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仮面を取れ!

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

この街には、見えないものがある


見えないというより、”見えてはいけない”ものだ


人と人の隙間

言葉と沈黙のあいだ

夜の雑踏の裏側


そこに、影は漂っている


主人公――彼は

それを見ることができた

子どもの頃から、ずっと


最初は、誰かの背中に張り付く

薄い染みのような影だった


怒り

嫉妬

後悔


感情の残り香のような

それは、空気の中をふわふわと揺れ

決してこちら側には触れなかった


――正気の人間には


彼は学んだ


見ないこと

関わらないこと

黙ること


沈黙は

最も安全な選択だった


小さな教室

閉じた空間

同じ顔ぶれ


毎日

少しずつ壊れていく男がいた


声は小さく

視線は伏せがちで

笑顔だけが不自然だった


彼は、その男を知っていた


同じクラスだった

隣の席になったこともある


机に刻まれる落書き

消える教科書

意味もなく浴びせられる笑い声


彼は、それを見ていた


助けを求める視線が

確かに向けられていたことも


だが――

彼は目を逸らした


怖かった


次は自分かもしれない

そう思った瞬間

足は動かなくなった


その時、影が生まれるのを、彼は見た


男の足元に

黒い染みが滲むように


だが、見なかったことにした


沈黙は、彼を守った


そして、その夜が来た


路地裏

人の気配が消えた時間


影は、もはや漂っていなかった


人の形をした“何か”が

そこに立っていた


歪んだ四肢

膨張する黒


影は肉を覆い

感情を喰らい

理性を削り取っていく


かつての面影は

ほとんど残っていなかった


それでも――

声だけは、覚えていた


「見ろよ……」


熱に浮かされた声


「これが……俺の力だ」


拳を振るうたび

世界が歪む


逃げ惑う影

地に伏す身体


かつて教室で笑っていた男たちが

無様に転がっている


異形に憑りつかれた男は

笑っていた


いや――

笑っているつもりで

もう何も感じていなかった


影が、男の内側から溢れ出す


怒りが怒りを呼び

快楽が痛みを塗り潰す


力は、彼を肯定し続けた


「……誰も」


「誰も、逆らえない」


影が、完全に男を包み込む


もう、“彼”はどこにもいなかった


異形は、ゆっくりとこちらを向く


目は、焦点を失っている


「……来たのか」


言葉はあっても、意思はない


ただ、攻撃衝動だけが残っていた


「お前も……」


「同じだ……」


異形が、暴れ狂う


理性はない

問いもない


ただ、壊すために動く影


衝撃


主人公は、地面に叩きつけられる


息が詰まり

視界が暗くなる


その瞬間


――彼自身の声だった


『力が、ほしいか?』


時間が止まる


彼は、心の奥を見た


過去


逃げた場面

見捨てた視線

黙った自分

諦めた背中


声が続ける


『お前は、逃げてきた』

『あの時も』

『その時も』

『今も』


事故のような

一瞬の不幸じゃない


選び続けた結果だ


『だがな』


声は、責めるだけではなかった


『それでも、お前は見てきた』

『感じてきた』

『苦しかっただろう』


彼は、震えた。


逃げた自分

否定した自分

弱い自分


全部が、ここにいる。


『汝は汝』

『我は我』


『分けるな』

『切り捨てるな』


『逃げた自分も』

『恐れた自分も』


『全部、お前だ』


彼は、ゆっくりと目を開いた


「……嫌だ」


「もう、逃げたくない」


「助けたかった」


「勇気を、持ちたかった」


拳を握る


『今こそ…己の弱さに向き合い…打ち勝つ時…汝、その名は…』


彼は、叫んだ


「カタルシス!!」


世界が、反転する


仮面が砕け

光が溢れる


彼の姿が、変わる


騎士の装束

重く、だが確かな実感


手には、剣


逃げ続けた心が、初めて形を持つ


異形は、その姿を見ても止まらない


影が、さらに膨れ上がる


理性は、完全に失われていた


「……助けられなくて」


主人公は、剣を構える


「……ごめん」


一歩、踏み出す


「今、解放してあげる」


異形が、咆哮する


影が、津波のように押し寄せる


主人公は、剣を振るった


斬撃


それは

怒りではない


正義でもない


”浄化”という

覚悟の軌跡


剣は、影を裂き

絡みついた感情を断ち切る


異形は、悲鳴すら上げず

影の中へ崩れ落ちていく


最後に見えたのは

ほんの一瞬の――

安堵のような表情だった


路地には

夜と静寂だけが残る


彼は、剣を下ろした


翌朝


街は、何事もなかったように動く


だが、彼は知っている


この街の裏側に、歪んだ心が作る

もうひとつの現実があることを


彼はもう、ただ見るだけの存在ではない


逃げるか

向き合うか


選ぶのは――

いつだって、人間だ


そして

あの声は、これからも彼の中で

囁き続けるだろう


『仮面を取れ』


それは、誰かを救うための言葉ではない


自分を裏切らずに生きるための――

誓いだった

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