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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
2部2章『語らいの夜』
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7話 「エルフと天使」

 う~ん、リュウトったらどこにいったのかしら? 部屋にもいないみたいだし・・・


「あーちゃん、みっけ!」


 うひゃあ! いきなり後ろから飛びついてきたのはレミー。正直、悲鳴を漏らさなかっただけでも上出来だと思う。この子の事だから、別段意味はないんだろうなぁ~。


「れ、レミー、そなたは一体何をやってるんだ?」


「ん~? あーちゃんを見かけたから。」


 やっぱり、この子に論理的な思考を求める方が無理なのね。お会いしたことはないけど、レミーがお仕えしてる神様も苦労してるんだろうな。・・・元凶かもしれないけど。


「あーちゃんこそ、こんなところで何をしているの?」


 正直に言うべきかしら? リュウトの居場所を知っている可能性もあるけど、茶化される確率の方が高いわね。


「いや、明日ここを離れると思ったらよく見ておきたくなってな。」


 とりあえず誤魔化しておきましょう。即席で考えた言い訳としてはもっともらしいはず。


「そっか、やっぱりあーちゃんも明日一緒に行くんだね。」


 フフ、あーちゃん『も』ね。そういうあなたこそってところよ。


「そういうそなたも一緒に行くのじゃな。では、昔のように頼むぞ・・・レミー。」


 この子は余計なトラブルも引き寄せるけど、弓術も魔法も頼れる。特に彼女の回復魔法がなければリュウトも私もきっと今ここにはいない。


「まっかせてよ! でもね、さっきバルコニーで話したけどリューくんったら一人で行く気だったんだよ。酷いと思わない?」


 そう、リュウトのことだからそんなことを考えてもおかしくないけど、私はもう一人待たされるのは嫌だよ? でも、またバルコニーか・・・私は会えないのになんで他の子は普通に会えるのかしら?


「それでも、そなたはついて行くのだろう? ならば、私も同じだ。」


「勿論だよ! わたしはついていくとことを認めてもらったもん!」


 へっ? リュウトがいったん決めたことを翻すなんて珍しい。一体どんな手段を使ったのかしら?


「レミー? 一体どのような手段でリュウトを説得したのだ?」


「えっ? えっとね、こんな風にお兄ちゃんにお願いを・・・。」


 そ、そんなポーズをリュウトにしたの! それにお兄ちゃんって以前は否定されていたのに! リュウトはちょっとシスコンが入っている気がするから要注意だわ!


「そ、そなたは以前兄と呼ぶのは否定されていただろう? だからリュウトのことを・・・。」


 兄と呼ぶのはどうかと思う・・・と続けるはずだったんだけど・・・。


「えへへ~! さっき、もう一回お願いしたらね、『あの時の発言は全面的に撤回するよ。こんな俺でよかったら俺の妹でいて欲しい。』って言われたの~!」


 ま、まずいわ! 確かに百年前のような状況でなければリュウトのことだから断りそうも無い。で! 本人はわかっていないようだけどレミーのような(くやしいけど)美人にあんなお願いされてたらいつかコロッってまいっちゃうかも!!




 う~、なんかあーちゃんの表情がコロコロ変るよぉ~。これがリューくんが以前言っていたあーちゃんの百面相? たしかに面白いけど、時々わたしを睨むのはやめて欲しいよぉ~。


「あ、あの~あーちゃん? わたしは妹だからね? その、別に恋人になったわけじゃ・・・ひっ!」


 あ、あーちゃんが急にわたしの肩を掴んで・・・痛いよぉ~!


「当然でしょ! りゅ、リュウトの恋人になるのは私なんだから・・・。」


 あ、あーちゃん~、素直になったのはいいけど睨むか赤面するかどっちかに・・・ううん、赤面だけにしてよ~! その顔本当に怖いんだよ~!!


「う、うん。そうだよね! リューくんの恋人はあーちゃんだよ!!」


 わたしはまるで首振り人形みたいにかくかくと首を縦に振ることしか出来ない。・・・情けないって言う人は一回あーちゃんの前に立ってみればわかるよ! これがどんなに怖いか! あーちゃんって普段はすっごく優しいのに・・・。


「恋人・・・に私なれるかな? リュウト、私の思いにまったく気づいてくれないし・・・。」


 あわわ、今度は泣きそうになっちゃった! それはそれで困るよ~! こんなところリューくんに見られでもしたらわたしがあーちゃんを泣かせたみたいに・・・うう、リューくんも鈍いけどあーちゃんも十分鈍いよ~!


「ね、ねぇ・・・だったらさ、リューくんに会ってきたらどうかな?」


「う、うむ、そうだな。だが、リュウトはどこにいるのやら・・・」


 ひょっとしてあーちゃんはリューくんを探してたのかな? 今ならたぶんまだ飲んでるんじゃないかな?


「ん~、さっきアーくんと一緒にお酒飲みに行ってたよ? えっと、ビアボール?」


 あれ? 私なんか間違えた? あーちゃんが変な顔してるよ??


「ボールじゃない。ホールだ。・・・だが、ありがとう。早速行ってみる。」


 というなり、駆け足で去っていくあーちゃん。・・・助かった~! でも、あーちゃんがもう少し押しが強ければとっくに二人は恋人だと思うんだけどな~?

恋愛ごとに関してはレミーの方がアキよりずっとしっかりしてるって話でした!


レミー「ム~、他の事だってわたしのほうがしっかりしてるよ~! だってわたしがお姉ちゃん!」


・・・それはたぶん誰も認めないと思うぞ? だけどアキ・・・っていうかシルフォード姉妹は怒らせると怖いな。特に姉の方は普段も怖いだけに、どうなるやら・・・。


メイ「あらあら・・・なにやら面白そうな話を・・・シルフォード姉妹の姉が何でしょうか?」


・・・それでは皆さん・・・ごきげんよう・・・。うぎゃぁぁぁああ><


レミー「うわ~、笑顔なのにあーちゃんよりも怖いよ~。めーちゃんって一体・・・。」

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