無限を斬り続ける者
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
国は、もはや燃えることにも飽きていた
戦国の世とは、炎ではない
人が人を斬り続けることで、かろうじて形を保つ――腐臭のような時代だった
その街道に、一人の侍がいた
背に縫い取られた∞の紋章
古びた陣羽織、刃こぼれだらけの二振りの刀
血と時間に浸されすぎて、もはや年齢すら測れぬ男
彼は、生きていた
――否、斬り続けることでのみ、形を保っていた
体の奥で、嫌な感覚が蠢く
刃を振るわぬ日が続くと、肉は鈍く濁り
骨は軋み、内臓がゆっくりと腐り始める
死ねない身体は
同時に、斬らねば壊れる身体でもあった
「……今日も、か」
侍は呟く
その声には、かつての昂りはない
かつて――
彼は刀に魅入られた狂人だった
斬るために生き
斬った数だけ己の価値を確かめる男
敵も味方も関係ない
剣の冴えだけが、世界のすべてだった
家族が泣こうと
妹が怯えようと
彼は刀を手放さなかった
――そして、守れなかった
戦火の中、妹は殺され
彼だけが生き残った
その夜、祠で出会った異形の僧に
彼は迷いなく願った
「もっと斬らせろ」
「終わる前に、すべてを斬りたい」
僧は笑い、言った
「ならば、終わりを奪おう」
「斬らねば腐り
斬れば生きる――∞の器だ」
胸に刻まれた紋章
蠢く異虫
こうして彼は、不死となった
――だが、それから何百年
戦は変わらず
人は変わらず
己だけが、変わり続けた
斬るたびに
何かが削れていく
怒りが
快楽が
そして――生きているという実感が
街道の先で、悲鳴が上がった
野盗に囲まれた少女
その顔を見た瞬間
侍の中で、何かが止まった
妹に似ていた
怯えた目
必死に、泣くまいとする口元
気づけば、体が動いていた
一太刀
二太刀
血が舞う
野盗の刃が肩を裂き、腹を貫く
だが、侍は止まらない
斬らねば、腐る
斬らねば、思い出に呑まれる
最後の一人が倒れたとき
体の奥の腐臭は、静かに引いていった
少女は震えながら、侍を見た
「……どうして、助けてくれたの」
侍は答えなかった
答えられなかった
焚き火の前
肉が焼ける音
少女の横顔
――妹が、生きていれば
――あのとき、刀を捨てていれば
そんな思考は
何百年も前に、何度も何度も繰り返した
「……俺は、狂っていた」
初めて、そう口にした
「刀しか、見えていなかった」
「守るべきものを、後回しにして……」
少女は、そっと言った
「それでも、今は守った」
侍は、苦く笑った
「違う」
「俺は、自分を守っただけだ」
立ち上がる
体の奥が、再び鈍く疼き始めている
斬らねばならない
今日も、明日も、終わりが来るまで
「ここを離れろ」
「俺の近くにいると……人でいられなくなる」
少女は頷いたが、最後に振り返った
「……おじさんは、まだ人だよ」
侍は答えなかった
背を向け、歩き出す
∞の紋章が、夕闇に沈む
彼は知っている
この呪いが解けるときは――
斬る理由すら失い
完全に腐り落ちる瞬間だということを
それでも今日
一人の少女が生き延びた
それだけが
狂人が何百年生き続けた
唯一の重さだった




