深夜タクシーの灯り
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
終電が過ぎた駅前は、冷たい風とネオンの光だけが残っていた。
平日の深夜…街はまだどこかざわついているのに、
美咲の世界だけは静かに沈んでいた。
仕事でミスをした。
上司からの叱責、同僚の気まずい沈黙
そして自分自身への失望。
「またやってしまった」
その言葉ばかりが頭の中で反響していた。
歩く気力もなく、彼女はふと目に入ったタクシーのドアを開けた。
運転席の男性は、白髪交じりの無口そうな人だった。
背中越しの雰囲気は、言葉よりも静かで、どこかあたたかい。
「○○区までお願いします」
そう言うと、運転手は小さく頷いて車を走らせた。
外の街はキラキラしているのに、
窓に映った美咲の顔は少し疲れて見えた。
ネオンの灯りが頬を照らし、
ため息が白く広がる。
沈黙が車内に落ちる。
それは気まずさではなく、
静かに寄り添ってくるような穏やかな空気だった。
信号で車が止まったとき、
運転手がルームミラー越しにふと呟いた。
「……ずいぶん疲れてるね」
美咲はハッとした。
顔に書いてあるのだろうか。
誤魔化そうとしても、言葉が出なかった。
「まあ……いろいろ、あって……」
やっとの思いでそれだけ答えると、
運転手は軽く笑った。
「仕事は、逃げないからね。
人だけが勝手に焦るもんさ」
それ以上聞こうとせず、また前を向いて車を走らせた。
美咲の胸の中に、少しだけ暖かさが灯る。
見ず知らずの人にそんな言葉をかけられたのは、いつぶりだろう。
マンションの前に着くと、
メーターの赤い数字が静かに止まる。
財布を取り出そうとしたとき、
運転手が降り際にぽつりと言った。
「辛い時は、ゆっくり走りゃいいんだよ」
時間が止まったようだった。
優しく言われたわけでもなく、
慰めのために選ばれた言葉でもない。
ただ、長く生きてきた人が、
自分に言い聞かせるように言った一言。
胸がじんわり熱くなった。
涙がこぼれそうになり、慌てて笑った。
「……ありがとうございます」
返す声は震えていたが、
本当に心の底から出てきた言葉だった。
タクシーが走り去る。
赤いテールランプが夜の中に溶けていく。
マンションのエントランスで深呼吸をする。
今日と同じ明日が来るかもしれない。
またミスをするかもしれない。
でも、あの言葉が胸に残っていた。
「辛い時は、ゆっくり走りゃいいんだよ」
部屋に入ると、
いつもの部屋が少しだけ明るく見えた。
コートを脱ぎ、鏡の前に立つ。
鏡に映る自分は相変わらず疲れていたけれど、
その目の奥に、ほんの少しだけ力が戻っていた。
「……うん。ゆっくりでいいや」
湯を沸かし、ふうっと息をつく。
ゆっくり、ゆっくりでいい
急がなくても、止まらなければいい
夜の静けさに身を預けながら、
美咲は心の奥で小さくつぶやいた。
「明日も、ゆっくり走ろう」




