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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
6部5章『始まりと終わりの地』
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4話 「過去と今を見つめて」

 

 な・・・んで? あの獣は300年も前にリュウトが倒したはず。ううん、それが魔獣であろうとも獣である以上はもう1匹いてもおかしくないのかもしれないけど、なんで今このタイミングで出てくるの!?


「アイ、今は考えている時じゃないだろう?」


 そんなパニック、ううん思考停止に陥っていたボクに優しく語りかけてくれたのはリュウト。ボクは本当は敵のはずなのに、本当は裏切ったのはリュウトじゃなくてボクなのに・・・リュウトは300年前と全く変わっていなくて


「ふむ、あの程度の獣に我が君の手を煩わせることもあるまい」


「ちょっと大きいわね~。でも、お姉ちゃんに任せておきなさい!」


「え、えっとじゃあ私は・・・ここは私の出番だな。仕方あるまい、力を貸してやろう」


 バンパイアの人とリュウトのお姉さん? も協力してくれるみたいだし、でもあの雪女さんかな? は、なんか性格変わってない!?


「はは、まぁ、あっけにとられるのも無理はないな。どうにも変わった連中ばかり俺の周りには集まってくる」


 それはきっとリュウトが変わっているからじゃないかな? と思ったけどハッと気づく。その変わっているの中にボクも入っているのではないかと


「あ、アイ? なんか殺気が以前再会したときのレベルに戻ってないか?」


「知らないよ!」


 と返しつつ思う。リュウトは気配にすごく敏感・・・まぁ、特定の感情には鈍いけどそこは置いておいて・・・だというのならば、ボクの感情もボク以上に把握しているのかもしれない。ボクは・・・前ほどにはリュウトを憎んでいない


「ともかくだ、これ以上はここを荒らさせるわけにはいかないな」


 まるで、イタズラをしている子犬でも追い払うかのような気楽さでリュウトが言う。300年前とちっとも変わらない安心感、その姿にボクの心はすごくドキドキして・・・うん、これも300年前と同じ。ボクはあの姿に憧れていたんだ


「ふむ、では我に任せておくが良い」


「あ、こら! カーミラちゃん! 抜けがけは禁止よ!」


「誰がカーミラちゃんだ! そなたにちゃん付けされる覚えはないわ!」


「騒がしいことだ。このようなくだらぬことはさっさと片付けるに限る」


「あ~、ユキちゃんまで!」


 カーミラっていう人が突撃して行って、リュウトのお姉さんが吼える。そして、ユキさんっていう人が魔獣の足を氷漬けにしたところでまたリュウトのお姉さんが吼える。・・・なんかすごく楽しそう。今、リュウトたちはすごく大変な状況のはずなのに


「やれやれ、本当に緊張感がないことだ・・・主に姉さんの所為で」


「こら~! どういうことよ! リュウト君!」


 プッ! 自分はあまり攻撃に参加しないで、魔獣の攻撃を受け流しているリュウトの言葉に目ざとく噛み付くお姉さん。本当に楽しそうで・・・ボクもリュウトたちと一緒なら、またこんなふうに笑えるのかな?


「もう! 後でちゃんとお仕置きするんだからね! こんなふうに」


 なんて言いながらギリギリと魔獣の首を・・・あのサイズ差でどうやって締め付けているんだろう、あの人? リュウトも顔色青くして後ろずさっているし


「ふむ、まぁよくやったというところじゃろう。止めは我に任せておくが良い」


「カーミラ!」


「っ・・・う、うむ」


 えっ? 確かにカーミラさんが言うとおりにチャンスだったはずなのに。なんでリュウトは止めたんだろう? それにカーミラさんもおとなしく下がったし・・・ごめんね、でもボクは我慢できないよ


「みんなの・・・みんなのかたき! 返してよ、ボクの・・・ボクの大切だったこの国を・・・!」


 見た目同じように見えるけど、多分別個体のコイツにこんなことを言うのは間違っているのかもしれないけど・・・それでもボクは


「ラインボルト・・・ラン! えっ?」


 今ボクが一番自信を持っている技だったのに止めには・・・迫ってくる大きな口。国を守れなくて、関係ないリュウト恨んで、恐怖に屈して・・・こんなボクにはお似合いの最後なのかもね


「ん~、それは無しね」


 場違いなほどに明るい声で、首をさらに締め付けて動きを封じてみせたのはリュウトのお姉さん。ううん、カーミラさんもユキさんもリュウトもみんな動きを封じることに徹している? これってひょっとして


「行け! アイ!!」


「う、うん! これで止めだ~ラインボルト! ラン!!」


 間違いない。リュウトもみんなもボクに止めを譲ってくれようとして・・・こんなボクでもリュウトの仲間を名乗ってもいいのかな・・・?




「リュウトよ・・・」


「ああ、わかっている。こんな小細工をしてくる奴なんて数える程しかいないからな」

さて、今回の話はアイ視点の魔獣退治・・・まぁ、戦い自体は楽勝だったわけですが


レーチェル「問題はこの先よね?」


・・・そこであなたがゲストに出てくるんですか・・・


レーチェル「あら、どういうことかな~」


全てを知った上ですっとぼけているからタチが悪い><


レーチェル「さぁ? なんのことかしらね~?」


ま、この話は次回のお楽しみって感じですね♪ リュウトの試練はまだまだ続くw


レーチェル「いえ、これからが試練でしょう?」


あはは、ますます大変だw というわけで次回もよろしくお願いします

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