3話 「30分間の死闘」
リュウトの2回目はまたバトル系・・・疲れたような顔をして異空間から出てきたけど、生きているからとりあえず安心して・・・いいのかな?
「女王様、次振りますよ?」
「う、うむ・・・だが、レーチェル殿はどうやってすごろくの効果を作っておるんじゃろうのう?」
「レーチェル殿ですから・・・ご自分の都合のいい世界の1つや2つ作っても不思議には思えません」
そうなんだよね、よくわからないけどそれだけで納得できる。・・・なんて言っている間にお姉ちゃんが私たちの番のサイコロを振って・・・3ね。まぁ、何が出ればいいのかなんてわからないし、何が出ても生き残れるように頑張るしかないんだけど
「なになに・・・『30分間の鬼ごっこ、生き残れたら勝利♪』・・・だと?」
「これはなかなか厳しそうですね」
厳しそうどころじゃないよ!? リュウトやアシュラみたいに高速移動が出来るなら何とかなるかもしれないけど、私やお姉ちゃんは決して足は速くないんだよ!?
「じゃあ、行ってらっしゃい♪」
だというのに嬉しそうに笑うレーチェルさんの笑顔がかすみゆく視界にすごく眩しく映ったの。
うっ、ここは・・・どこ?
「ぐぎゃぁぁああああ!!」
「えっ!? きゃああ! ふぁ、ファイヤーボール!」
突然襲ってきた謎の怪鳥・・・たぶん、レーチェルさんの幻なんだろうけど、それに慌ててファイヤーボールを撃つ。とりあえず、耐久力はあんまりなかったみたいで何とか撃退できたけど・・・えっ?
「な、なに? あの大群は!?」
慣れてきた視界いっぱいに映る怪鳥たちの群れ・・・え、えっと幻ってことはどんどん倒しちゃっても問題ないよね?
「星の子の祈りを受けて、大いなる光よ、万の敵を打ち倒す戦輪となれ! スターループ!」
大量の敵を倒すならばもってこいのこの技。天界の戦いでも役に立ったけど、本当にこの技を作っておいてよかったと心から思えるわね。・・・へっ?
「な、なんでまた増えているの!?」
間違いなく倒したはずなのに、さっきと同じぐらいまで増えている怪鳥たち! これじゃあきりがないじゃない!!
「アキ! 何をやっているの! 早くこっちに来なさい!!」
えっ? お姉ちゃん? わわわ、ひ、引っ張らないでよ~
「まったく、あなたと来たらすごろくの指示を覚えていないのかしら?」
すごろくの指示? えっと
「たしか・・・30分間の鬼ごっこ?」
「だけじゃないわ、生き残れたら勝利。つまりは鬼ごっこは名前だけで30分間生き残れと言われているの。倒しても補充されるのでしょうから、出来る限り逃げて対処するべきね・・・魔力も無限じゃないわ」
うっ、つまり30分間隠れて逃げて、危なくなったら撃退して生き延びろってこと? そ、それって結構きついよ~
「うう、お姉ちゃん・・・」
「泣き言を言っても状況は変わらないわ。・・・あの人だったら本気でこの程度の試練を乗り越えられないならば、今大人しく死んだ方が楽で慈悲あることよ・・・なんて言いかねないわよ」
・・・本当にそれぐらいのことは言いかねないから困る。というよりもゲームだから大丈夫なんて言った瞬間にレーチェルさん自ら攻めてくるかもしれない。
「じゃ、じゃあ、とにかく逃げないと!!!」
「ば、そんな大声出したら気づかれるでしょ!?」
「きゃあああああ!!」
それから先のことは思い出したくもない。とにかく逃げて、戦って、隠れて・・・うう、絶対にすごろくってそんなゲームじゃないと思う。
「水よ、今一時優しさを忘れ、隠れたる刃で我が敵を撃て! 『スプラッシュ・カッター』!」
お姉ちゃん!?
「ふう、これ以上は隠れることも逃げることもできそうにないわね。ここは私に任せていきなさい・・・1人の方が戦いやすいこともあるわ。それにあと残りの時間は少ないでしょう?」
お姉ちゃん・・・普段はあんなに厳しいのに、どうしてこんな時ばっかりそんなに優しいの? それに1人の方が楽なんて嘘だよね? そういう状況もあるけど今は違うよね・・・でも私だって!
「お姉ちゃん、私だってリュウトの仲間だよ? 私だって、新しい技位開発しているの! 我が名、我が心、我が命、全て汝が為に捧げん! 『エルファリア』!」
詠唱とは言霊、言霊とは意味。その言葉に真実の重みがあればあるほど強い力を発揮する。だから、この技の名前はエルファリア・・・これ以上ふさわしい名前はきっとない。・・・本当はリュウトにしたかったんだけど恥ずかしかったからやめたのは秘密なの
でも、この技は無数の葉っぱのような炎を生じさせる技・・・狙いをつけるには向かないけど、1つ1つの炎がドラゴンソウル級の強力な技よ! これならばこの程度の怪鳥ぐらい・・・その分、消耗も大きいんだけどね
「もう、こういう時に守らせる役くらいお姉ちゃんに譲りなさいよ・・・」
そう言って、不満そうに、でも嬉しそうに笑うお姉ちゃんの顔が見えた気がした
2回目のサイコロを振った後の結果(指示/現在いるマス目)
リュウト&ママナ組 結界を張り続けろ 11マス地点
アキ&メイ組 30分間の鬼ごっこ 7マス地点
アシュラ&コーリン組 4マス進め が出て14マス地点 (トップ)
レミー&リデア組 本音しか言えない質問タイム 6マス地点 (リデアがやつれていたとか)
コクト&レーチェル組 神殿の掃除(勿論やったのはコクト) 3マス地点
さて、的確にそれぞれの弱点をついてきているようなレーチェル作のすごろく・・・アシュラなんて2回続けてすすめ系の指示だしw
メイ「アシュラ殿でしたら嫌がるでしょうね・・・他の方だったらほっと一息でしょうが」
そうでしょうねぇ、レミー&リデア組は今回はピンポイントでリデアが爆撃されていますし・・・レミーは何ら問題なかっただろうけどw
メイ「ですが、今回は私たちが一番厄介なものを引いたという感じですね。女王様とてまだリュウト殿(竜神剣)の助けなしであれほどの魔法を使う力は本来はないのですよ」
それを無理にでも発動させてしまうあたりが姉への愛・・・いや~、美しいですね! さぁ、次の話へ行きましょう!
メイ「それでそうですねで終わらせるとお思いですか? やはり無理をしてアキが倒れたのはあなたの責任・・・さぁ、いつもの部屋へご案内いたします」
い、いや、いつものって言うほど入り浸っているわけじゃ・・・だから、拷問部屋は勘弁してください~~~!!><




