東京1600、その名は安田記念
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
わたしは「安田記念」。
東京の春が終わり、梅雨が静かに忍び寄るころ、
府中の芝1600メートルに、ただ一度だけ咲く物語。
生まれは昭和。
かつては名もなく、“安田賞”とだけ呼ばれていた。
けれど、競馬という文化を深く愛したひとりの男の名を継ぎ、
わたしは「記念」となった。
年に一度、この舞台にあらゆるものが交差する。
東と西、春と夏、速さと賢さ、栄光と忘却。
それはただの1600メートルではない。
長距離でも短距離でもない、
全ての境界に立ち、“真の強さ”を問う試練の場。
──わたしを駆け抜けた者たちを、今も憶えている。
大雨の中の無敵。
ぬかるんだ馬場をも、まるで乾いた大地のように飛び越えた栗毛。
他馬が沈みゆくその中を、ただひとり浮かび上がり、
圧倒的な力で風景すら塗り替えていった。
「洋の東西に敵なし」と讃えられ、翌月には世界を制した。
最後の最後で爆発的な末脚。
白い影が、遠く後方から一直線に弾け飛び、
誰もが予想しなかった一閃で、前を飲み込んだ。
GⅠ未勝利という肩書きを、
この一走で、見事に塗り替えたのだ。
また、春を無敗で駆け抜けた王者がいた。
すべての視線を集め、すべての期待を背に、
まるで当然のようにこの舞台を制した彼は、
その強さで“王者とはなにか”を体現してみせた。
だが、勝者だけが物語を紡ぐわけではない。
ゴール前、ほんの鼻差で涙を飲んだ者。
渾身の激走の末に、ゴールを越えた瞬間、倒れ伏した者。
一頭一頭に、走る理由があり、
去る覚悟があり、
叫びたい何かがあった。
わたしは知っている。
距離に挑んだ者もいれば、
海外へ向かう前の通過点とした者もいた。
引退の花道としてこの舞台を選んだ者、
あるいは、忘れられた存在の“最後の咆哮”。
すべてが、わたしの記憶になる。
名を刻む者も、名を残せなかった者も。
その蹄音が、鼓動が、砂を舞い上げる風が、
わたしを「記念」たらしめるのだ。
来年も、きっと誰かがやってくる。
若き俊英か、熟練の覇者か、あるいは、誰も知らぬ伏兵か。
誰が勝ってもいい。
誰が敗れてもかまわない。
ただ、ひとつだけ、わたしは願っている。
──命を削って駆け抜けた、その勇姿が、美しくあれ。
東京1600、六月の風。
わたしは今年も、静かに門を開けて待っている。




