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六月のグラスに、梅の夢

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

窓の外は、今日も雨。

ポツポツと、ガラスを叩く音が、家のなかを包む。

しとしと、ぽとぽと──まるで誰かが昔話をしているみたいに。

「あんた、梅酒はまだ早いよ」

祖母はそう言って、くすくす笑っていた。

けれど僕は、そのガラス瓶に詰まった琥珀色の液体がずっと気になっていた。

棚の奥に、静かに並ぶ瓶。

日付のラベルには、十年前、二十年前のものもある。

名前と年と──そして、一言。

《結婚祝い》

《初孫誕生》

《夫の命日》

梅酒は、うちでは“記念”を閉じ込めるものだった。

梅を漬けて、それから何年も、待つ。

開けるのは、未来の自分たちへの手紙みたいだった。

「開けるのはね、その日が来たらよ」


今年の梅雨も、なかなか終わらない。

祖母がいなくなってから、初めての六月。

押し入れの中から、ホコリをかぶった瓶を一本、取り出した。

《あなたへ》

それだけしか、書いてなかった。

きっと、祖母が僕に向けて作った最後の瓶だったんだと思う。

梅の実が、琥珀色の中でゆらゆら揺れている。

そっと蓋を開けてみる。

ふわりと、甘酸っぱい香り。

あの縁側、あの団扇、あの蚊取り線香の匂い。

思い出したくないのに、涙が出そうになった。

グラスに少し注いで、氷を一つ浮かべた。

カラン、と音がして、世界が少し透明になった。


「……ばあちゃん、雨、まだ降ってるよ」

誰にともなく、そうつぶやいてみる。

返事はないけど、不思議とあたたかい気がした。

ひとくち、口に含む。

甘い。けど、どこかほろ苦い。

涙の味がするのは、きっと気のせいじゃない。

グラスの向こう、雨の滴が揺れていた。

まるで祖母が笑っているようだった。

──大丈夫。ちゃんと届いてるよ。

六月の静かな午後。

ひとりきりの部屋で、僕は小さな夢を飲み干した。


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