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九龍城の亡霊

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

九龍城――

光も法律も届かない、腐臭とネオンの迷宮

違法建築は空へと折り重なり

電線は血管のように絡まり

路地に滴る水はいつもどこか血の色を帯びている

この街の闇の頂点に君臨する男がいる

裏社会の王、マフィアのボス――ミスターチェン

だが彼は、生まれながらの王ではない

彼は、九龍城で何も持たずに育った孤児だった


幼いチェンには

守ってくれる者も

帰る場所も

名前を呼んでくれる大人もいなかった

眠る場所は廃屋の隅

食べ物は残飯

朝になれば、奪われる側として一日が始まる

殴られ

蹴られ

踏み潰されながら

彼は学んだ

この街では、弱い者は奪われる

弱い者には、権利も尊厳もない

ある日

彼は年上の少年たちに囲まれ

食べ物を奪われた

「弱い奴は持つ資格がねぇんだよ」

その言葉は

暴力よりも深く心を削った

その夜

彼は初めて“力”について考えた

――どうすれば、奪われない?

――どうすれば、殴られない?

――どうすれば、“踏み潰す側”に回れる?


やがて彼は気づく

強い者たちは

なぜか守られていた

なぜか腹を空かせていなかった

なぜか大人に見逃されていた

理由はひとつだった

金を持つ大人とつながっていた

金が動けば

争いは消える

罪は消える

正義の向きさえ変わる

その瞬間

彼の頭の中で一本の線が結ばれた

力は、買える

買える力の正体は、金だ

ならば、力のために金を手に入れればいい

そして彼は結論に至る

この世に買えないものなどない

買えないとしたら、それは値段が足りないだけだ

その日から

金は彼の神になった


成長したチェンは

金のためなら何でもした

密輸、恐喝、裏切り、殺し

血を踏み台にし

死体を階段にして

九龍の闇を這い上がった

「金のチカラは偉大だ」

それは彼の口癖であり

呪文であり

誓いだった

やがて彼は

九龍の裏社会の王となる

だが王座に就いた瞬間から

恐怖が始まった

再び

弱い自分に戻る恐怖


年を重ねるたび

彼の精神は歪んでいった

鏡に映る皺

衰える肉体

遅くなる反応

老いは敗北

衰えは転落

死は完全な無力

だから彼は

自らの身体を機械へと作り替えた

心臓は歯車に

肺は人工フィルターに

背骨は金属の梁に

それは永遠のためではない

権力を失わないための装置だった

だが機械の身体は

彼を強くしなかった

狂気だけを増幅させた

夜になると

幼い日の幻が現れる

飢えた少年

泥だらけの路地

冷たい夜の床

彼は注射針を首元に刺す

鎮痛剤

精神安定剤

神経遮断薬

薬が効いている間だけ

幻の少年は沈黙する

「……オレは王だ」

「……オレは奪われる側には戻らない」

だが薬が切れるたび

狂気はさらに深く、鋭くなる


やがて彼の欲望は

単なる延命を超えた

九龍の地下を流れる

歪んだ龍脈――

神と呪いの境界にある力

それを自らの機械に接続し

神の領域へ踏み込むこと

「肉体を捨てただけじゃ足りない」

「オレは神になる」

「いや……神を手に入れる」

貧民街で生まれた少年は

神すら買おうとする男になっていた

金で風水師を買収し

学者を脅し

反逆者を処刑し

禁断の儀式装置を完成させる

地下祭壇には

護符と回路

経文とケーブル

護符と電線が絡み合う

信仰と機械の融合

狂気が形になった祭壇


だが九龍は

彼の支配を永遠には許さなかった

名もなき風水師が現れる

街の気を正し

龍脈の歪みを鎮め

チェンの計画を断ち切ろうとする者

それは人間ではなく

九龍の意思の代理人だった

「永遠は、

 金では買えない」

ミスターチェンは嗤う

「買えないものなど存在しない」

「あるとすれば

 それはまだ値段が付いていないだけだ」

彼は叫ぶ

「オレは九龍で生まれた!」

「オレは底辺から這い上がった!」

「オレは力で王になったんだ!」

「オレは……終わらない!」

地下祭壇で

二人は対峙する

ミスターチェンの身体から

黒いケーブルが伸び

龍脈の力を吸い上げる

歯車が軋み

モーターが唸り

瞳の奥に狂気が燃え上がる

「オレは老いない」

「オレは朽ちない」

「オレは更新され続ける支配者だ」

だが薬の効果が切れ始める

神経にノイズが走り

幻痛が彼の意識を引き裂く

彼は震えながら

再び注射針を刺す

「……静まれ……!」

「……オレの身体……!」

「……裏切るな……!」

だが風水師は

龍脈の流れを反転させる

力が逆流する

神の気が暴走し

機械の身体を焼き裂く

歯車が外れ

ケーブルが焦げ

回路が破裂する

「なぜだ……!」

「オレは金を払った……!」

「オレは……九龍の王だ……!」

笑いながら

泣きながら

叫びながら

彼は崩れ落ちる

「オレは……貧乏には戻らねぇ……!」

「オレは……また飢えるのは嫌だ……!」

「オレは……永遠を買う……!」

だが神の力は

札束にも契約にも従わない

龍脈の逆流が

彼の中枢を貫いた

床に崩れ落ちるミスターチェン

機械の四肢が軋み

薬瓶が散らばり

ネオンの光が彼の顔を照らす

狂気に満ちた瞳が

最後まで欲望を失わない

「……金なら……

 まだ……払える……」

「……オレは……

 まだ……王だ……」

「……もう……

 弱い存在じゃ、ない…」

本当は、誰かに許されたかっただけなのかもしれない

その声はやがてノイズに変わり

九龍の闇に溶けた


翌日

九龍城は何事もなかったかのように騒がしい

ネオンは瞬き

裏社会は新たな王を探し始める

だが地下の片隅には

今も残っている

弱い自分に戻ることを恐れ

金と機械にすべてを捧げた末の

歪んだ支配の痕跡

そして九龍は囁く

――金で永遠を買おうとした者は

 永遠にこの街の闇を彷徨い続ける


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― 新着の感想 ―
ほらあ、ストゼロを飲まないチェンさんは、 チェンさんじゃないからこうなるんだよ〜 わざわざ注射しなくても、 缶を片手にプチッ、カシュ、プハーてしとけば、 全能ですよ
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