地図には刻まれない仕事
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
わしは──道じゃ。
けっして有名な幹線道路じゃない。
地図の上でも、小さく細く描かれとるだけの、山あいの古い道じゃ。
長い年月、風と雨と車に踏まれて、
わしの背中はボロボロになった。
アスファルトは割れ、草が隙間から顔を出し、
雨の日には大きな水たまりができて、
通る者がタイヤをとられては舌打ちする。
それでもわしは、黙ってそこにおった。
──そういうもんじゃ、道というのは。
そして、今年の夏。
カラカラに乾いたセミの声が響く朝、
遠くから、ゴォォォ……という音が近づいてきた。
トラック。重機。人の声。
わしのもとに、“道を直す者たち”がやってきたんじゃ。
その中に、ひときわ若い現場監督の男がいた。
名前は尚人というらしい。
まだ顔にあどけなさが残っとったが、
目だけは真剣そのものじゃった。
「この道、地図には載ってないんですけど、
子どもたちが毎日通学に使ってるんです。
自転車で転んだって話もあって……放っておけなくて」
そう言って、尚人はわしのひび割れにしゃがみ込み、
手でなぞるように、そっと触れた。
その手は、あたたかかった。
まるで「おかえり」と言われた気がした。
次の日から、わしの背中で作業が始まった。
古いアスファルトが剥がされ、
割れた下地が砕かれ、整地され、転圧される。
現場は汗と埃にまみれておったが、
尚人は一度も手を止めんかった。
「どんなに小さな道でも、通る人にとっては“大切な道”なんです。
それを、ちゃんと繋ぎ直すのが俺たちの仕事ですから」
誰も見ていなくても。
感謝されなくても。
それでも、誰かの暮らしを支える道を直す。
わしは、誇らしくなった。
こんなにも丁寧に扱ってもらえるなんて、思ってもみんかった。
そして、最終日。
まだ陽が昇りきらぬ朝、
ついにわしの背中に──新しいアスファルトが敷かれた。
黒く、まっすぐで、光を吸い込むような、
それはまるで“新しい時間”のようじゃった。
転圧機がその上をゆっくりと通っていくと、
まるで心臓に新しい血が流れ込んだように、
わしの全身が目を覚ますのを感じた。
尚人は、整備が終わった道の端に立って、
静かにこうつぶやいた。
「地図には載らないかもしれない。
でも、この道を毎日使う人には、ちゃんと届く。
俺たちの仕事って、そういうもんですよね」
わしは、道。
長く使われ、老いて、壊れて、
それでもまた、人の手によって甦った。
たとえ名前がなくても、
たとえ誰の記憶にも残らんかったとしても、
ここには、確かに“誰かの想い”が重ねられた。
──地図には刻まれんかもしれんが、
この道を通る者の心には、きっと残る。
それが、わしの誇りじゃ。




