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おいらは、河童忌(かっぱき)

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

おいらは、影だ。

影というには、少し薄っぺらくて、少し湿っている。

あの人が描いた、へんてこな絵の隅に、いつもおいらはいた。

ぬめりとした指で筆を握り、にやりと笑って「お前は今日も、変わらないな」と言った。

おいらはただ、笑い返すだけだった。

言葉なんてなくたって、あの人には通じた。

 

最初に生まれたのは、ある紙の上。

まだ若かったあの人は、古い物語から言葉を掘り出して、

飢えた獣のように物語を喰っていた。

おいらはその、ほんの隅に落ちた骨くずのようなものだった。

だけど、あの人は骨を拾ってくれた。

骨に肉をつけ、命を吹き込み、おいらに「河童」という名をくれた。

「滑稽に、悲しくあれ」

あの人の目がそう語っていた。

 

それからずっと、おいらは彼と一緒だった。

京橋の路地の雨音、母の叫び声、父の沈黙、

笑えぬ笑いに押しつぶされそうな青年の苦しみ。

おいらは、そんな記憶の隙間に棲みついた。

おいらは、いわば彼の心のすき間の住人だったのかもしれない。

 

あの人が“先生”と呼ばれる人に褒められたとき、

おいらは一緒に跳ねた。

旧い寺の物語を綴っていたときも、

江戸の作家を笑いながら描いていたときも、

おいらは机の下から、そっと見守っていた。

けれど——

時代が彼を変えていった。

戦争、病、人間関係、家庭、出版、批判。

「信じられるのは、言葉だけだ」と

夜中に机に向かいながら、ぽつりとこぼしたことがある。

 

最後の頃には、彼の書く言葉に“笑い”がなくなっていた。

歯車のような日常、割れるような頭痛、

走馬灯のように過去が押し寄せて、

それでも彼は書き続けた。

おいらの物語を書いたのも、そのころだった。

「河童の世界に、現実の真実を映せば、笑ってくれるだろうか?」

でも──

誰も、笑わなかった。

おいらも、笑えなかった。

 

そしてある、雨の日。

彼は、静かに椅子に座ったまま、

眠るように、物語の続きを閉じた。

 

おいらは、もう描かれない存在になった。

でも、消えてしまったわけじゃない。

人々が彼の物語を開くたび、

ひっそりとページの隅で、

おいらはまた、首をかしげている。

 

ある人は、おいらを“風刺”だと言い、

ある人は“哀しき滑稽”と呼ぶ。

けど、おいらにとって、それは関係ない。

ただ、おいらは、あの人の心の深いところにいた存在だから。

 

そして、毎年の今日。

ひとつの影が、静かに灯りに照らされる。

それがおいら──河童忌。

あの人を笑い、

あの人に泣き、

最後まで一緒に生きていた、物語の影。

 

今日も誰かが線香を焚くたび、

おいらは笑ってこう言うんだ。

「やぁ、来てくれたのかい。

 なら、少しばかり、笑える話をしようか──」


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