わたしは、まっすぐな夢――アイビスサマーダッシュ
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
「……今年も、あの季節がやってきたんだね」
新潟の海風がそっと頬をなでる──
いや、これは“わたしの背中”を、だ。
わたしの名は、アイビスサマーダッシュ。
夏の終わり、新潟競馬場の千メートル直線にだけ姿を現す、風のレース。
コーナーはひとつもない。ただまっすぐに、ひたすらまっすぐに。
スプリンターたちが風と夢を纏って走り抜ける、わずか50秒の激走。
でもね、わたしはただの短距離重賞なんかじゃない。
わたしには、“まっすぐに夢を掴もうとする者たち”の記憶が、幾千も刻まれているの。
──思い出すのは、小さな青鹿毛の牝馬。
その子はまだ幼く、華奢で、誰もが“お試し”だと思っていた。
けれど、ゲートが開いた瞬間、彼女の脚は空を飛んだ。
まるで「私はここで始まるの」と言わんばかりに、一直線に。
どの馬よりも軽やかに、強く、美しく。
その夏、彼女はわたしの背中で初めて輝き、
そして秋には、電撃の決戦で王者を撃ち取り、
やがて世界へと羽ばたいていった。
「小さな女王が生まれた夏だった」と、誰かがつぶやいた。
わたしは、その言葉が誇らしかった。
──次に覚えているのは、白銀にきらめく芦毛の青年。
彼の走りは、まるで“風そのもの”だった。
誰もが疑った。
「直線だけのレースなんて」と。
でも彼は、外ラチを滑るように、ただ前だけを見て走った。
音を置き去りにして、風だけがそこにいた。
その年、彼は大舞台でも“伝説の逃げ”を決め、
勝利を手にした。
「速さに、潔さが宿っていた」と、誰かが言った。
わたしは、その言葉を今でも噛みしめている。
──そして数年後。
あの栗毛の男の子が、わたしの背中に立った。
長く“無冠”と呼ばれた快速馬。
期待されては散り、再び立ち上がってきたその馬は、
わたしの千メートルで、怒涛の末脚を解き放った。
「まだ、終わっちゃいない!」
そう叫ぶようなゴールだった。
その一勝が、再挑戦の狼煙となり、彼はもう一度G1の舞台へと歩みを進めていった。
彼の汗と土の匂い、わたしは今も忘れられない。
わたしが生まれたのは、2001年。
最初は“変わり種のレース”と呼ばれた。
でも今では、“日本唯一の直線重賞”として、夏の象徴のひとつになった。
わたしは特別だ。
誰とも、どのレースとも違う。
コーナーはない。
内も外も関係ない。
ただ、ひたすら、まっすぐ。
速さと勇気を持つ者だけが、この一本道に挑むことができる。
今日もまた、海風がそよぐ。
ゲートに並ぶスプリンターたちの瞳が、太陽のように燃えている。
夢を追う者。
再起を誓う者。
未来を切り拓こうとする者。
彼らはみんな、“まっすぐな道”にその身を投じる覚悟を持ってここに立つ。
わたしは、そのすべてを、まっすぐに受け止める。
だからこそ、誇らしい。
わたしは、夢の通り道。
わたしは、風を孕んだ夏の舞台。
わたしは、アイビスサマーダッシュ。
──夏の空へ、今年もまた、疾風が駆ける。




