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風を踏む城

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

丘の上を、城が歩いていた

石と鉄を継ぎ接ぎにした不格好な姿で

煙突からはいつも色の違う煙を吐いている

ギィ……ギィ……と

古い扉のきしむような音を立てながら

城はゆっくりと草原を横切った

それを見上げていたのは

町の外れで帽子を縫って暮らす少女だった

「……また歩いてる」

誰に言うでもなく、そう呟く

城は、近づく者を拒むようでいて

なぜか目を離すことも許さなかった

その夜

少女は、見知らぬ老婆の声で目を覚ました

「若さはね、持ちすぎると重いのさ」

気づけば、鏡の中に映っていたのは

白髪で背の曲がった自分の姿だった

呪いだった

理由も、期限も、教えられないまま

行く当てはなかった

だから少女――いや、老婆は

あの歩く城を追った

城は逃げなかった

まるで、来ると知っていたかのように

扉を開けると

中は外見よりずっと広く

火のない炉に、青い光が揺れていた

「ようこそ、契約の中へ」

炎が、言葉を持って笑った

城の主は

派手な外套をまとった魔法使いだった

美しいが、どこか欠けている目をしている

「城が動く理由を知りたいかい?」

老婆は首を振った

理由など、どうでもよかった

ただ――

ここなら、呪いを語ってもいい気がした

魔法使いは言った

「この城はね、心臓で歩いている」

彼は胸を叩いた

そこには、確かに鼓動があった

「心臓を預けたんだ

 だから、自由に歩ける」

代償に

彼は“戻れなくなった”

若さも、臆病さも

優しさも、全部混ざってしまって

老婆は城で働いた

掃除をし、料理をし

文句を言いながら、毎日を重ねた

不思議なことに

愚痴を言うほど背筋が伸び

誰かを叱るほど、白髪が減った

呪いは

心の形に従って変わるらしかった

ある朝、城は戦場の近くで立ち止まった

空には、魔法の光が走っていた

「逃げよう」

老婆は言った

命令ではなく、願いとして

魔法使いは黙っていたが

やがて胸を押さえ、苦しそうに笑った

「……君は、

 ぼくよりずっと強いな」

老婆は、炎に向かって言った

「心臓を、返してあげて」

青い炎は揺れ

ぱちん、と小さく音を立てた

城が、止まった

その瞬間

老婆の背はまっすぐになり

鏡の中に、元の少女が戻った

魔法使いは

初めて深く息をした

城はもう歩かない

だが、崩れもしなかった

丘の上で

風に吹かれながら

静かにそこに在り続けている

少女は振り返り、言った

「歩かなくても、

 居場所は、あるよ」

城は答えなかった

ただ、風が扉を鳴らした

まるで――

「それでいい」と言うように


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