百貨の夢を見る建物
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
私は、街の角に立っている
ガラス張りの正面と、重たい回転扉
人は私をデパートと呼ぶ
生まれたのは、まだこの国が「豊かさ」という言葉を夢として抱いていた頃だ
呉服屋から始まり、衣服も、家具も、食も、すべてを一つの屋根の下に集める――
「百の貨を扱う場所」として、私は名付けられた
初めてエレベーターが動いた日
人々はその小さな箱に未来を見た
階を上がるたび、世界が広がる
屋上には観覧車、遊園地、金魚すくい
子どもたちは空に一番近い場所で、笑い転げた
私は、声を覚えている
「今日はデパート行こうか」
その一言が、どれほど多くの家庭を明るくしたことか
特別な日
背広を着て、ワンピースを着て
少し背伸びをするための場所――それが、私だった
戦争が終わり、街が瓦礫から立ち上がったときも
私は灯りを消さなかった
ショーウィンドウに並んだ靴、鍋、白いシャツ
それらはただの商品ではなく
「また暮らせる」という証明だった
やがて、エスカレーターは上りと下りに分かれ
食堂街の匂いがフロアを満たし
包装紙は、贈り物そのものより大切に扱われた
私は、何万回もの「ありがとう」を聞いた
何万回もの「また来ます」を聞いた
恋人たちの待ち合わせも
迷子になった子どもの泣き声も
すべて、この壁に染み込んでいる
けれど、時代は流れる
郊外に大きな箱ができ
指先ひとつで物が届くようになった
人々は急ぎ、比べ、安さを選ぶ
私は、少しずつ静かになった
屋上の観覧車は止まり
エレベーターガールの声も消え
シャッターは、朝よりも夕方のほうが重くなった
それでも、私は覚えている
初めての給料で買ったネクタイ
七五三の晴れ着
結婚祝いの食器
最後に選んだ喪服
人生の節目は、いつも私の中にあった
今も、私はここに立っている
少し古びて、少し軋むけれど
それでも、扉は開く
人は言う
「デパートは時代遅れだ」と
それでも私は知っている
便利ではなく、記憶が人を呼ぶことを
今日も誰かが
ガラス越しに私を見上げる
「ああ、昔ここで――」
その一瞬
私は再び、百の夢を抱く建物になる
私はデパート
街の記憶を、今も静かに売り続けている




