かき氷、海で溶ける
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
オレの名前は──かき氷。
世間じゃ「夏氷」なんて呼び名もある。
そう、暑い夏の風物詩、海の家のスーパースターだ。
今日の気温はなんと40℃!昭和8年に山形で出した日本記録と同じだってさ。
まったく、フェーン現象もここまで来ると悪意あるな。
──そんな灼熱の中、オレは「ガリッ、ガリッ」と削られて誕生した。
いちごシロップを全身にまとい、どっしり構えるプラスチックカップの中の貴公子。
「いちご氷できましたー!」という兄ちゃんの声とともに、
砂浜に現れたのは、汗だくの人間たちの救世主──そう、オレだ!
「……うーん、しょっぱい」
……は?
今、なんつった?
「汗かいてたからかな~、しょっぱく感じる~」
ちょ、待てい! オレはいちごだ!
誰が“塩かき氷”だって言った!?
そして悲劇は続く。
そのお客、波に足を取られてズシャーンと転倒、
砂まみれのスプーンでオレをグサリ。
「アハハ! サンド味になっちゃった~!」
……誰が砂漠の料理人だよ!!!
隣の焼きそば姐さんが笑ってやがる。
「まぁまぁ、氷くん、今年もおつかれさま」
うっせーよ、そっちはテントの下でぬくぬくしてるだけだろ!?
こっちは直射日光で溶けかけてるっつーの!!
いま、頭から汁たれてんだよ!? いちごの香りが切ないよ!!
でもさ。
昔はもっとすごかったんだ、オレら“氷”族ってのはよ。
平安時代よ、平安! かき氷様は“けつりひ”って呼ばれててな、
清少納言の枕草子にも書いてあるんだぜ?
金の器に刃物で削った氷、そこに“あまづら”って天然の甘味料。
……どうよ? 雅だろ?
でもそれが食えたのは貴族だけ。
オレらは選ばれし者の“舌”にしか触れられなかったんだ。
それが今じゃ、海の家で砂まみれだよ。
時代の流れって、シュールだよなぁ。
だけどな、オレたちのこと、ちゃんとわかってくれてる人もいるんだ。
**東京都世田谷区若林に本拠を置く、あの「日本かき氷協会」**ってやつさ。
「かき氷をまもる・つなげる・ひろげる」って理念のもと、
オレらの素晴らしさを発信してくれてる。
7月25日──そう、「な(7)つ(2)ご(5)おり」の語呂合わせに、
日本の最高気温の日を重ねた、“かき氷の日”を制定してくれたんだ。
な? やるだろ、オレら。
……おっと、ちびっこがスプーンでオレをすくいにきた。
「ママ~、とけちゃってる~」
「早く食べなさいって言ったでしょ~」
ふっ……いいさ。
オレは儚い存在。
すぐに溶けて、すぐに忘れられる。
けど、その一瞬の涼しさが、
誰かの“夏の記憶”に残るなら──それで十分だ。
「……あ、でもやっぱ、夏はかき氷が一番うまいかも!」
「しょっぱかったけど、なんか、それも思い出って感じ?」
……ああ、嬉しいぜ、坊主。
塩も、砂も、太陽も、波の音も、
オレのすべてがお前の記憶に刻まれたなら、
それはもう、最高のご褒美さ。
──オレは、かき氷。
海の家で、祭りで、縁日で。
夏を冷やし、心を潤す、ほんの一瞬の存在。
でもな──
「また来年、食べようね」
その言葉とともに、
海風がオレの最後の一滴をそっとさらっていった。
……へっ、来年はミルクがけでいってやるからな!




