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大晦日の売れ残り

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

大晦日のスーパーは

一年分の疲れがそのまま棚に並んでいるみたいだった

蛍光灯の白い光に照らされて

値引きシールだけがやけに元気に自己主張している

仕事納めを終え

まだオフィスの空気が残るコートを着たまま

私は惣菜売り場の端で足を止めた

黒豆、数の子、伊達巻

少し形が崩れたおせち

小ぶりで歪んだ鏡餅

「本日限り」「売り切り」

赤い文字が、必死に年末を追いかけている

――帰省、しないの?

昼間、母から来たメッセージを思い出す

画面に表示された文字を

私は結局、既読にしただけだった

帰省しない理由は

仕事が忙しいからでも

交通費が高いからでもない

正直に言えば

「まだ結婚しないの?」

「いい人はいないの?」

「紹介しようか?」

そう言われるのが

ただ、しんどかった

三十代、独身、都内でOL

自分なりに働いて

自分なりに暮らしているつもりなのに

年末に実家へ帰ると

その全部が「結婚してない」という一点で

軽くなる気がしてしまう

だから今年も

私は帰らない

カゴに入れたのは

半額のかまぼこ一枚と

売れ残りのミニおせち

それから、少し傾いた小さな鏡餅

「これで、十分」

誰に言うでもなく

小さくつぶやく

レジに並ぶと

前の家族連れのカゴはいっぱいだった

子どもがはしゃぎ

年末の予定を話している

私のカゴは軽い

でも、不思議と惨めではなかった

帰宅して

暖房を入れ

コートを脱ぐ

ワンルームの部屋は静かで

誰にも気を遣わなくていい

テーブルに

売れ残りたちを並べる

派手さはない

写真に撮って送る相手もいない

それでも

ちゃんと食べられるものばかりだ

かまぼこを切ると

断面はきれいな紅白で

一瞬だけ、正月の気配が部屋に入ってくる

黒豆は、思ったより甘い

伊達巻は、ふわっとしていて

ちゃんと「おせち」だった

テレビでは

今年の出来事を振り返る番組

芸能人の笑顔と

大きな事件の映像が流れていく

音量を少し下げて

私はひとりで食べる

誰かに

「もっと食べなさい」と言われることもない

「その歳で?」と笑われることもない

売れ残りは

失敗作じゃない

ただ

行き先が違っただけだ

そう思うと

今年の自分も

そんなに悪くなかった気がした

結婚していないことは

欠けていることじゃない

まだ、別の場所にいるだけ

時計を見ると

もうすぐ零時

私は

売れ残りの鏡餅を眺めて

小さく笑った

「今年も、お疲れさま」

実家に帰らなくても

誰に急かされなくても

大晦日はちゃんと終わる

年の最後に残ったものたちと

静かに

でも確かに

新しい年を迎える準備をしながら

――それはそれで

私にとって

ちゃんとした大晦日だった

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