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僕の名前は宝塚記念

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

僕の名前は──宝塚記念。

1960年、阪神競馬場で生まれたんだ。

春が終わり、夏が始まる、そのわずかな隙間。

ファンのみんなが「この馬を見たい」と願った者たちだけが、僕の芝に立つ。

だからこそ、僕はファンの愛で成立するレースなんだ。

そして僕は、こう呼ばれている──

“上半期の実力ナンバー1決定戦”。

距離は2200メートル。

短すぎず、長すぎず。

力と技、持久と瞬発、すべてが試される舞台。

ここには、いくつもの物語が生まれてきた。

涙を飲んだ者。歓声に包まれた者。

そのすべてが、僕の芝に刻まれている。


ある年のことだった。

雲ひとつない晴天。夏の陽射しが、芝の緑をまぶしく照らしていた。

一頭の鹿毛の馬が、ゲートに向かって静かに歩いていった。

彼の出発点は、中央ではなかった。

熱を帯びたコンクリートの匂いが漂う、南の地方競馬場。

静かなスタンド、泥まみれの直線。

そこが彼の原点だった。

誰も、彼に夢を託してはいなかった。

華やかな血統も、拍手もなかった。

でも彼には、黙々と歩み続ける脚と、心の芯に宿る意志があった。

中央に上がってきた彼は、幾多の名馬としのぎを削り、

ついには、この舞台──阪神の芝2200メートルにたどり着いた。

青空の下。

彼はためらいもなくゲートに入り、ただまっすぐに前だけを見つめていた。

そして、直線。

スピードと実績を誇る強豪たちのあいだを、

野を駆ける咆哮のように、彼は突き抜けた。

「平成三強の野武士」

その名にふさわしく、飾らず、叫ばず、

勝利という“使命”だけを静かに果たして、陽炎(かげろう)の彼方へと消えていった。

それは、ボクが“原点を貫いた者”の強さを知った日だった。


また、別の年。

晴天の阪神。熱気に満ちたスタンドには、いくつもの声援が交差していた。

ゲートに立ったのは、いつも2番手だった鹿毛の馬。

どれだけ全力で走っても、前には壁があった。

「もう少しで勝てたのに」──そう言われ続けてきた。

その日、彼の前にいたのは、王のような馬だった。

幾度もの勝利を積み重ね、無敗で時代を支配してきた。

──世紀末覇王。

誰もがその名を口にし、当然のように彼の勝利を信じていた。

けれど、その日だけは違った。

道中、じっと我慢し、芝を読む。

直線で並びかけて、肩を並べる。

そして、抜かせなかったその首を、ほんの数ミリだけ、前へ出た。

「不屈の二番手」

もう、その異名はいらなかった。

スタンドのどよめきが、ほんの一瞬止まった。

空気ごと凪いだあと、割れるような歓声が、彼の名を叫んだ。

真夏の太陽の下、ついに彼は、誰よりも輝いた。


そして──

どうしても忘れられない一日がある。

その日もまた、空は抜けるように青かった。

湿った風が吹き抜け、芝はよく乾いていた。

静かにゲートに歩を進めていったのは、黒鹿毛の小柄な馬。

その瞳には、どこまでも深い光が宿っていた。

「黒い刺客」

彼は、ただ勝つことだけを求めていた。

祝福も、人気も、歓声も──すべてを置いてきた。

求めたのは、ただひとつの「結果」だけ。

いつものように、冷静に隊列を読み、逃げ馬をマークする。

予定通りの位置取りだった。

けれど──第3コーナーの入り口で、影が乱れた。

眩しすぎる空。

わずかに風が巻いた瞬間、馬群から、彼の姿がふっと消えた。

レースは続いた。

歓声は、やがて戻った。

でも、彼だけは二度と、戻ってくることはなかった。

誰も詳しくは語らなかった。

ただ、黙って、手を叩いた。

祈るように。静かに。

ボクは、その光景を忘れない。

勝つことだけを信じて走った、あの小さな背中を。


──ボクは、知っている。

この舞台は、ただ華やかなだけじゃない。

歓声の裏には、沈黙がある。

栄光の隣には、孤独がある。

勝利の陰には、涙がある。

そのすべてがまざり合って、この場所を「特別」にしている。

勝った馬だけが主役じゃない。

届かなかった者たちも、ここで確かに何かを遺していく。

それは、敗れた記録ではなく、

誇りをもって挑んだ「一瞬」の重みだ。

ボクは、それを忘れない。

たとえその馬が無冠でも、

名も知られなくても、

君が「好きだ」と願いをかけたなら、

その馬は、間違いなく、ここで“輝いた”んだ。

だから、今年もきっと、”君の“推し”が、風を切ってやってくる。

勝てるとは限らない。

でも、挑む価値はある。

それが、このレースの意味だから。

六月の終わり、阪神の芝が揺れる時──

ボクはまた、新しい夢と、その覚悟を受け入れる。

夢と記憶を刻む場所──それが、ボクなんだ。

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