風の墓標に口笛を
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
荒野は、赤いため息のように広がっていた
果ての見えない地平線
乾いた草の影が死んだように横たわり
沈む太陽が砂にゆらめく金色の傷を刻む
その真ん中を――
ひとりの旅人が歩いていた
ジャンゴ
肩に薄い影をまとい
腰に“アークガン”を提げ
唇にはいつもの
風を呼ぶ口笛
ひゅう……
ひゅるる……
その音は
夜と昼の境界を縫うように揺れ
孤独を抱いた世界のどこかへ
静かに流れていく
「……聞こえてるか、ルナ」
ジャンゴの声は
砂に吸われて消えるほど小さかった
夕闇が落ちる
風が、音を変える
その瞬間
遠くで黒い影が立ち上がった
砂煙を纏い
形を変えながら滲むようにこちらへ歩み寄る
〈ハウリング・シェイド〉
荒野に名前を奪われた者のなれの果て
怒りも哀しみも、風の音に混ぜて吠える影
「……また迷った魂か」
ジャンゴは立ち止まり
口笛を止めた
代わりに
風の音が鋭くなる
影は
まるで口笛の主を探すように揺れた
そのときだった
風がふっと甘い旋律を運んできた
ひゅる……
ひゅるるる……
ジャンゴが息を呑む
「……ルナ……?」
誰もいないはずの荒野
ただ夕闇と風だけが広がる世界で
確かに、少女の口笛が聞こえた
影が震えた
まるで、想い出したように
風の奥から
淡い光がゆらゆらと揺れながら滲み出る
人影の形へ――
少女の形へ――
やがて、風に揺れる髪の輪郭へ
「ジャンゴ……」
その声は
水のように柔らかく
砂のように儚かった
「……探してたの
ずっと……風の向こうで……」
ジャンゴはアークガンを下ろし
唇を震わせた
「……守れなかった
俺は……お前を……」
少女の影は
風に笑うように揺れた
「いいの
あなたは、ずっと笛を吹いてくれた
それで十分……迷わずにいられたの」
影の縁が
砂に溶けるようにほどけはじめる
「ルナ……やめろ……消えるな……!」
「ジャンゴ……
――風に、還るね」
影がほどけ
銀の砂となって夜風に舞った
最後の旋律が
荒野にひとつだけ残した
ひゅる……
ひゅるるる……
ジャンゴは空を仰ぎ
震える息を吐いた
風が落ち葉のように砂を舞わせ
その中に
彼女の気配がまだ揺れている気がした
「ルナ……
また笛を吹くよ
お前が……道に迷わないように」
ジャンゴは
ゆっくりと口笛を吹いた
ひゅぅ……
ひゅるる……
その旋律は
風の墓標を撫でるように流れ
やがて夜の荒野へと溶けていく
ジャンゴは歩き出す
――口笛だけが彼の灯火だ
――風だけが彼の道標だ
そして荒野は
その音を静かに抱きしめていた




