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天ぷら日和…ころもごしの物語

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

わしの名は──天ぷらじゃ。

サクサクと、ふっくらと。

油の中でほんのひととき、命を躍らせる。

いわば“揚がりたて人生”、ちゅうところかのう。

 

生まれは遠き南蛮の地──。

16世紀の終わり、ポルトガルの宣教師たちが日本に持ち込んだ、「テンポーラ」と呼ばれる精進料理。

魚や野菜を油で揚げ、肉を断つ代わりに神へ誠意を示す、祈りの料理じゃった。

だが、日本の風土と出会い、わしは変わった。

神に捧げられるだけではない、人の腹と心を満たす料理へと──。

 

江戸の頃、橋のたもとに屋台が並んだ。

油のはねる音、芳ばしい香り、きつね色の衣。

「へい、芝エビ揚がったよ! 塩でいってらっしゃい!」

疲れた職人、ふられた娘、暇を持て余す若旦那。

みな、わしの前では平等じゃった。

揚げたてのサクッという音が、心の隙間を埋めてくれたようでのう……。

 

ある日、屋台に来た坊主頭の少年がおった。

「おっちゃん、今日はお金ないけど、見ててええ?」

わしは、その屋台の親父が黙って衣を厚めにした野菜を揚げ、

紙に包んで手渡すのを、よう覚えとる。

「冷めたら味が落ちる。今すぐ食え」

その子が涙ぐみながら「ありがとう」言うたとき、

わしはただの料理じゃなく、人の心をつなぐ橋になれると知った。

 

時代は巡り、明治、大正、昭和──

わしも姿を変えていった。

銀座の料亭で、職人が一つ一つ揚げる“芸術品”。

家庭の食卓では、母ちゃんがサツマイモをじっくり揚げる“おふくろの味”。

戦争で油が手に入らぬときは、わしも消えた。

でもな、復興とともに、また台所に戻ってきたんじゃ。

あの香り、あの音、あの温もりが……人の記憶の底でわしを呼び戻してくれた。

 

わしは、素材を選ばん。

エビ、キス、ナス、カボチャ、舞茸、ししとう──

海も山も、どんなもんでも、衣で包み、引き立てる。

「わしが光るんじゃない。素材が光るように、わしが包むんじゃ」

それが、天ぷらの矜持きょうじじゃ。

 

今の世はええのう。

遠い国でも「Tempura!」と呼ばれ、人気を博しとる。

観光客が目を丸くして揚げたてを口に入れ──

「カリッ!ホワ〜ッ……オイシイ!」と叫ぶ。

その度に、わしはちょいと照れながらも、誇らしくなるんじゃ。

 

最近では、子どもたちが描いた絵が送られてくる。

「ナスの天ぷら、だいすき!」

「おばあちゃんと一緒に、カボチャを揚げました!」

ふふ、ええ話じゃ。

わしは、ただ油に揚がるだけじゃない。

家族の思い出、季節の記憶、人生の節目に寄り添ってきた。

 

──冬の日の、受験前夜。

父親が無口に揚げた海老の天ぷらを前に、

娘がぽつりと「ありがとう」とつぶやいた話もある。

──桜が咲く春の日。

亡き祖母のレシピをもとに、家族みんなでたらの芽を揚げ、

食卓で「ばあちゃんの味だね」と笑い合った話もある。

わしは、いつだってそこにおった。

 

季節は巡る。

春はふきのとう、夏は穴子、秋は銀杏、冬はごぼう。

わしはこれからも、旬をまとって、サクッと揚がり続けるであろう。

 

最後に、ひとつだけ言わせておくれ。

わしは──天ぷら。

ほんの数分の命じゃが、

人の記憶に“おいしい”という形で残るのなら、それが本望。

 

今日もどこかの食卓に、笑顔が揚がりますように──。


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