表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
1部9章『戦いの前に』
65/1378

5話 「作戦会議」

 

 夜も更け、焚き火を囲むように座る俺たち五人。いよいよ、明日はあの城を目指す!


「さて、これから話されることはわかっているな?」


 一応念のために確認を取る。一斉に帰ってくる三人のうなずき。・・・そう、三人だ。


「えっ~と、リューくん? わたし・・・」


「ああ、レミーはそこに座っていればそれでいいから。」


 元々レミーに頭は期待してない。下手に会話に入られるよりは、むしろ黙って座っていてくれたほうがありがたい。作戦を覚える気があるのかどうかからして怪しいからな~・・・ハァ。


「あ、そうなんだ?うん、わかった!」


 だというのに満面の笑みで答えるレミー。楽は楽なんだが、どうして疑問を覚えないのだろうか?・・・まぁいいや。


「とりあえず最初の確認は行くメンバーだな。勿論俺は行く。」


「当然、私も行くぞ。」


「無論、オレもだ。そのためにここにいるのだからな。」


「えっ? えっ?・・・えっとあーちゃんやアーくんが行くならわたしも!」


 まぁ、この4人が行くことは確定してたからな。本当ならアキには来て欲しくない気もするのだが・・・。


「ごめん、リュウト。私は行かない。・・・足手まといにしかなれないから。」


 そう、この問いはママナが行かないということの確認だけのもの。彼女は来なくていい・・・来てはいけない。


「いや、それでいいんだ。ママナは俺が巻き込んじまっただけだからな。・・・すまなかった。」


 本来ママナはここにいてはいけなかったんだ。姉さんたちと同じように本来はあの森で幸せに暮らすべきだったんだ。


「こら~! もう、リュウトの悪い癖だよ。なんでも自分のせいだって思い込む。そりゃ、一因ではあったと思うけど・・・リュウトはリュウトの思いで行動した。私は私の思いで行動した。その他もろもろ、いろんな要素が絡んでこうなったのよ。ありきたりな言葉だけどね、これは関わった人皆が悪いとも言えるし、誰も悪くないとも言えることなの。・・・それに私、少なくても今はこうなったこと不幸だなんて思ってないよ? 私の幸せを決めるのは私。リュウトじゃないんだから!」


 そうだ・・・そうだったな。遠い昔の幼き日もやはり同じようにママナに言われたことがあったはずだ。なんだ結局、俺はあの時からまったく変れてないってことか。


「ママナ・・・その、いろいろありがとな。」


「なによぉ、改まっちゃって・・・。大体、私が役に立てないから一緒に行けない、ごめんなさいって謝ったんだから! お礼なんていわないでよぉ~。ちょっと~何笑ってるのよ~。」


 顔を赤くして頬をぷく~っと膨らませているママナがなんとも微笑ましくて・・・俺が守るべきものがはっきり見えた気がして、ついつい俺は笑い出してしまった。


「あはは、ごめんごめん!・・・ん? どうしたんだ、アキ?」


 ふと見たアキの顔がなんとも複雑そうな顔をしていて、気になった俺は本人に聞いてみる。だが


「い、いや・・・なんでもない。なんでもないぞ。それより話を続けよう。」


 まぁ、本人がそう言うならしょうがないか。次はある意味一番の問題だな。


「じゃあ、続けるか。次はどうやって空中城に入るかだな。」


 空中城は名前のとおり空に浮かんでいる。飛べるレミーやアシュラは問題ないだろうが、俺やアキは侵入手段がない。


「そうだな。・・・レミー、そなたは私やリュウトと一緒に飛べるか?」


「ふにゃ!?」


 アキに声をかけられたレミーが妙な声をあげる。・・・お前、寝てたな?


「え、えっと、あーちゃんやリューくんだよね?・・・う~ん、あーちゃんぐらいなら何とかなるけど、リューくんはちょっと重いかも。」


 なるほど。なら後は俺がどうするかか。


「リュウト、貴様は風の属性だったな?」


 今まで黙って聞いていたアシュラが俺に質問をする。


「ああ、そうだけど?」


「ならば、オレが運んでやろう。元々オレの飛膜は滑空用で飛行が出来るものでは本来ない。オレ一人なら筋力で無理やりできるが、人は運べん。が、風の属性を持つものならば話は別だ。」


 ・・・なるほど、風の力か。


「つまり、俺の起こす上昇気流に乗っていこうというわけか。」


「そういうことだ。」


 いつもどおり憮然と言い捨てるアシュラだったが、やはりこいつは悪魔らしからぬ悪魔なんだな。・・・好戦的っていうのは同じだが。


「そこまで決まれば、後はそう問題ないな。・・・内部の案内は頼んでもいいんだよな? アシュラ。」


「ああ、かまわん。・・・だがオレも邪竜神の能力は知らんぞ。あの臆病者は寝首をかかれることを恐れてオレの前では能力を使わなかったからな。」


 そうか・・・まぁ、わかったらラッキー程度のことだからそこは仕方あるまい。どの道戦闘面で作戦を立てられるほど俺たちが知っている情報はない。


「敵といえば、奴らも問題だな。・・・ヘルとルーンとかと言ったか? 奴らは幹部だろう。次の戦いでも出てくると思うが?」


 アキの懸念ももっともだが、俺は奴らが出てくるとは思えないな。


「いや、おそらく出てこないだろう。あいつらは邪竜神とは別の思惑で動いている気がする。今までの行動から見て、是が非でも邪竜神を守ろうとしているとは思えない。」


 もっとも奴らの思惑次第では出てくるかも知れんが、特にヘルは確率は低そうだな。


「だが、出ると思っておいたほうが無難だろう? 出なかったら問題はないのだ。・・・そうだな、ルーンの相手は私に任せてもらおう!」


 前半はそのとおりだと思うのだが・・・アキ? ルーンになんか怨みでもあるのか? もの凄い殺気を感じたんだが?


「う~ん、じゃあヘルの相手はわたしがやるよ。リューくんとアーくんは邪竜神に集中して?」


 とはレミーの言。たしかにレミーは他のものには任せられないのだろうな。


「よし! これで方針は決まったな! それじゃあ、明日に備えて寝るとしようか!」


 結果はどうあれ、明日の今頃までには全てが終わっている。そう思うと感慨深いものがあるな。

作戦会議・・・といいながらほとんど具体案はありません。あえていうなら侵入方法だけ。


アシュラ「ふん、何が起きるかわからんのが戦場。一軍を指揮する戦略ならともかく、少人数の戦いにがちがちに固めた戦術など邪魔になるだけだ。」


まぁ、確かに。特にレミーあたりは柔軟に対応なんてできそうにないからな。・・・作戦を覚えていたならだけど。


アシュラ「・・・奴には本能のまま戦わせたほうがいい。」


レミーはバーサーカーか?・・・いや、余計なことをしでかさない分バーサーカーの方がまだマシなのか。


アシュラ「奴は不確定要素そのものだろう。・・・くっくっく、あんな奴がいたほうが戦いが面白くなる。」


それはきっとアシュラだけだと思うがな。・・・まぁ、たまに敵か味方かわからなくなる奴だからな。もっとも、唯一の回復の使い手として一番地味に活躍していたりするんだけど・・・ね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ