円盤の記憶
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
風が、古びた石碑を撫でていた
かつてここは“再生牧場”と呼ばれ
世界中の人々が命を育てた場所だった
人々は「円盤石」と呼ばれる記録の欠片から
生き物を蘇らせる術を持っていた
それは、歌のような祈りのような――
人と命を結ぶ奇跡の儀式
だが、その技は忘れられ
いまや牧場も砂に埋もれている
静かな廃墟の中
一人の青年が立っていた
名をリオンという
風に吹かれた髪の中、彼の目だけが真っ直ぐに輝いていた
手には一枚の黒い円盤
古い時代の記録媒体――だが、誰ももう再生の方法を知らない
「……父さんは、この中に“友”が眠っているって言ってた」
牧場の奥の、崩れかけた建物の中
錆びついた再生装置が、まだかろうじて形を保っていた
リオンはランタンを置き
慎重に機械の心臓部へ手を伸ばす
埃と油の匂い
金属が息を吹き返すように、低い音を鳴らした
「……頼む、動いてくれ」
円盤を差し込むと
淡い光が部屋を満たした
回転する円盤
機械の奥から、微かな旋律が聞こえる
《記録、確認……再生、開始》
光が弾け
空気が震えた
そして――
そこに立っていたのは
人でも獣でもない、小さな“何か”だった
丸い目、柔らかな輪郭
けれど、その存在からは確かに“生きている”気配があった
「……きみ、名前は?」
リオンの声に、小さな存在は首を傾げた
「……ナマ…エ?」
その声は、懐かしい子守唄のように響いた
リオンは微笑みながら言った
「じゃあ、“リオ”はどうだ? 父さんの友達の名前だ」
小さな存在――リオは嬉しそうに頷いた
それからの日々
牧場に少しずつ音と笑いが戻っていった
リオンは古い記録を読み解き
リオに食事を与え、走らせ、言葉を教えた
やがて二人は、まるで家族のように寄り添った
ある夜
満月が牧場を照らす中で
リオは突然立ち止まり、空を見上げた
「……オモイダシタ」
「何を?」
「ボク、ムカシ、ココニ イタ
ヒカリノ ナカデ、タクサンノ ヒト ト イッショニ」
リオンは息をのむ
「それって……円盤の中に眠ってた時の記憶?」
リオは頷いた
「ボクタチハ、ヒトノ ユメ カラ ウマレタ
ダカラ、ヒトノ コト、スキ」
リオンは黙ってその小さな頭を撫でた
温かい感触が、掌に確かに残った
季節が過ぎ、風が冷たくなった頃
リオの身体が少しずつ透け始めた
「……やっぱり、長くはいられないんだな」
リオンは微笑みを作る
リオはその手を握り
いつものように、まっすぐな瞳で言った
「ボク、マタ、カエル
ダカラ、ナカナイデ」
リオンは何も言えなかった
「ボク、ヒトノ ウタ スキ
ウタッテ、リオン」
リオンは小さく頷き
古い再生機の音に合わせて
父が昔歌ってくれた子守唄を口ずさんだ
リオの身体が光の粒になり
夜空へと溶けていく
翌朝
再生装置の前に、新しい円盤が残されていた
淡い金色に輝くそれは
リオが去ったあとに残した“記録”だった
円盤の中心には、文字が刻まれている
「マタ、オウタ イッショニ ウタオウネ」
リオンは円盤を胸に抱き
微笑んだ
「ああ……きっと、また」
彼は新しい円盤を棚に並べる
いつか誰かが、またそれを再生する日が来るように
風が吹いた
牧場の扉がゆっくりと開く
そこに、確かに聞こえた
「リオ、タノシカッタ……」
風と共に、笑い声が遠くへ消えていった
世界はもう、命を創る術を忘れた
けれど、記録は残っている
円盤の中で眠る、誰かの夢と祈り
再生とは――忘れられた想いを、もう一度この世界へ呼び戻すこと
リオンは今日も風の中で
ひとり、円盤を磨いている
「――さあ、次はどんな夢が生まれるかな」




