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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
6部3章『希望と絶望の狭間で』
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3話 「確認事項と次なる1手」

「ここがそなたの神殿か・・・うむ、なかなか良きところではないか」


 迷いの森を離れて、取り合えずは安全だろうと思われる俺の神殿までやってきたのだが、カーミラは意外と気に入ったようだな


「俺の神殿といっても俺は建設から管理まで何1つ関わっていないがな。だが、ここは奴らにとっても価値のない場所。攻め込まれるようなこともないだろう」


「神殿に祀られるものが建設に関わることのほうが希じゃろう? だがな、我が君よ? ここには幽霊とは言えそなたの姉たちがいるのじゃろう? いつまでも安全であるという保証はないのではないか」


 カーミラの言葉に俺は息を呑む。冥王の洗脳が意識あるものに作用するのならば、幽霊が対象外になっている保証もない。ならば、それは十分に懸念されるべき事項である


「ああ、だが姉さんたちはここから動けないからなぁ。正直なところ、気づかれずに狙われないことを祈るしかない」


 とはいえ、俺でさえちょっと前まで知らなかった事実をカーミラが知っていた以上は冥王に気がつかれていないというのはあまりにも楽観すぎる願いかもしれないが


「ふむ、それには実は1つ解法があるのじゃが・・・まぁ、その前にまずは今の状況を確認するとしよう。我が君も我に聞きたいことは多くあろう?」


 確かに姉さん達のことは気になるが、それを最優先にすべきかはお互いの状況を聞いてみないと何とも言えないか。そして、1番先に確認をしておかなければいけないことは


「カーミラ、お前は信頼しても大丈夫なんだよな?」


「ふむ、それは我が洗脳されていないかということか? 確かに我が洗脳され、ここまでのこと全てが芝居ならば最悪と言えるがゆえに、そなたの立場からすればその疑問は分からぬでもないが・・・少々それは寂しいの」


 カーミラが俺を騙そうとしているのではないか・・・人格の信頼とは別に考えなくてはいけない状況ではあっても、その発言はそれなりに意味は大きく、カーミラは言葉以上にショックを受けたとその悲しげな顔が語っているようだった


「わ、悪い! カーミラを信頼していないわけではないんだ」


「うむ、我もわかっておるがゆえにそこまで慌てるでない。そうじゃな、我がいくら大丈夫といったところで意味はないやもしれぬが、冥王もエルフ族じゃ。エルフは基本的に光に属しておるからのう・・・我ら闇に属しているものは中堅以上のものならばその多くがまだ無事であろう。直接的に狙われたものや真正面から挑むような真似をしておらねばな」


 なるほどな、俺たちと一緒に正面から挑んだのがアシュラで中堅とは言えそうもないが直接的に狙われたのがママナか・・・その論理で行くとコーリンも危険そうだが、一応は 実力ある闇側のやつらは無事である確率が高いと。もっとも、だからといって俺の味方とは限らないが


「やはり正面から勝負するのは無謀と言えそうだな」


「当然じゃな。やつと戦うのならば、その能力を封じることをまずはやらねば勝負になるまい」


 もしくは跳ね除けられる俺が単独で戦うか・・・か。無論、竜神剣を取り戻したあとでの話だが


「なるほど・・・そこまで知っているとなると俺が知っていることはそっちは全て把握してそうだな。となると」


「あとは我がそなたの知らぬどんな情報をもっているかじゃな。そうじゃの、まずはエルフどもの街・・・エルファリアとか言ったかの? そこの情報じゃ」


「エルファリアの!? 中に入ったのか!?」


「いや、入ろうとしたのじゃがの・・・魔術結界が張ってあって入れなかったのじゃ。どうやら、あの街に立てこもりつつ侵略をするつもりのようじゃの」


 そうか、冥王はかつてのエルフの王。ならば、当然あそこが居城であるべきだな。最終的に攻めるべき場所はわかったというところだろうか


「だが、魔術結界? 魔法ではないのか?」


「魔術とて馬鹿にできるものではないぞ? 魔法のように即効性はなく物理法則を覆せるものではないが、コストにおいては優れておる・・・中に誰も入れぬ結界術ならば時間さえかけて張れば魔法結界よりも優れておるじゃろうの。そもそも、そなたの部屋に張られている結界も魔術結界じゃろうが」


 そうだったのか、知らなかった・・・ん?


「なぁ、なんでカーミラが俺の部屋に張られている結界を知っているんだ?」


「そ、そんなことはどうでも良いではないか! も、問題は結界をどうにかせねば中に入れぬということじゃ」


 どうでもいいの・・・か? まぁ、確かに結界は厄介だな。俺は結界術はそんなに詳しくないし、破るためには竜神剣が必要と見るべきだろう。だが、おそらく竜神剣はエルファリア内部にあるのだろうな・・・文字どうりにジレンマというやつか


「カーミラ、お前もその結界をどうにかする術は思いつかないんだな?」


「うむ、我だけならば霧化すればごまかせるやもしれぬが、どこまで通用するかは定かではない。そして、侵入したところで我だけですべてを解決するのも困難だろう・・・すまぬの」


 本当に済まなそうにいうカーミラ。もともとできないことで文句を言う気などさらさらないが、そんな顔をしている奴になおさら言えるわけがない


「俺自身ができないのにお前に文句を言うやつがあるか。結界に関しては外せる方法か仲間が見つかるまでは諦めたほうがいいかもしれんな。でだ、カーミラ・・・お前が300年前に言っていたこと、300年を費やしたという長老への説得というのは今回のことに関係があるのか?」


 その言葉に今まで以上に表情を真剣にしてカーミラは頷く


「うむ、関わりは間違いなくあるのう。じゃが、今はあまり気にするべきではないというのも事実じゃの」


「どういうことだ?」


「此度のことはそなたが思う以上に根が深いのじゃ。目先のことしか目がゆかぬというのも問題じゃが、早急に対処すべきことが目前にある以上は根のことをいま気にしても致し方なかろう」


 つまり、もっと先に活きることをカーミラはやってきたということか。それを確認することに損があるとも思えないが、他にやるべきことをやってから聞いたほうが落ち着けるというのも配慮だというのならば信じるのもまた1つの手か


「わかった。ならば、俺が・・・いや、俺たちが次に打つべき手もわかっているということだな?」


「無論じゃ、最初の話に戻るが、やはりまずはそなたが安心して戦える状況を作るべきじゃな。ゆえに地縛霊の地縛を解く・・・いや、解く手段を手に入れるというのが最も先にやるべきことじゃろう」

さぁ、そんなこんな説明回! どうだったでしょうか?


マリア「説明回という割には判明したことってほとんどないわね~」


うぐっ!? というかマリア姉さんも聞いていたんですね><


マリア「そりゃ、思いっきり私たちにも関係ある話だし。ハナやケンタならばともかく私が聞いていないってありえないでしょう?」


・・・たしかにw まぁ、今回はすぐにエルファリアに行けない理由と次なる目的の開示、そして先の伏線を思いっきり貼りまくるのが目的ですしね


マリア「はぁ、まぁともかくこれがうまくいけば私もリュウト君を手伝えるようになるってわけね」


既に戦う気満々ですね、マリア姉さん・・・?


マリア「うふふ、あなただって私の強さは知っているでしょう? 伊達に400年も幽霊やってないってところを見せてあげるわ!」


ということで次回はマリアたちを自由に動かすための方法を手に入れに行きます。勿論、簡単に手に入るわけがないのですが・・・

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