20.【作風の表し方】「五人囃子の見合い婚」 大浜英彰著、「旅立ちの日に」あき伽耶著、「赤提灯の映える日本の夕べ」大浜英彰著
今回はこんな切り口。
【作風の表し方】
いつもバナー屋で語っていることですが、今回この角度から書いてみました。
作品をバナー化するときに、作風をどうバナーで表すか?
まああくまでアキカヤ流なんですけどね。
わかりやすく伝えられように、書いてみます。(#^^#)
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【バナーNO.50】
「五人囃子の見合い婚」
作者: 大浜英彰さま
https://book1.adouzi.eu.org/n1545gv/
《ストーリー》
三人官女と五人囃子が恋人同士なら、二人余って可哀想。
そんな無邪気な発想で働いたお雛様への悪戯が、思わぬ事態を引き起こす。
桃の節句を控えた少女の身に起きた、人形を巡る怪異譚。
(著者ご本人の作品紹介より)
ストーリーのご紹介、私のレビュー文でもさせてください♡
大浜英彰さんは、特撮や歴史など本ッ当にお詳しくってすごいんです。たぶん、知らないことは無いんじゃないかなって思ってるんですけど。
作品には魅力的な女の子たちが登場し、アクロバットを披露したり、はたまた理知的に物事を解決したりして、爽快です。大浜さんの描くキャラクターでは、私はひょうひょうとしたユニークな子が大好きです♡
そういった作品の一方で、人の情けをぐっと感じさせてくれることもあり、懐が深い作家さまです!
~バナー屋の独り言~
今回のテーマ、「作風の表し方」の切り口で説明していきます。
この物語、実はホラージャンルなんです。人形たちが主人公の京花ちゃんを金縛りに合わせて、願いを伝えてくるっていう……w
でも実のところ、コメディ風味のハッピーな物語。
そのためバナーも、「楽しいけどちょっと怖い要素もある作品だよ」と、伝えたい。
なので、まず明るい雰囲気の「イラストや」を使わせてもらいました。
さらにホラー要素として、オバケをひな壇の左右からのぞくように登場させました。
ここで雛人形をオバケ化させてしまうと、ネタばれるので、NG。
ちなみに、オバケの色味を薄くしているの、わかります?
オバケが色濃いと、ホラー色全開! になっちゃうんですよねー。だからホラー印象が弱くなるように薄くしました。
背景色は雛祭りだから、もちろん赤ですけど、赤は赤でも雛祭りらしい朱色系の赤をチョイス!
ちなみに下の縦縞は、お雛様が乗っている台~正式には玉台というものだそう~の縁の柄のイメージ。
この縦縞がないと、バナー全部がひたすら赤くなっちゃうので、これを使って赤を緩和しつつ、デザイン化しました。
さあそして、作風の伝え方の仕上げ。文字です。
文字はいっつも悩むんですよね~。さらに御作がホラーかつコメディ。しかも和テイスト。
うーむ……
そうだ、こういうときは、中庸だ!
ホラーでもコメディでもない、筆文字を選びました。ただしものすごい達筆系や、歌舞伎文字のような個性強い筆文字は控えて、あったかみのある少々ちんまりした文字にしました。
物語もあちこちでクスクス笑わせられるんですよ。だからこの文字と合うように感じて、そうしました。
【バナーNO.51】
「~桜舞う物語~「旅立ちの日に」」
作者:あき伽耶
https://book1.adouzi.eu.org/n0649iv/
《ストーリー》
若くして亡くなった夫のパン屋を残そうと、五十余年もの間、毎日のようにパンを焼いて必死に働いてきた妻。高齢となった今でも、パン屋を細々と続けていました。しかし想いとは裏腹に身体は思うようにはならず……
桜が満開の或る日のこと、とうとう妻は店を閉めようと思い立つのです。
この物語は、そうして迎えた店の最後の一日を描いています。
なおこちら、2025年純文学短編ジャンル年間22位、第4回ステキブンゲイ大賞一次通過作品。私の代表作です<(_ _)>
~バナー屋の独り言~
この作品は「卒業」「新しい一歩」などがテーマになっていますので、卒業入学の雰囲気を表現しました。
バナーとして表現するには、テーマがめっちゃ明快! わお、楽ちん!
……ただですね、実は読んだ方はわかるように、内容は○○○○で。
そうなんです、きゃあハッピ~♡ ていうモノではないのですね。
けれど、バナーでそのことがネタばれてしまうと、掌編の結末に障る……!
だから「作品の雰囲気を伝えるけど、絶対ネタバレナシ!!」という、矛盾した内容に取り組みました。
そのためにしたことは、「人物を出さないこと」。
人物を登場させると、けっこう物語が伝わってしまうと思うんですよね。
人物を出さないことで、かなり抽象的になれるのでは。
なのでこのバナーは、満開の桜の向こうに、話の舞台であるパン屋さんを設置。
文字フォントは卒業というフォーマルな雰囲気と落ち着いた話だと感じてもらうために、明朝体を使いました。
ここまで明朝体を堂々と使ったバナーは、あまりないかもしれない(@_@) あ、木山花名美さんの「言問橋のうさぎ」でもやっぱり使ったな。
……っとっと、これ以上喋ると、ネタバレしちゃいそうだw
【バナーNO.52】
「赤提灯の映える日本の夕べ」
作者:こちらも同じく大浜英彰さま
https://book1.adouzi.eu.org/n0649iv/
この作品、迷って迷ってバナーを2種類つくりまして。
それはあらすじのあとご紹介m(__)m
《ストーリー》
青年時代を過ごした思い出の土地である日本に、会社の出張という形で再訪した壮年の台湾人男性。
彼は今回の訪日で、日本で留学生活を送る娘と再会する約束を立てていた。
堺県堺市中区、中百舌鳥駅。
異郷の地で久々に顔を合わせた父と娘は、晩酌しながら旧交を温めようと学生街の居酒屋を目指すのだった。
夕焼けで茜色に染まる学生街のそこかしこで灯る、居酒屋の赤提灯。
その柔らかい光は、父にとっても娘にとっても心温まる物だった。
~バナー屋の独り言~
この作品は、赤提灯の良さを味わいつつ、主人公の女子大生が赤提灯で酒を傾けるというギャップを楽しむ物語でして。
本来ならその両方のいいとこどりしたバナーを作らなくてはいけないんですけど、限られた素材では難しくて。いや、素材の問題ではなく、うまい落としどころに至れなかったのかも。あ、あと、私が飲兵衛なので、どうしてもリアル世界に浸りたかったのかもしれませんw
そんなわけで、悩んだあげく、2種類作ってしまいました(n*´ω`*n)
①赤提灯をがっつり楽しむリアル版
②女子大生のユニークさをポップに表現した、デフォルメ版
①は、飯テロおでんと大衆居酒屋の店構えのリアル写真をどんと載せました。もうこれ見ただけで、飲みたい……♡
バナーの両端に赤提灯を左右に吊るすことで、作品の軽く楽しい雰囲気を滲ませてみました。
このお銚子とお猪口は、絶対おきたかったヤツ。あえて写真は使わずに、左右の赤提灯とのバランスで、イラストを採用しました。
フォントは、作風を意識して面白い雰囲気を。ですが、「日本」を味わうという設定なので、日本や作者名はガッツリ筆文字にして、和を強調しました。
ちなみに、赤い背景に地紋が入っていますでしょ? これも以前他の和系バナーでも使ってます。地紋が入ると、一気に和テイスト感アップです。
②は、①と対照的に一気に可愛くデフォルメしちゃいました。
おでんって、こんなにポップだったっけ?w
赤提灯もデザイン化しています。お銚子とお猪口もかわいい素材を選択。
タイトルの文字フォントは同じものを使っていますが、赤提灯にちょっとした遊びを加えて、灯をともしてみました。それから大浜さんの御名前はぐっと太い筆文字にしてあります。全体がポップなので、このお名前で重みをつけてみました。
二つのバナーはセットで作ったので、色もあえて反転させるように意識してみました。
いかがでしょう。皆さんはどちらが好みですか?
皆さん、気になる作品ありましたか?
れっつ、ちぇけら!!
ひさしぶりの更新となりました。
最近、いろいろ忙しくてですね(;^_^A
作ってから年月どんどん経っちゃってるので、ピッチ上げよう(自戒モード)













