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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部3章『偽りの決戦!』
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6話 「魔界へ」

「ふん、やはり貴様か・・・ナイトメア。」


 アシュラの呆れた声が響く。どうやらこの二人は知り合いらしいな。・・・アシュラの態度を見る限り、良好な関係とは思えないが。


  悪夢( ナイトメア)の名前が示すとおり、人を覚めない悪夢にいざなう悪魔だと聞いている。それがゆえに幻を操るか。


「け、ケケケ・・・お、俺とお前の仲じゃないか。ここは一つ見逃してくれ!」


 先ほどまでの態度と一転して卑屈に助命を願う。なるほど、これはアシュラと馬が合うはずもないな。


「断る! 貴様を生かしておくと面倒なことこの上ない!」


 どうやら、前科もあるようだな。ここはアシュラに任せておくか?


「へ、へへ・・・そういうなよ。今度のことは俺の意じゃねぇ。魔王様に頼まれてな。」


 魔王・・・その名にアシュラがピクリと反応する。


「隙ありだぜ! じゃあな、アシュラ!」


 そして、ナイトメアはある意味この手の修羅場に慣れていたようだ。アシュラの僅かな隙をついて闇の中へと姿を消す。残されたのはナイトメアが消えた深遠の闇だけだった。


「ちっ、逃がしたか!」


 アシュラが忌々しげに呟く。しかし、奴の話を総合すると、今回の騒動は魔王が原因って言うことになる。この先、闇の中へ踏み出せばそこは魔界。


「リュウトよ、その先に踏み出すならば問うておかねばならんことがある。此度の騒動は一人の魔王がやるものとしては規模が大きい。通常この手のことをやるならば他の魔王の横槍が入るはず。つまり、場合によっては複数・・・いや、七人全ての魔王を敵に回すことになる。」


 遥か昔から魔界を治めし七人の王の共謀である可能性が高いというわけか。たしかに厄介な相手だ。・・・おそらく全員が(俺が戦ったときの)邪竜神よりも上の存在だと見ていいだろう。それでも


「それでも行く。いや、そうであるならなおさら行かねばならない。俺が守らねば世界はなんて自惚れるつもりはないが、俺に出来ることはやっておきたいんだ。」


 そう、それが俺の正直な思い。俺の大切な世界・・・絶対に守って見せるんだ。


「早まるな。貴様がそう答えることなんてわかっている。オレが問うのは覚悟ではない、意思だ。・・・貴様は何の為に戦う? 世界を守る為? そんな建前はどうでもいい。貴様の心の内にある本当の思い。真に得たいもの、守りたいもの・・・それを見出せなくば貴様は必ず死ぬぞ。」


 これは脅しではない。アシュラの真剣な目が雄弁にそれを語っている。だが、俺にはその問いに対する答えがない。・・・そうだ、世界を守ろうとするのはあくまで遺言だったから。俺自身の理由とは言い難い。俺が元々守ろうとしていたのは俺自身の小さな世界。いや、そもそも何故それを守ろうとしたのか・・・今、本当に守りたいものは何なのか。


「答えが出ぬか。ならば行くな・・・と言いたい所だが、それを聞き入れる貴様でもあるまい。魔王との戦い、面白い。オレもついていってやる。だが、忘れるな。来るときまでに貴様が問いの答えを出さねば結果は変わらん。」


 おそらく、アシュラが自身の楽しみのために戦うのは本当だろう。だが、その中には俺を守るという思いも確かに感じる。・・・それゆえにアシュラの言は無視できない。


「二人だけで話をされても困るな。言っただろう?私もそなたと共に平和を取り戻して帰る覚悟はあると。・・・そしてそれはそのまま私の戦う理由なのだ。」


 顔を赤くしながらも俺と共に魔界へも行くと宣言するアキ。


「もっちろん、わたしもついていくよ~。」


 きっとこっちは何にも考えていないのだろうと思われるレミー。でも、彼女にもきっとあるはずなんだ・・・俺と共に戦おうとするその理由が。


「私もついていく。地上で育った私は魔界のことよく知らないけど、魔王も怖いけど・・・でも、私もリュウトは守りたい!」


 戦闘終了と共に陰から出てきたママナもそう宣言する。彼女がそこまで俺にこだわる理由はなんなのか。おそらく、彼女特有の理由があるのだろう。・・・結局、自分の心さえも見えていない馬鹿は俺ぐらいな者なのかもしれないな。だが、それでも行く。少なくてもこのまま放置することを俺は望んではいないから。


 再びだんまりを決め込みながら、チカチカと明点する竜神剣はそれで良いといっているのか。それとも俺の愚かさに苦笑しているのか・・・持ち主より剣の方が賢いって言うのも悔しいものだな。

偽りの決戦が終わり、いよいよ真の地獄への道が開けました。


リュウト「魔界の七人の王。目的も正体も全てが謎か。」


勿論敵は魔王たちだけじゃない! ルーンもヘルも・・・そしてまだ見ぬ悪魔たちも出てくるでしょう!


リュウト「百年前より強くなった俺達の真価もここから発揮されるわけだしな! では竜神伝説第二部4章「突入! 暗黒の魔界」降り立ったのは魔界の森? 魔王の居城はまだ遠い。じゃあ、次回もまた会おうな。」

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