6話 「ただ1つの未来の為に」
さて、これですごろくも5順目。次あたりでアシュラ君あたりがゴールするかしら? まぁ、みんな疲れてきているみたいだし、ちょうどいいかしらね・・・もっともタダでゴールさせてあげる気はないけど
「さ、コクト君。次振っちゃって」
「え、ええ、振るのは構わないのですが・・・なんか俺ばかり苦労していませんか?」
「初めからそう言ってたじゃないの?」
ふぅ、これしきの事で暗い影なんて背負っているんじゃないわ。でも最後ぐらいは私も少し楽しませてもらおうかしら?
「えっと5が出て・・・『最後ぐらいは本気のバトル』? ・・・レーチェル様、やっぱりこのすごろくいかさましているでしょう?」
失礼ね、ただ表示する指示を私が自由に操れるってだけのことよ! さ、どのぐらいのランクの相手で遊ぼうかしら?
「それじゃあ、がんばってね」
「やっぱり戦うのは俺なんですね?」
わかっていたとはいえ、本当に全ての指示を一人でやらされるとは・・・。もっとも、この人のことだから全て計画どうりなんだろうがな
「そうね、でも今回はサポートだけはやってあげる」
「ということは俺だけじゃ勝てないような相手を出しましたね?」
「さぁ? なんのことかしら?」
俺だけで倒せるような相手にあなたがサポートするなんて言うはずがないでしょうに。さて、見たところ俺と同じような重装備の騎士という感じだが
「先ずは様子を見させてもらうぞ! 空波斬!」
地属性は守りの属性・・・ならば攻撃は剣技で稼げばいいだけのこと。リュウトのように風の属性を使えんでもカマイタチを起こす程度のことは剣で出来る! むっ?
「効かない? 俺と同じような地属性か? それとも・・・」
そもそも俺の攻撃が効かないくらいに防御力が高いということか? だが、それ以上に気になるのは・・・
「動いてこないか・・・カウンターでも狙っているのか? ならば、狙いどうりに行ってやろう!」
守るだけでは勝つことはできん。それが地が最弱の属性と呼ばれる理由・・・だが、地が守りだけと思われても困るな!
「これをカウンター出来るか! 奥義、グラン・・・!?」
地に突き立てるような軌道を描くグランスラッシュ、そのタイミングを知っているかのごとく撃ちだされた高速の斬撃たち・・・おかしい、腕の振りが見えなかったわりにはダメージが少ないように感じるな
「そういうことですか、レーチェル様。確かにサポートとしか言っていませんでしたね」
「あら? なんのことかしら?」
よく言いますよ、まったく。明らかに今の攻撃はこいつがしたものではない。いや、おそらくこいつ自体が幻影・・・とするならば本体がどこかにいるはずであり、そのサポートをしているのは・・・いや、そもそもを言えば全てレーチェル様が操っているわけで敵のサポートをしているというのも正しくはないのだが
「まぁ。それでもこれだけ手加減してもらっているのならば、負けるわけにはいきませんね・・・幻影破りの基本は心眼にあり! そこだ!」
俺の剣にはリュウトの竜神剣のように幻影破りの力はないからな、こういう方法で破るしかない。・・・しかし、心眼で本体と認識されるレベルのレーチェル様の疑似的な幻影媒体か、本当にこの人が敵に回ったら恐ろしいな。
「う~ん、思ったよりもあっさりだったわね。もう少し歯ごたえがあるレベルにすればよかったかしら?」
「よくいいますね、予定どうりかそれ以下だったのではないですか?」
「ふふ、そこら辺はあなたの想像に任せるわ」
とりあえず、リュウト君よりかはだいぶ鋭いみたいね。もっとも、頭の回転というよりも私のやり方にだいぶ慣れてきたというところかしら? ま、とりあえずは60点でぎりぎり合格というところにはしておいてあげる。
「レーチェル様、やっぱりこれは・・・」
「ええ、私の目的はいつだって1つよ。私が導く未来が祝福に満ちたものか破滅かはわからない・・・未来なんて私にも知るすべはない。でもね、たった1つの未来を夢見て歩を進めるのもあなたたちと同じなのよ」
だから歩みは止めない。あなた達に辛い今を押し付けていることを知っても止まれない・・・こんな私を見たらライオスはなんていうかしら? 褒めてくれる気もするし、怒られる気もする。ふふ、あの人だったら慰めてくれるのかしらね?
5回目のサイコロを振った後の結果(指示/現在いるマス目)
リュウト&ママナ組 竜神剣使用禁止 20マス地点
アキ&メイ組 姉妹で対決? 15マス地点
アシュラ&コーリン組 5マス進め 35マス地点
レミー&リデア組 恋愛疑似体験!? 21マス地点
コクト&レーチェル組 最後ぐらいは本気のバトル 14マス地点
レーチェルはやっぱりレーチェルでした。・・・って感じの話ですね。さてさて、本当に敵か味方か
コクト「レーチェル様が本気で敵にまわっていたら俺たちはとっくに全滅している・・・少なくても完全に敵対しているわけではないだろうな」
まぁそうでしょうね。リュウトどころかアシュラでさえも1秒まで持たないでしょうからねぇ・・・1割以下の力でも
コクト「うむ、現状ではまさに俺たちの最強の地位にいるな」
実際にはリリィやルーンなど同クラス以上の奴らもいるんですけどねw どちらにせよ、レーチェルが敵対するなら相当に遊び倒して拷問につぐ拷問をしてくることになるのでしょう
コクト「・・・この話のあとがきでそれを言う貴様の勇気(という名の無謀)に感心するぞ」
えっ? 別に今回のゲストはコクトで・・・
レーチェル「だからって私が出てこないって確定しているわけじゃないんだけどね♪ さ、お望みどうり連れて行ってあげるわ・・・拷問室に」
望んでない~~~~!! コクト! たまには作者を助けても・・・
コクト「断る。さて、次回でこの章は最後のようだぞ。たっぷりと楽しんでくれ」
レーチェル「まったね~♪ さ、作者くんはこっち」
いやだ~~~~~~~!!




