4話 「これもまた一興」
3順目に入ってリュウトたちと気絶から覚めたアキたちが再び満身創痍になってでてきたが・・・つまらんな。なぜに奴らのところばかりに面白そうな指示が集まるのだ。オレのところと来たら通常のすごろくの指示ばかり・・・
「アシュラ様、次を振ってもよろしいでしょうか?」
コーリンがなにやら恐縮したように話しかけるが別に奴を責める気はない。賽の目など何が出るかわからん。まして、このすごろくでは操れたところで意味などない。
「好きにしろ」
オレとしてはそろそろ面白い指示が出てくることを期待するのみだ。・・・むっ? 『敵をけしらしながらゴールへ向かえ』だと? くくく、ようやく面白そうな指示が出たではないか!
「ふむ、迷路のような場所かと思ったら、平原か」
「はい、しかしゴールの場所はわかりますね。ですが・・・」
俺の後を継ぎコーリンが言った通りだな。これだけ濃厚な気配、そして布陣を考えればゴールの位置は容易に予想がつく。もっともこれが実戦ならば罠を疑うがな。いや、今回の問題はそんなところよりも
「この空間ではお前の隠密は効果がないようだな」
「はい、申し訳ありません、アシュラ様」
「気にすることはない・・・このぐらいのハンデがなければ詰まらん」
この程度のことでどうこうなど言うほど低能ではない。いや、むしろ今ならばオレの新しい力・・・使ってみても面白いかもしれんな。
「コーリン・・・オレから離れるなよ」
「はい、勿論です。アシュラ様」
噴出する闇の瘴気・・・ここまでならば今までどうりだ。これも容易に奴らがいる前で使うわけにはいかないがここからもう一段階! 竜神剣の第3封印解除、あれだけの力を見せるリュウトに対抗するために作った新しいオレのスタイルというべきか。
「ふむ、実戦でどれだけ使えるか試させてもらおうか!」
身に纏うは瘴気、ただ噴出していただけの瘴気を身に纏う鎧と化す。闇であるオレにとっては同時に力の源であるからな。もっとも
「やはり、その瘴気では皆様の前では使えませんね」
コーリンが言うことが確かに正しかろう。さらに密度を増し、濃くなった瘴気は有効範囲こそ狭くなったものの毒性はさらに強まってもいる。
「ふん、知らんな」
だが、今はそれでいい。同じ闇であるコーリンには瘴気は影響を与えん。あとは存分にこの力を試してみればいい・・・!
やはりアシュラ様はアシュラ様ですね。戦いが非常にお好きであられることも、リュウトさんをライバルと見ていることも変わりません。だからこそ、こうやってさらに強い力を求めてらっしゃる。・・・そして、そうでなくてもはこれから先のリュウトさんの戦いには足りないことも知っておられるのでしょう。
「ふむ・・・足りんな」
「そうでしょうか?」
だからアシュラ様はまだ力を求める・・・それは対極のようで実はリュウトさんとよく似た道。あのお二人は実は似てらっしゃるのですよね。
「今までの全力の100倍というところか・・・使い勝手の悪さから考えると今一つだな。くくく、もっとも奴の竜神剣開放もまた同じか」
この2人はどこに行こうとしているのでしょうね? いえ、どこに導こうとしているのです? レーチェルさん・・・。
「ふん、だが先ずはここから出るとしよう! 行くぞ! 雷爪波!」
アシュラ様の数少ない遠距離技、雷爪波・・・それはあのリュウトさんの竜爪閃と同種の技。ふふ、どこまでもこのお2人はライバルなのですね。
「はい、どこまででもご一緒させていただきます」
でも、私も迷いません。だって、お2人が・・・私たちが導く未来がどこを指し示すのか、私も見て見たいですから
3回目のサイコロを振った後の結果(指示/現在いるマス目)
リュウト&ママナ組 物理攻撃禁止! 魔法で戦え 14マス地点
アキ&メイ組 迷宮を時間内に駆け抜けろ 10マス地点
アシュラ&コーリン組 敵をけしらしながらゴールへ向かえ 20マス地点
レミー&リデア組 指示なし 11マス地点
コクト&レーチェル組 魔法具の整理(勿論やったのはコクト) 5マス地点
さて、ようやく戦いが出来たアシュラですが・・・
コーリン「さらにお強くなっていたようですね、さすがアシュラ様です」
まぁ、リュウトとアシュラの成長速度は群を抜いていますからね。もっともそうでなければ戦えない領域なのですが
コーリン「物語のカギを握るはレーチェルさん・・・そして」
竜神剣と竜神・・・全ては力と信頼と・・・そして裏切りに彩られたドラマがあるのです。と、今日はここまで! では
コーリン「次回もお楽しみになさってくださいね」




