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テキーラ

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

テキーラとは、ただの酒ではない

メキシコの大地に育つリュウゼツラン(アガベ)を蒸し焼きにし、その芯を潰して甘い汁を取り出す

それを発酵させ、蒸留することで生まれる透明な液体──それがテキーラだ

アガベが育つには何十年もの歳月がかかる

青い葉を広げるその植物を収穫するのは「ヒマドール」と呼ばれる職人たち

彼らが葉を切り落とし、残された芯は「ピニャ」と呼ばれる

まるで巨大なパイナップルのようなその塊を釜でじっくりと蒸し、甘味を引き出していく

そして蒸留を経て生まれる液体は、クリスタルのように澄んでいながら、火を宿したように強い

数年熟成させれば琥珀色に輝き、甘く芳醇な香りを纏う

──それが人々を陽気にし、悲しみさえも踊りに変えてしまう酒、テキーラである

メキシコの人々にとって、テキーラはただの飲み物ではない

祭りの合図であり、友情の証であり、そして音楽そのものだ

グラスを掲げ、一口で喉に流し込めば──「オレ!」と叫びたくなる衝動が心の奥から湧いてくる


そんなテキーラをこよなく愛する中年男がいた

名前は誰も知らない

ただ、毎晩ふらりと街角の小さなバーに現れ、テキーラのボトルを注文する

「ロックで頼むよ。いや、ライムも添えてくれ」

彼はひと口、ぐいっと飲み干す

喉を焼くような熱さとともに、不思議な感覚が彼を包み込む

すると──どこからともなく音が聞こえてきた

「チャッ、チャッ、チャッ!」と軽快なパーカッション

「タララッ、タララッ!」とサックスのリフが飛び跳ねる

まるで酒そのものが音楽に姿を変えて流れ込んでくるようだった

男は椅子から立ち上がり、思わず体を揺らした

重いスーツの上着を脱ぎ捨て、ネクタイを放り投げる

足が勝手にリズムを刻み、手が空に伸びる

「テキーラッ!」

誰もいないはずの店内で、男は声を張り上げた

その瞬間、幻のようにサックス奏者とトランペット奏者が現れ、ステージの上で陽気に演奏を始める

バーテンダーまでもがウッドベースを構え、リズムを刻む

バーはたちまち、夢の中のダンスホールへと変わっていった


男は踊った

人生の疲れも、仕事の重荷も、家庭の寂しさも、すべてを忘れて

汗を飛ばしながら、グラスを掲げて叫ぶ

「テキーラッ!」

そのたびに音楽は弾け

サックスは夜空を切り裂くように高鳴り

パーカッションは心臓の鼓動そのものとなって響き渡る

他の客たちも、気がつけば一緒に踊っていた

普段は愚痴をこぼすサラリーマンも

静かに酒を飲むはずの老紳士も

さらには買い物帰りの主婦までが輪に加わり、笑顔で踊り狂った

テキーラは壁を取り払い、見知らぬ者同士を仲間に変えていく

ひと口で音楽が始まり、二口で人生が軽やかになり、三口で世界そのものが陽気にスウィングし始めるのだ


やがて音楽はクライマックスを迎えた

全員が声を合わせて叫ぶ

「テキーラッ!」

その声は夜の街にこだまし、まるで星空まで届いたかのようだった

曲が終わると、バーは再び静寂に包まれた

楽師たちの姿は消え、グラスの中にはもう氷だけが残っていた

男はカウンターに腰を下ろし、息を切らしながら笑った

「……やっぱり、テキーラは最高だ!」

その顔は、若者のように輝いていた


外に出ると、夜風が心地よく頬を撫でた

路地裏に消えていく男の背中は軽やかで

まるでまだ音楽に踊らされているかのようだった

テキーラ──それは酒であり、歌であり、踊りである

一夜の魔法をもたらす、永遠のラテンジャズの伴侶

そしてその夜もまた、誰かのグラスの底から、あの陽気なリフが立ち上がるのだった

「テキーラッ!」


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