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プシュッ、という音だけが真実だった

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

最初の一本で

男の中の何かが、確かにはじけた

それが何だったのかは分からない

理性かもしれないし、人生設計かもしれない

あるいは、ただの我慢だったのかもしれない

だが、音だけは覚えている

プシュッ

その音は

男の人生で初めて

予定表に載っていなかった


ス〇ゼロに出会う前の男は

驚くほど、まじめだった

朝は必ず同じ時刻に起き

ネクタイの結び目は左右対称

資料は三回読み

疑問点は付箋で管理した

冗談は言わない

雑談は苦手

飲み会では水を頼み

笑うタイミングも、少し遅れる

「安心できる人」

それが、周囲の評価だった

そして男自身も

それで十分だと思っていた

――あの日までは


残業帰り

コンビニで立ち止まった理由は覚えていない

ただ、冷蔵ケースの中で

銀色がやけに整って見えた

整いすぎていて

逆に、規定外に見えた

部屋に戻り

椅子に座り

ネクタイを外し

静かに一本

プシュッ

その瞬間

胸の奥で、何かが割れた

音が軽い

世界が軽い

言葉が、ついてこない

一口

「……あ」

二口

「…………」

視界の端に

説明不能なものが揺れた

花のようで

花ではない

色があるのに、色名がない

(見えてはいけない)

そう思った瞬間

それは確信に変わった

――これは、まずい


だが、男は翌日も飲んだ

理由は簡単だ

前夜のことを

誰にも説明できなかったから

説明できないものは

確かめるしかない

一本

二本

三本

「今日は多かったな」

そう言いながら

男は冷蔵庫を補充する

やがて

ス〇ゼロは「嗜むもの」から

次第に「必要なもの」になった

プシュッ、という音の向こう側に

世界の裏口がある

メモ帳に、意味不明な文章が増える

理性は、炭酸に弱い

仕事は、少しずつ崩れた

集中力が途切れ

会議中に、花のことを考え

報告書の余白に、よく分からない線を引く

上司に言われた

「最近、大丈夫か?」

男は答えた

「……世界が、少しはじけてまして」

当然、伝わらなかった


男は、仕事を辞めた

理由は明確だった

「この世界を、表現しなければならない」

誰に頼まれたわけでもない

だが、義務のように感じた

ス〇ゼロ文学

それが、男の中で名前を持った瞬間だった

ス〇ゼロ文学とは

酔った勢いの向こう側に見える

見えてはいけないものの記録である

昼は書く

夜は飲む

朝は曖昧

原稿は増え

貯金は減り、

部屋は銀色の空き缶で埋まった

月日が流れた


気づけば

男は競馬場にいた

理由は分からない

広い空が欲しかったのかもしれない

走るものを見たかったのかもしれない

馬が駆ける

人が叫ぶ

紙が舞う

男はベンチに座り

一本開けた

プシュッ

隣に

若い男が座っていた

まだ、世界が固そうな顔

だが、どこか、昔の自分に似ている

男は、声をかけた

「……ス〇ゼロ、飲みます?」

若い男は首を振る

「酒、あんまりで」

男は、身を乗り出した

「違う!!

 これは酒じゃない!!

 世界がはじける音なんです!!」

止まらない

「最初は音です!!

 プシュッ、って!!

 そこから全部ズレる!!

 花が見える!!

 見えたらまずい!!

 でも、それが本物なんです!!」

若い男は、戸惑いながらも

話を聞いていた

「……そんな世界、あるんですか?」

男は、静かに言った

「戻れなくなります」

若い男は、少し迷い

一本、受け取った

プシュッ

音がした

若い男の目が

わずかに、揺れた

「……あれ?」

男は、何も言わなかった

ただ、笑った


競馬場の片隅で

二人は並んで座る

走り去る馬

転がる空き缶

そして

誰にも説明できない世界

花が

また一つ、咲いた気がした

それが救いかどうかは

もう、どうでもよかった

音だけが、真実だった


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― 新着の感想 ―
うん、まさにミスターチェンの作り方 ですね(•‿•)
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