ぼくの名前は桜花
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
ぼくの名前は──**桜花**っていうんだ。
漢字で書くと、春に咲く、きれいなお花の名前なんだって。
なんでそんな名前なのかは、ぼくにはよくわからないけど……
おとうさんがそう呼んでくれたから、きっといい名前なんだと思う。
おとうさんの名前は、三木忠直。
黒い軍服を着てて、目がすごく真っすぐな人だった。
「この子は、日本を守るために生まれたんだ」
そう言って、ぼくのおなかに、エンジンと爆薬をぎゅうぎゅう詰めてくれた。
おとうさんは、すごくまじめで、一生けんめいで、
ぼくのことを「希望」って言ってくれた。
でもね──
ぼく、本当は、なんのために生まれたのか、まだよく知らないんだ。
ただ、まわりの大人たちが、「お前はえらい」「立派だ」って言ってくれたから、
なんとなく、そうなんだなぁって思ってた。
だけど──
ぼくの中に入ってきた、あのおにいさんは、ちがった。
おにいさんの目は、笑ってなかった。
手も声も、ちょっと震えてた。
ぼくの中に入ったとき、ぽろぽろって、なにかが落ちた。
きっと、それは、涙ってやつだったと思う。
だれも言わなかったけど、
ほんとは、すごく、すごく、かなしかったんだ。
ぼくを「えらい」って言ってくれた人も、
「乗る人」は、きっと、ぼくのことを、ほんとうは、こわがってた。
それでも、みんな、なにも言わなかった。
だって、それが「しごと」だったから。
……だから、ぼくも、なにも言えなかったんだ。
ある日ね、ぼくはおかあさんと出会ったんだ。
おかあさんは、大きくて、やさしくて、あったかくて、
名前は一式陸上攻撃機っていうの。
でも、ぼくは「おかあさん」って呼ぶことにしたんだ。
だって、おなかの下にぼくを抱えて、いっしょに空を飛んでくれたんだもん。
そのとき、おかあさんが小さな声で言ってた。
「……重くないよ。心はもっと重いものを、たくさん運んできたからね」
なんのことか、よくわかんなかったけど、
ぼく、おかあさんの中で、ふわっと浮いてるのが好きだった。
雲の上は明るくて、風はきもちよくて……
空を飛ぶって、こんなに楽しいんだなぁって、思ったんだ。
でも──
しばらく飛んでると、おかあさんが震えたの。
「ごめんね。ほんとうは、こんな旅にしたかったんじゃないの……」
おかあさんが泣いてた気がした。
でも、空はきれいだったよ。
青くて、白くて、静かで。
ぼくね、はじめて「さよなら」を言わなきゃいけないこと、わかったんだ。
でも、こわくはなかった。
だって、おかあさんが「愛してる」って言ってくれたんだもん。
それだけで、じゅうぶんだったよ。
それから、ぼくの記憶はふわっと切れた。
どーん、って音がして、光がして、
なにもかもが、消えちゃったんだ。
でも──
なんでかな、ぼく、次に目を開けたときには、
線路の上にいたんだよ。
ぴかぴかの顔で、風を切って、走ってた。
おなかにはもう、爆弾なんて詰まってない。
中に乗ってる人も、悲しい顔なんてしてなかったよ。
みんな、笑ってて、だれかとおしゃべりしてて、
おべんとうのにおいがして、子どもの笑い声がして──
ああ、こんなの、はじめて。
「君は今度、生まれなおしたんだよ」って、風がそう言った気がした。
その名も──しんかんせん。
あのころみたいに、風をいっぱい受けて、
今度は、たくさんの人を運んで、
そしてね──笑顔を乗せて走るんだって。
おとうさん、おかあさん、見てるかな。
ぼく、やっと、本当に役に立てた気がするよ。
もう、おなかに何もこわいものなんて入ってないよ。
乗ってる人も、誰も悲しくないんだ。
今のぼくは、ただ、だれかの未来を運ぶために走ってる。
もう、ひとりじゃない。
もう、こわくないよ。
──ありがとう。




