あたしは、きっと甘すぎた
*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)
なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)
あたしは──桃。
山の陽だまりで育った、ひとつの果実。
やわらかな産毛に包まれて、枝の上で、そっと風を感じていた。
太陽は優しかった。
雨も、虫の羽音も、どれもがあたしに「生きてるね」って教えてくれる。
あたしは、ただ熟すのを待っていた。
それが、果物としての役目だから。
でもね。
あたし、ちょっとだけ、甘くなりすぎたみたい。
収穫されて、きれいに箱に詰められて、トラックに揺られて。
たどり着いたのは、静かな八百屋さんの店先だった。
並んでる仲間たちを見て、どこかほっとした。
「誰かに選ばれたら、その人の笑顔になれる」
あたしたちは、そう信じて並んでる。
でも、時間が経つにつれて──
隣の子がひとつ、またひとつ、売れていく。
小さな手に抱かれて、袋の中に消えていく。
あたしは、取り残されていった。
「ちょっと熟れすぎかなぁ……」
店のおばさんが、そう呟いたのを、聞いてしまった。
あたしは──
甘くなりすぎた。
香りも、やわらかさも、人によっては“重たい”のかもしれない。
もう、見向きされない桃になってしまったのかもしれない。
夕暮れが迫って、店じまいの準備がはじまったころ。
ひとりの女の子が、あたしを見つめた。
まっすぐに、真剣に。
「……この子がいい」
その言葉に、おばさんが少し驚いた顔をした。
「いいの? 他のはまだ固いよ?」
「うん。甘いのが、いいの」
その手は、まだちいさくて、少しだけ震えてた。
でも、あたしをそっと抱くその手は、とてもあたたかかった。
あたしは、選ばれた。
最後に残った、あたしが。
帰り道、女の子はふと、ぽつりと呟いた。
「……おばあちゃん、甘い桃が好きだったから……」
──そうか。
あたしは、誰かの記憶の中にある“甘さ”を、探してここまで来たんだ。
もうすぐ、あたしは食べられてしまう。
果物として、それが最期のしごと。
だけど今、ほんの少しだけ、あたしは“生きた”気がしてる。
ありがとう。
あたしを見つけてくれて。
あたしの甘さを、無駄にしないでいてくれて。
──あたしは、桃。
たったひとつの、やわらかすぎた果実。
でもきっと、今日という日の甘さを、あなたの心に残せたなら。
それが、あたしの幸せだった。




