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冬の原稿と、味噌の湯気

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

 腹が減ったな、と男はつぶやいた

 言葉にした途端、空腹は遠慮をやめる

 胃の奥が、原稿用紙みたいに白く、寒々しく感じられた

 時計は午前二時

 外は冬の夜で、窓の向こうの空気は凍っているはずだ

 エアコンの音だけが部屋に残り、机の上には 

 描きかけのコマが散らばっている

 売れない漫画家

 肩書きだけはそれらしいが、締切も、連載も、今はない

 あるのは、眠らない夜と、進まないペン先だけだ

 椅子を引き、キッチンへ向かう

 棚を開けると、奥に一袋、見覚えのあるインスタント麺があった

 冬になると、なぜか手が伸びる種類のやつだ

「……みそだな」

 袋を手に取る

 今夜は、これ以上の正解はない気がした

 だが、そのまま作るには少しだけ気が引ける

 机に戻る前に、ふと思う

「彩……欲しいよな」

 冷蔵庫を開けると、現実が冷気と一緒に顔を出す

 半玉のキャベツ

 しなしなになりかけたもやし

 細くなった人参が一本

 肉はない。肉は贅沢品だ

 それでいい、と男はうなずく

 フライパンに油を落とす

 ジュッ、という音が、深夜の静けさを少しだけ破る

 キャベツをちぎり、もやしを放り込み、人参を刻む

 包丁の音が、冬の部屋に乾いて響く

 塩をひとつまみ

 肉がない分、野菜の甘さが立ち上がる

 湯気が顔に当たり、指先が少しだけ温かくなる

 隣で鍋に湯を沸かす

 麺を入れ、箸でほぐす。白い湯気が立ち、寒さを押し返す

 火を弱め、味噌の粉末を溶かすと、部屋の空気が一気に変わった

 甘く、香ばしく、どこか懐かしい匂い。冬の味だ

 丼に麺とスープを移し、野菜炒めをたっぷりのせる

 肉はない。だが、色はある

 それだけで、ずいぶんと立派に見えた

 箸を取る

 まずはスープ。舌に乗った瞬間、体の芯に熱が走る

 次に麺。味噌が絡み、夜にちょうどいい重さだ

 野菜をかむと、シャキッと音がして、眠気が少し引いた

「……うまい」

 誰に聞かせるでもなく、そう言う

 深夜に食べる一杯は、罪悪感と一緒に、妙な安心を連れてくる

 食べ終えると、腹の奥がじんわり温かい

 丼の底に残ったスープを飲み干し、息を吐く

 机に戻る

 原稿は、相変わらず途中だ

 それでも、さっきより線が引けそうな気がする

 冬は長い

 売れない時間も、たぶん長い

 だが、今夜はこの一杯で、ちゃんと越えられた

 男はペンを持ち、白いコマに向き直る

 味噌の余韻が、まだ指先に残っていた

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