Hold me tight
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
──その手を、離さなければよかった。
あの日のことを、ずっと考えてる。
君の背中は、少しも迷ってなかった。
駅のホームに、静かな春の風。
季節は変わっても、あのときの音だけは、ずっと耳の奥に残ってる。
「じゃあね」
君が最後に言った言葉。
なんてことない、ありふれたサヨナラ。
でも、僕はきっと、もう一度言い直してほしかった。
「またね」って。
君と出会ったのは、高校一年の春。
隣のクラスの窓から、ギターの音が聞こえてきた。
それが君だった。
指はぎこちなくて、歌はまだ小さくて、でも、なぜか耳に残った。
「君、音楽好きなの?」
そう話しかけたのが最初だった。
「下手だけどね」って、照れた顔をして、
君はコードを押さえたまま、また音を鳴らした。
それが始まりだった。
教室の帰り道、
コンビニの駐輪場、
屋上の階段、
どこでもよかった。
君といられるなら、風だってごちそうだった。
でも──
時間は、ちゃんと流れていた。
三年生の夏。
君はもう、バンドでデビューが決まってた。
「ごめんね」
そう言った君に、僕は笑って「大丈夫だよ」って答えた。
ほんとは、大丈夫なんかじゃなかったのに。
ほんとは、ずっと傍にいてほしかったのに。
でも、君の目は真っすぐで、
あのときと同じように、
まだ不器用な音楽を大切にしてた。
だから言えなかった。
「Hold me tight」──って。
ぎゅっと、抱きしめてって。
ひとことも。
今、僕は君がいた駅に立ってる。
人の波にまぎれて、
イヤホンから流れる音だけを頼りに、
記憶のなかの君を探してる。
夜風が吹くたびに、君の匂いを思い出す。
信号が青に変わるたび、君の背中が見える気がする。
ああ、まだ君のことが好きだ。
抱きしめてくれなくてもいい。
名前を呼んでくれなくてもいい。
でも、あの季節が嘘じゃなかったって、
少しでも君の中に残っているなら──
もう一度、音が鳴る場所で会いたい。
だから僕は歩き出す。
君が待っていないことを知りながら、
それでも、“君がいるかもしれない”と信じながら。
心の奥で、小さく叫ぶ。
──Hold me tight.
たとえ、叶わなくても。




