空劇団《ルミナス・ウィング》 ― 風にさらわれた姫 ―
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
――風が歌っていた。
鐘の音と、プロペラの唸りが夜空に溶けていく
漆黒の飛行艇「ルミナス」
雲を切り裂き、光を纏って滑るように進む。
甲板に並ぶ魔導灯は星々のよう
ここは“空の劇場”――旅する芸術団、
空劇団「ルミナス・ウィング」
彼らの舞台は地上より高く、
どんな王の命令も届かない自由の空
風を照明に、星を観客にして、
彼らは今日も「夢」を届ける。
今宵の公演地は、機械仕掛けの王国ヴァルメリア
歯車の都が灯をともすと、
空に浮かぶ船がゆっくりと停泊した。
広場には人々が集まり、
夜空に幕が上がる。
主演役者ユウリが立ち上がる。
黒のコートが風を裂き、彼は言葉を放った。
「――この物語は、檻の中の鳥が、空を夢見たお話」
楽団が奏でる笛の音に合わせ、魔法の炎と光が舞う。
観客は息を呑み、その言葉の意味を探していた。
ユウリは続けた。
「その鳥は、外の世界を見たくて、
檻の鉄を打ち破り、空へ飛び立つ
けれど――その空がどんなに遠くても、
夢見る心が翼になる」
そのとき――幕の端から、一人の少女が駆け込んだ。
肩までの金髪、胸に王家の紋章のペンダント
観客は芝居の一部だと思った。
けれど、ユウリにはわかった。
その瞳は、台本にはない“真実”を映していた。
「お願い……! 連れて行って!
この国から、外の空へ!」
舞台の光が揺れた。
ユウリは目を細め、少女に近づく
「……君、まさか王族か?」
少女は小さく頷いた。
「私は……この国の王女、エリシア
でも、もう王女ではいたくないの」
「なぜ?」
少女は震える声で語りだす。
「母様――女王は、近々この国を巻き込む
巨大な戦争を始めようとしているの
隣国とは盟約を結んでいるのに、
彼女は“古き機械の力”を解き放とうとしている
私は、それを止めたい
隣国の……叔父様のもとへ行けば、
きっとまだ間に合う」
その瞳には、恐怖よりも強い決意が宿っていた。
ユウリは静かに頷いた。
「……なるほどな
君はこの物語の“檻の鳥”ってわけだ」
少女の唇が震える。
「檻の鳥……?」
「ああ。空を夢見て、外へ飛び出そうとする鳥さ
……だけど、あんたは“夢”じゃなく、“現実”を賭けてる」
その瞬間、城下に鐘が鳴り響いた。
――“王女がさらわれた!”
塔の上に立つ女王が、夜空を睨みつける。
「裏切り者どもめ! 娘を返せ――!!」
砲塔が唸りを上げた。
ドォォォォン――!!
空が裂け、飛行艇の甲板に光が走る。
観客は悲鳴を上げ、街全体が混乱に包まれる。
「大砲!? 本気かよッ!!」
ユウリが叫ぶ
炎が吹き上がり、照明が落ちる
舞台は一瞬で戦場になった
「お願い……撃たないで……母様!」
王女の叫びは届かない
女王の心は、すでに“戦”の影に飲まれていた。
「楽団! 幕を下ろせ!
ここからは――本物の“空の芝居”だ!」
ユウリが舵を握る。
エンジンが咆哮を上げ、
空劇団は夜空へと跳ね上がった。
砲弾の雨を裂き、
炎の雲をくぐり抜けるように、飛行艇は昇る。
「掴まってろ、姫さん!」
風が吹き抜け、エリシアの髪が金の光を放った。
涙が星のように散り、彼女は呟いた。
「あなたたちの船……
まるで魔法みたいに、きれい……」
ユウリは微笑む。
「空を飛ぶってのは、奇跡を信じる力さ」
飛行艇が雲を突き抜けると、
そこには砲火の届かない世界
満天の星と、風の静寂
「この空のどこかに、“霧の海”を越えた世界があるんでしょう?」
「あるさ!けど危険だ…
霧に呑まれたら、戻れない」
「それでも行きたいの
私の“本当の世界”も見つけたい
この戦いを止めるためにも」
ユウリは深く頷いた。
「なら――俺たちが案内しよう
姫君じゃない、“旅人”としてな」
飛行艇が旋回し、月を背に飛び立つ。
夜空の果てで星々が拍手のように瞬いた。
風が唄い、砲声が消えた夜
一人の王女が檻を破り、
一つの劇団が現実の物語に飛び込んだ。
“檻の中の鳥”は、もう夢を見るだけではいられなかった。
空へ、真実のために飛び立ったのだ。
そして――風が静かに語る。
「檻を破れ、夢を乗せて――
夜明けの向こうで、また会おう」
夢と現実の境界が溶けるとき、
人は本当に空を飛ぶ。




