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鋼鳴 ―イナザワの亡霊―

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)


 夜は腐っていた。

 街は音を忘れ、塔の骨だけが白く突き出している。

 風は灰を運び、電線が呻き、壊れたネオンが喉を焼くように明滅していた。

 イナザワは走っていた。

 脚の裏で砕けたガラスが鳴り、心臓の代わりに右腕のエンジンが回転する。

 チェーンソーの刃が夜を刻み、鉄と血の匂いをまき散らしていた。

 かつて、この街には正義があった。

 秩序、統制、そして抑圧

 彼らは自分たちを“浄化者”と呼び、反乱を「不純物」と呼んだ。

 イナザワはその“不純物”の生き残りだ。

 もう仲間はいない

 ただ、刃と呼吸が一体となった体だけが、まだ回っている。


 通りの向こうに、白い腕章の列が現れた。

 薄汚れたスーツに銀のバッジ

 反乱者を狩る清掃部隊――正義の犬たち

 イナザワは笑った。

 刃の回転を上げ、音の代わりに怒りを撒き散らす。

「正義? なら、切り刻んで確かめてみろよ!!」

 ブウン

 夜が弾けた。

 チェーンソーが空気を切り裂き、腕章の列が血の花を散らす。

 叫び声はエンジン音に呑まれ、街路の壁が新しいリズムを刻む。

 油と血が混ざり、光がねじれる。

 イナザワは走る。

 走り、切り、走り、また切る。

 それが祈りのように、リズムのように繰り返される。

 「終わりなんてねえ」と彼は呟いた。

 「この世界は、刃が回る限りまだ生きてる!」


 その時だった。

 夜空が白く裂け、耳鳴りのような振動が街を貫いた。

 ビルの屋上で何かが点火する。

 光、爆風、そして低い金属音

 それは「正義」の最終兵器――政府が隠していた新型の戦闘体

 群れを成す兵士たちが一斉に下がり、中央に円を描く

 煙の中から、黒銀の装甲を纏った“それ”が歩み出てくる。

 無機質な四肢、均整の取れた体躯

 人の形をしているが、目は光のない赤

 だが、イナザワはすぐに気づいた。

 胸の継ぎ目に、見覚えのある傷

 あの線、あの焼け焦げた跡――

 それは彼自身と同じ構造をしていた。

 同じ形、同じ刃、同じ回転の音

「あははは……俺を、作ったのか!!」

 イナザワの声は甲高く、地を擦るように響いた。

 刃の振動が応えるように唸る。

 相手の胸のランプが一瞬だけ明滅した。

 まるで笑うように

 刃が回る。

 相手の腕も回る。

 鉄と鉄が呼応し、空気が裂けた。

 夜が二つに割れ、街の残骸が浮き上がる。

 イナザワは走る。

 装甲の怪物も走る。

 その動きは鏡写し。

 同じ歩幅、同じ呼吸、同じ怒り

 誰が人間で、どちらが機械か

 それを問う意味はもうない

 互いに憎しみを、互いに存在を、

 相手の中に見出していた。

「いいぜ……お前、”駄犬”にしちゃあ――最高だぜ!」

 チェーンソーの刃が、最高速で回る。

 火花が散り、電線が唸り、雨が灰を溶かす。

 赤と銀の光が交錯し、

 音が消える。

 ――次の瞬間、ふたりの刃がぶつかる。

 衝撃

 閃光

 そして、世界が凍った。


 刃と刃が交わる直前、

 空が裂けるような音が響いた。

 火花が散り、灰が舞う

 その瞬間、時間は断ち切られた。

 イナザワの瞳が何かを見た。

 ――怪物の奥に、もう一人の自分がいた。

 悲鳴も、音も、光もない

 ただ、金属の唸りだけが残った。

 世界はその一点で止まり、

 物語は、そこで途切れた。


 翌朝、街は静かだった。

 風が吹き抜け、灰が舞う。

 遠く、誰もいない路上で、

 止まったチェーンソーの刃が、わずかに光を反射した。

 それは、まだ消えぬ鼓動のようだった。


正義も悪も、同じ刃の裏側

音が鳴り続ける限り、戦いは終わらない


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