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はじめは苦かった

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)



俺は、コーヒー。

黒くて、あったかくて、ちょっと苦いやつだ。

でもな、この苦さってのは、

大人になるための味なんだよ。

あいつ――つまり、俺の持ち主だった少年が、

俺を初めて飲んだのは、小学校の卒業式の朝だった。

「飲んでみるか?」って、父ちゃんに勧められて、

おそるおそるマグカップを口に運んだあいつは、

ひとくちで顔をしかめた。

「にっが!!」

そう叫んで、舌を出して水をがぶ飲みしてた。

まあ、最初なんてそんなもんだ。

人生と同じで、慣れるまでが勝負だ。

中学時代は、俺のことなんて無視してたな。

自販機じゃオレンジジュース。

カフェでもココア。

甘ったるいやつばっか飲みやがって。

けどな、ある日――試験前の夜。

眠気に負けそうな顔で、コンビニ帰りに俺を手に取った。

「コーヒー……効くかな、これ」

一気に飲んで、案の定、しかめっ面。

でもな、そこからの数時間、

あいつは黙々とノートを埋め続けてた。

俺は、そういう時間にこそ、いちばん力を発揮するんだ。


高校に入ったあいつは、

友達と連れ立ってカフェなんて通うようになった。

紙カップを片手に、ちょっと背伸びした顔で言うんだよ。

「ホットでお願いします」

かわいいもんさ。

好きな子の前だと、ブラックじゃなくてミルク入れるのも知ってるぜ。

恋のはじまりには、俺もちょっと甘めにしてやる。

応援したくなるような横顔してるんだ。

大学生になると、俺の出番は急に増えた。

課題、バイト、深夜のラジオ。

ひとりきりの夜の中で、あいつは俺を飲んで、

ときどき、ため息混じりに空を見上げてた。

何も言わなくても、

その苦味の中に、

ちゃんと“今の自分”を溶かし込んでいた。

俺は黙って、その味を支えた。

社会人になったあいつは、

毎朝、駅前のカフェで俺を買うのが日課になった。

ネクタイを締めた姿で、

「いつものやつで」って言う声は、

なんだかもう、ちゃんと“大人”の声になってた。

ある日、ひとりきりのテーブルで、

あいつがふっと笑いながら言ったんだ。

「……はじめは苦かったのにな」

そうだな。

でもな、あの頃の苦さがあったから、

今のお前がいるんだよ。


俺は、ただの飲み物かもしれない。

だけど、お前のそばで、

喜びも、失恋も、夜更かしも――

全部、一緒に味わってきた。

これからも、

お前が今日の続きを歩くそのときに、

そっと香るよ。少し苦くて、ちょっとあたたかい俺の味で。


俺は、コーヒー。

お前が大人になっていく、その時間を知ってる飲み物だ。

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