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俺は、逃げた…そして貫いた

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

1993年、福島。

夏の陽が、競馬場を焦がしていた。

照り返す芝、遠くで鳴く蝉の声。

スタンドのざわめきは、いつもより少し冷たい。

俺は、ゲート裏で耳を澄ませる。

「どうせ、また暴走だろ」

「前に行くだけの馬じゃな……」

「最後まで持つわけがないさ」

わかってる。俺に寄せられる声は、応援より、ため息が多い。

それでも構わない。俺には、俺の走りがある。

誰が何と言おうと──

俺は、逃げる。全力で、最初から最後まで。

なぜかって?

それしか、知らないからだ。

それだけは、誰にも負けたくなかった。

ゲートが開いた。

飛び出した瞬間、世界が俺の後ろに置き去りになる。

脚が芝を叩き、砂が宙を舞い、汗が風に消えていく。

1コーナー。もう誰も、見えない。

2コーナー。差が開く。6馬身……10馬身……15馬身!

「またやってるよ……」

「すぐ捕まるって」

それでも、俺は構わない。

逃げて、逃げて、逃げ切ってやる。

これが、俺の誇りなんだ。

3コーナー。

後ろの気配が近づく。

でも、脚はまだ動く。魂はまだ燃えている。

──やれる。

今日は、やれる気がする。

4コーナー。

内ラチをなぞるように、最後の直線へ。

遠くのスタンドから、ざわめきが変わる。

「……あれ、残るぞ……?」

「まさか……あいつが……!」

追い込み勢が迫る。だが、俺は脚を止めない。

叫べ、心よ。唸れ、エンジン!

実況が吠える。

「全開だッ!!ターボエンジン逃げ切ったァァァッ!!!」

その瞬間、音が消えた。

俺の中の何かが、叫んでいた。

──やったぞ。

俺は、俺の走りで勝った。


その日、初めてファンが俺を見た目で追ってくれた。

名前じゃない。血統でもない。

“逃げ”だけを信じて走る、ただの俺を。

その後も、俺は逃げた。

逃げて、敗れて、逃げて、沈んで。

栄光の舞台──GⅠの勲章には、一度も届かなかった。

だけど、構わない。

“勝てる逃げ”より、“俺だけの逃げ”を貫いた。

それだけで、俺の魂は満たされていた。

気づけば、呼ばれていた。

──「最後の個性派逃亡者」と。

名誉なんていらなかった。

賞金なんてどうでもよかった。

ただ、誰よりも前を、風の中を走っていたかった。

あの夏、福島の空の下。

俺は、確かに“俺だけの競馬”を貫いた。

そして今でも、あの直線の向こうで、

俺の魂は、全力で──逃げている。


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