ダンスホールの片隅で
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
その街の外れには、時代に取り残されたような古いダンスホールがあった
鏡張りの壁は少し曇り、床板はギシギシと音を立てる
天井のシャンデリアには埃がかかり、ところどころ電球も切れている
けれど、夜になればそこには灯りがともり、若者たちの賑やかな声と音楽が溢れた
DJが流すのは、流行のビートと重低音
ストリートダンスやポップな振り付けが、フロアの中央を埋め尽くす
その喧騒の片隅──少し暗がりのピアノの前に、ひとりの老人が腰かけていた
深い皺の刻まれたその顔には、どこか楽しげな笑みが浮かんでいる
背筋を伸ばして指先を鍵盤に置くと、軽やかなラグタイムの旋律が零れた
♬ タタタン、タン・タタン──古き良き、少しだけ“ズレた”心地よいリズム
しかしフロアの誰も、老人の方を見ない。みな最新の曲と眩しいライトに夢中だ
そのとき、ひとりの少女がフロアの隅に足を止めた
スニーカーにジーンズ、髪は肩までのボブ
彼女は今どきのダンスを覚えたばかりで、少し自信がない
でも、老人の奏でるピアノの音に、なぜか胸が高鳴った
気づけば、彼女の足はリズムに合わせて自然に動き始めていた
最初はぎこちなく、足踏みのようなステップ
でも、軽快なピアノのフレーズが彼女の心をくすぐり、思わず小さくターンしてしまう
その様子を見た老人が、目を細めてうなずいた
指先が少し跳ねる。ラグのテンポが、ほんの少し速くなる
少女の動きも、自然とそれに呼応するように軽やかになっていった
やがて、彼女のダンスに気づいた周囲の若者たちが、ちらちらと視線を向け始めた
「なにあれ……?」
「古いピアノに合わせて踊ってる……」
最初は笑っていた者たちも、次第にその空気に引き込まれていった
軽やかで、どこか懐かしい。でも、確かに“今”ここで鳴っている音
少女のステップはぎこちなさを脱ぎ捨て、床を軽やかに弾み始める
すると、一人、また一人と若者がその輪に加わった
ヒップホップのステップに、ラグタイムの跳ねるリズムが混ざり合う
誰もが自分なりの踊りをしながら、いつのまにかひとつの輪になっていた
老人は、少しだけ身体を揺らしながらピアノを弾き続ける
その目は、ずっと昔の光景を見ているようだった
若い頃、自分もこのホールのフロアで、ラグタイムに身を委ねて踊っていた日々
恋をし、失敗し、笑い、泣いた夜の数々
けれど、今の光景は、それを上書きするように新しい時間を刻んでいた
ラグタイムと現代のビートが交差し、過去と未来がゆるやかに“ズレながら”も溶け合っていく
曲が終わると、フロアには拍手が鳴り響いた
少女は頬を赤らめながら、老人に深々と頭を下げる
老人は軽く帽子をとって一礼した
その夜、ダンスホールの片隅にあったピアノは、ふたたび主役になった
流行の音楽も、若者のダンスも、老人のラグタイムも──
すべてが同じ拍子のなかで、少しズレながら共鳴していた
ホールの外に出ると、夜風が頬を撫でた
少女は足を止め、ポケットの中でスマホの再生リストを開く
そこに、新しくひとつ追加された曲がある
──“Old Ragtime – Dance Hall Ver.”
イヤホンから流れる軽やかなピアノの音
彼女の足は自然とステップを踏み出した
世代を超えて鳴るラグタイムのリズムが、夜の街に溶け込んでいった




