名前を食べる町
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
彼は、町に住んでいると思っていた
だが、それは誤解だった
正確には――
町の内部に、滞在していただけだった
この町では、誰も名前を呼ばない
それは礼儀ではない
習慣でもない
摂食の作法だった
冬
雪が降るたび、町は静かに脈打つ
舗装道路の下で
鈍い鼓動のような振動が走る
彼は最初、それを寒さのせいだと思った
だが違った
町は
生きている
建物は骨だ
梁と柱は関節で
地下の配管は血管だった
夜になると
排水溝から温い蒸気が立ち上る
それは息だった
人々は
町の細胞だった
名を持たない細胞
役割だけを持つ組織
名前とは
異物だった
だから町は
それを嫌った
役所は脳だ
記録とは神経信号で
不要な情報は、切り落とされる
ある日
彼の番号が消えた
それは事故ではない
拒絶反応だった
彼は
町の中で定義できない存在になった
冬の夜
町が鳴いた
――ゴウン
低く
腹の底から響く音
放送が流れる
「未消化物を確認」
「排出工程を開始します」
人々が集まる
無表情で
無言で
彼らの足取りは
まるで腸の蠕動だった
連れて行かれた先は
古い広場
いや――
口腔だった
地面が
ゆっくりと開く
アスファルトの裂け目から
湿った肉が覗く
赤黒く
脈打ち
粘液を滴らせている
歯に相当するものはない
この町は
噛まない
溶かす
彼は理解した
名前を呼ばれないのは
取り違えを防ぐためではない
名前を呼ぶと
「誰を食べているのか」が
はっきりしてしまうからだ
町は
自分が何を殺しているのかを
理解したくない
彼は
名前を思い出そうとした
だが
思い出せない
町の内部に長くいすぎた
神経を通じて
すでに溶かされていた
身体が
地面に沈んでいく
皮膚が剥がれ
筋肉が解け
骨が音を立てて吸い込まれる
痛みは
途中で消えた
それは
麻酔だった
町は優しい
苦しませない
効率を重視する
最後に残ったのは
空白だった
翌朝
雪がすべてを覆う
事故は起きなかった
行方不明者はいない
町は
今日も健康だ
名前を持つ異物を
正しく処理したのだから
この町では
今日も誰も名前を呼ばない
それは
巨大な生物が
静かに生き延びるための
正しい摂食方法なのだ




