言われた通りに下を見る。すると、地面からは無数の黒紫の球がこっちにむかって飛んでくるところだった。

 おそらく、闇魔法の攻撃魔法だろう。おそらく【ダークボール】的な何かだ。


「先輩、あれ張って!」

「わかってるよ、後ろで騒ぐな!」


 後ろで騒いでいた新田に注意しながら、素早く詠唱を始める。


『我が力よ、願いに応じ我らを守る盾を作り出せ! 【シールド】!』


 素早く不可視の盾を足元に展開する。大きさは5m×5mの正方形。俺たちを守るには大きすぎるくらいだ。

 しかもこちらの攻撃は通すという鬼畜仕様である。


「じゃあ、連携スキルで倒しちゃいましょう! 先輩は【爆雷雨】をお願いします!」

「いやいやいや、新田だけで十分だろ。明らかなオーバーキル」

「いいから! やってみたいことがあるんですよ!」


 うん、だけどね。できないんだ。


「何でですか!? 魔力はありますよね!?」


 そうじゃなくてさ。俺が普段バズーのラックにしているのは背中。つまり今新田がピタッと張り付いている場所だ。だからね、構えたくても構えられないんだよ。


「……ッ! わかりましたよ、じゃあ、命綱ください!」


 そういうと、新田は俺の背中からおそるおそる離れていき、今度は左手にしがみついてきた。コアラか、おめーは!

 まだ右手じゃないのは褒めれるところだな。


「と……ととと、とりあえず、行きますよ!? 行きますからね!」

「どんだけ動揺してるんだよ」


 溜息をつきながらも、俺はしっかりとバズーカを肩に担ぎあげ、新調したスコープで狙いを定める。


『わ、我が力よ、ねがいに応じて、土の壁を作り出せ! 【アースドーム】!!』

「ドーム? まあいい! 【爆雷雨】!」


 俺の魔力が詰まった弾がバズーカから発射され、そして、すぐにいくつもの弾頭に分裂する。

 それと同時にいきなり地面からウルフの群れを囲むようにして壁が形成されていく。


『ガウ!?』

『グアルルルルルル!』


 突然の出来事に、ダークウルフたちは動揺してしまっている。そうしている間にも弾頭は襲ってきて、【アースウォール】がそれを飲み込んで、ドーム状に広がった屋根が閉じていく。


 つぎの瞬間、着弾による衝撃が走り、衝撃波がまるで地震の波のように360度に走っていき、中から炎が噴き出す。


 うわぁ……明らかにオーバーキルじゃないか。


「連携スキルとしては完成ですね。スキル名は……オーブン?」


 そうぶつぶつ言っている新田。まず、俺の腕にしがみつくのやめようか。

 ったく、こんなんでシルバーエル―見つけられるのかよ……。


 と呆れていた時。俺は見た。反対側の空から、白い羽をもち、黄色い猛禽類のような眼を負った、鳥が近づいてくるのを。

 あれが……。


「シルバーエル―か。見つけたぞ……!」


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