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猫とピアノとずれた旋律

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

駅前の路地裏にある、小さな酒場──その名も「ブルーノート亭」

木の看板はすっかり色あせ、夜風に揺れるドアを開けると

油と酒の混ざった懐かしい匂いがふわりと鼻をくすぐる

夜な夜な人々が集まり、古びたアップライトピアノを囲んで

音楽と酒と笑い声がひとつに溶け合う場所だ

そのピアノの上には、一匹の黒猫が棲みついていた

名前は「ラグ」。酒場のマスターがラグタイム好きだったことから

そう呼ばれるようになった

ラグは客が帰ったあとも、鍵盤の上をとことこ歩き、時折「にゃあ」と鳴く

すると不思議なことに──いつも半拍ずれた旋律が生まれるのだ

♬ ポロン……タッ……タラン……ポロロロン……

それは正確とは程遠い。でも、なぜか心の奥に残る、不思議な音だった

マスターは笑いながら、いつもこう言う

「ラグはうちの“専属ピアニスト”なんだ」


ある雨の夜、店内でちょっとしたトラブルが起きた

酔った中年二人が、どちらが昔この店で一番飲んでいたかという

どうでもいい話で口論を始めたのだ

最初は冗談まじりだったが、次第に声は荒くなり、椅子を倒して立ち上がる

ピリついた空気が酒場を包み、他の客たちも息を呑んだ

マスターが止めに入ろうとしたその時──

ラグが、ひょい、とピアノの上に飛び乗った

濡れた足跡が鍵盤に「ポン…ポロロ…タラン…」と音を刻む

まるで人々の怒気をあざ笑うかのような、ずれたリズム

喧嘩をしていた二人は、一瞬きょとんとした顔になり──次の瞬間、同時に吹き出した

「なんだよ、この猫……!」

「はははっ、半拍ズレてるのがまたムカつくけど……おかしいな!」

笑い声が広がり、緊張は霧のように消えた

ラグは得意げにしっぽをぴんと立て、さらに鍵盤を歩き回る

ズレた音と小さな肉球のリズムが、酒場にやわらかな空気を運んでいった


それ以来、ラグは「看板猫」としてますます人気者になった

常連客たちは酒のつまみにラグの演奏を楽しみ

初めて来る客も「猫のピアニストがいるって聞いて」と笑顔で訪れるようになった

ある若い女性客は、ラグの奏でる旋律をスマホで録音しながら、ぽつりと呟いた

「これ、なんだか……泣きそうになるくらい、あったかい音ですね」

マスターはグラスを磨きながら、静かに答える

「正しい音じゃない。でも、心に響く音なんだ」


夜が更け、客が引けたあとの店内

ラグはカウンターの上で丸まり、夢の中でも鍵盤を踏むように小さく足を動かしている

マスターは照明を落とし、ピアノにそっと手を置いた

「今日も助かったよ、ラグ」

店の外では雨が止み、石畳に街灯の光が反射している

その光景もどこかゆっくりとしたテンポで

まるでラグの旋律が街全体を包み込んでいるかのようだった


やがて「ブルーノート亭」は、“時間がずれる酒場”として評判を呼ぶようになる

仕事帰りのサラリーマンも、失恋した若者も、ふと足を踏み入れれば

ラグの奏でる半拍遅れの優しさに癒されていった

黒猫ラグは今日もピアノの上で目を細め、静かに鍵盤を踏み鳴らす

そのずれた旋律は、夜の街にあたたかい笑いと余白を残していく

──まるで、誰もが少しだけ「時間」を取り戻せるように


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