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空回りマーチングバンド

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

秋の澄んだ空気が、田舎町の駅前通りを包み込んでいた

赤と金のフリンジが揺れる制服に身を包んだ高校のマーチングバンド部が

グラウンドで最後の練習に励んでいる

構成は立派だ

前列にはラッパを抱えた金管隊、後ろにはサックスやクラリネットを携えた木管隊

そして最後尾にはスネアドラム、バスドラム、シンバルを構える打楽器隊

人数は少ないが、まるで本格的な吹奏楽団のような陣容だった

──しかし

演奏は、悲しいほどバラバラだった

「ワン、ツー、スリー、フォー!」

部長の掛け声で演奏が始まる

トランペット担当のタケルは元気よく一拍目を吹き鳴らした

しかし木管隊のユイは譜面に気を取られ、ワン拍遅れでクラリネットを響かせる

打楽器隊のゴローは巨大なバスドラムを叩くタイミングをミスり

ドーン!と間延びした音を響かせた

さらに行進もてんでバラバラ

金管隊は勢い余って前へ突っ込み、木管隊は下を向いて歩いているうちに列が乱れ

打楽器隊は楽器の重さで遅れていく

音も動きも合わず、ラグタイムどころかカオスそのものだ


「またズレたぁぁ!」

クラリネットを抱えたユイが叫ぶ

「お前が遅いんだよ!」

タケルが口をとがらせる

「俺は…ちゃんと叩いてる……はず……」

バスドラムを抱えたゴローは困り顔でつぶやく

それでも、祭りは明日

町の秋祭りには、毎年このバンドが先頭に立ち、通りを練り歩くのが恒例なのだ

「……失敗できないよ」

部長は譜面を握りしめ、夕焼けの空を見上げた


そして、秋祭り当日

提灯が通りを照らし、焼きそばや綿あめの匂いが風に乗って流れる

商店街の人々は笑顔で道端に並び、バンドの登場を待っていた

「よし、行くぞ……ラグタイム・マーチ、スタートだ!」

部長の合図で演奏と行進が始まった

トランペットが張り切って一拍目を刻み、クラリネットが遅れてメロディーを追い

サックスが途中から勝手にソロを始める

ドラムはテンポが揺れ、シンバルはなぜか裏拍で鳴り続ける

音がぶつかり合い、テンポがズレ、まるでバラバラな歯車がギコギコと回っているようだった


観客は一瞬、目を丸くした

だがすぐに、笑い声があちこちで弾けた

「ズレてるけど、なんか楽しいね!」

「見て!あのトランペットの子、めちゃくちゃ先走ってる!」

子どもが手拍子を打ち、屋台のおじさんがフライパンで即興のリズムを刻む

通り全体が、ラグタイムのずっこけグルーヴに飲み込まれていっ


ユイが吹きながら笑った

「もう、いいや……このまま行こう!」

タケルも負けじとトランペットを高らかに鳴らす

ゴローはリズムをズラしながらも重低音を響かせ

まるでラグタイムのベースのような味を出している

その瞬間、バンド全体がちぐはぐなまま、ひとつの音楽になった

テンポがずれても、音がずれても、なぜか楽しく、心地いい

観客は踊り出し、年配の夫婦は手を取り合ってステップを踏む

子どもたちは列の後ろに続き、町全体が笑顔であふれた


演奏が終わったとき、誰も「失敗」とは言わなかった

むしろ、これまででいちばん楽しいパレードになっていた

部長は小さく息をつき、笑みを浮かべた

「……揃わなくても、音楽になるんだな」

提灯がゆらめく夕暮れの中、バンドのメンバーは楽器を抱えて輪になり

ラグタイムの余韻に包まれた

ズレたままでも、そこには確かに幸せのリズムがあった


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