2話 「リデアの変身?」
部屋割をした翌日、私はちょっと寝不足・・・だ、だって! リデアがリュウトの隣(の部屋)にいるんだよ? よ、夜中に抜け出して・・・その、既成事実とかつくられたら困るじゃない!!
「ふぁ、女王様・・・おはようございます」
「うむ、おはよう・・・どうしたメイ、あくびなど珍しい。眼も少々赤いようじゃが」
「あ、失礼をしました。昨日少々寝つきが悪かったもので。仕事に差し支えがあるほどではありませんのでご安心を」
お姉ちゃんまで寝不足!? 普段は結構寝つきがいい方だと思うんだけど、そのお姉ちゃんが昨日に限って寝つきが?・・・ううん、考え過ぎかな
「そういう女王様も少々目がお赤いようですが」
「う、うむ、私も少々寝つきがな・・・不思議な偶然もあるものじゃ」
「そうですね・・・フフフ」
な、なんだろう? このものすごく嫌な威圧感というか・・・い、一応お仕事中だから無駄なお喋りがないのはいつもどうりだけど、すごく嫌な雰囲気だよ!? だ、誰か助けに来てくれないかな・・・ああ、リュウトがもうじき来る時間だから
「おはよう・・・ああ、もう一走りしてこようかな?」
ああ、リュウト! 逃げないで!! 気持ちはわかるけど逃げないでよ!?
「リュウト、何を逃げようとしておるのじゃ? 朝食の時間じゃろう?」
「リュウト殿、早くお席についてくださいね?」
うん、なんかリュウトがびくついている気がする。気持ちはよくわかるけど・・・実際にリュウトは臆病な方だし、こういう雰囲気は苦手だろうからなぁ。
「リュウト殿、ところで昨晩は何かおかわりはなかったでしょうか?」
「い、いや、特に何もなかったと思うが・・・何かあったのか!?」
「いえ、何もなかったというのでしたらそれで結構です」
うん、まぁリュウトが焦るのはわかるけど、なんでお姉ちゃんがその質問をして安堵の息を吐くのだろう? でもね、いつも完璧主義のお姉ちゃんにしては今回は甘いよ! やっぱりリュウトに関しては私の方が知っているもんね。
「ならばリュウトよ、そなたが起きた時に・・・その服が脱げていたとかそういうこともなかったのじゃな?」
「と、当然だろ?」
うん、だったら大丈夫かな? リュウトは変わりがないに自分は含めないだろうし、旅先でなければ殺気を感じなければ起きることもないからこう聞いとかないと危ないもの。
「おはよう・・・なによ、辛気臭いわね」
そして、そんな時にやって来たある意味元凶のリデア。やっぱりあなたもここで食べるのね・・・って!?
「りりりりり、リデア!? その恰好はどうしたのじゃ!?」
「なによ、アキったら・・・って、兄さんたちまで!? ど、どこかおかしなところあるの!?」
うん、リュウトやお姉ちゃんも固まっているところを見て慌てて赤い顔で身だしなみのチェックをしているところはリデアも女の子なんだなって思うけど・・・じゃない! その仕草以上にリデアの女の子らしいところは・・・
「あ、ああ、別におかしなところはないんだが・・・リデアのそういう格好はちょっと予想外だったんでな」
「あ、そういうこと? って! どういうこと、それ! ワタシだってこういう格好するわよ!!」
そう、おかしなところはないと言えばないんだけど、リデアがそんな恰好をするのはちょっと予想外すぎる。だ、だって・・・
「そなたはいつもタンクトップに短パンといういでたちだったではないか・・・、何故に今日に限ってそんな恰好を?」
「ちょ、ちょっと! それは旅をしているときの話でしょう? アキだって、旅先ではワンピースなんて着ているけど、今日はドレスを着ているじゃない! それと同じよ! ワタシだって旅先では動きやすい服装をするし、そうでないときはこんな格好もするわよ。まぁ、久しぶりに着たんでちょっとドキドキだったのは事実だけど」
そ、それもわからなくはないんだけど・・・その恰好で赤い顔はいろんな意味で危険な気がするの! そのギャップというかなんというか・・・だ、だって私から見ても可愛く見えるし。リュウトって結構シスコンのけがあるし・・・。
「と、とにかく! 別にワタシがこういう格好していたっていけないことはないでしょう!?」
「そ、それは確かにそうですが・・・」
さすがのお姉ちゃんもどうにもできないって感じ。事実、そんな恰好しちゃいけないっていう理由はどこにもないわけで
「そうだな、兄さんとしてはリデアにも女の子らしい部分があって嬉しい限りだ」
「と、当然でしょ!? わ、ワタシだって女なんだから・・・」
そう赤い顔をするリデアに思う。これは思った以上にリデアは強敵かもしれないと・・・だって、フリルの入ったピンクの服とスカートなんてものをリデアが着て来るなんて誰が想像するのよ~~~!!
というわけで衝撃(笑劇?)のリデアの服装でしたw
リデア「な、なんでワタシがちょっと女の子っぽい恰好しただけでこんな騒動になるのよ・・・」
まぁ、普段のイメージと大きくかけ離れているからでしょうね。半ば、ゴスロリに近いところを責めているわけですし・・・
リデア「だってワタシがまともに女のやっていた時代って8歳までなのよ? だからああいうのが普通かなってイメージもあったし」
確かにw まぁ、そのおかげでギャップで可愛さが引き立っているようですね
リデア「そ、それも戦略よ!!」
(まぁ、ギャップでいうなら女王と普段を使い分けるアキにもあるわけだけど)というわけで衝撃の朝でしたw 次回はどんなエルファリアの日常が待っているのか、お楽しみに~




