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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
4部10章『始まりが終わる時』
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2話 「真意はどこに」

 

 やって来たのはゼウスの神殿。内装は何となくルシファーとサタンの城を思わせるが、この美しさ・神聖さはこちらにこそふさわしいものに思えるのは俺の偏見なのだろうな。


 だが、本当の驚きはその最深部・・・どっかりとゼウスが腰を下ろすその場所にたどり着いた時だった。無論、ゼウスがいることなどは当然のこと。そいつがどんな見た目をしていようと・・・そう確かに山のような巨体には驚かされても、それはここまでの驚きには値しない。問題は


「なんであんたがここにいるのよ!!」


 リデアがそう噛みつくのも理解できる。そう、どこにいてもおかしくない人物だが、ここにいるのだけは理解が出来ない。いや、普通に考えればここにいる理由は1つであり、好意的に考えればもう一つの選択肢が生まれるというべきか。


「そうだな、俺もその答えは知りたい・・・レーチェル」


 もし、この答えが操られたにせよ、初めからにせよ・・・もしくはレーチェルが黒幕だったなんて形で俺たちと敵対するのならば、正直勝ち目があるとは思えない。いや、確実に負けるとみていい。俺の・・・最後の切り札もきっと彼女には届かない。


「あら? 私がここに居たらおかしいかしら? こんなんでも私の上司にあたるわけだしね・・・平和的な話し合いって奴よ」


 ふぅ、なんともウソかホントかわからないことを言う。ゼウスが立場的にレーチェルの上司なのは間違いないだろうが、あいつが上司だから敬うとかいう考え方を持っているはずもない。どっちかというと・・・


「ム~、レーチェル様は気に入らないことがあったら上司だろうがなんだろうが撲滅に行くタイプだよ~」


 そうレミーにもそう思われているようなタイプだよなぁ、レーチェルは。まぁ、平和的な話し合いを持たないとは言わないが、このタイミングでそれも操られている傀儡にそれを行う意図がわからない。そうだな、おそらくはレーチェルのことだから


「レミー? どういう意味かしら? あとで覚えていなさい・・・」


 うん、あの威圧感は操られているとはとても思えないな。あのレミーをたった一言と視線であそこまでおびえさせることができる人は正気のこの人しか考えられん。ならば、単純に俺たちの戦いの見学に来たということだろう・・・本当なら手伝って欲しいところだが、そういうタイプじゃないだろうなぁ。


「まぁここは信じるしかないか。で、肝心のそっちは引く気はないのか?」


「引く? 天界に攻め入りワシの神殿にまで乗り込んできたのはお主らであろう?」


 何をやるしても、またやらないにしても一番肝心なのはこの操られた最高神様だ。戦うとなればそれなりの激戦を覚悟しなければならないのだろうな。


「何物かに操られて不穏な行動をしていたのはそちらだ。もしも正気だというのならば・・・もしくは逆らうだけの力を持っているというのならば大人しくこの異常な状態を改善してもらいたいものだがな」


 そんなことが可能だなんて思ってはいない。そんなことができるのであればここまでの事態にはなっていない。だから、これは確認ですらない。ただの闘いの始めの合図待ちだ。


「すでに語る時ではない。あとは愚かな方法しかないというのならばそれで解決して見せよう!」


 振り下ろされた手。その場から飛び散るように避ける俺達・・・こうして戦いのゴングは鳴った。


「神々とて一枚ではない。時に力で押さえつけねばならぬ長の役目・・・神々の王の力、お主らに見せてやろう!」


「ふん、下らん。オレたちが貴様に抑えられていた神共と同レベルだと思われてはかなわんな」


 神々とて力のルールに時に縛られる。そして、時にそうして押さえていたゼウスの力は確かに侮れるものではないだろう。だが、アシュラの言う通りだ! 神々の長が相手だというのならば、それを超えてゆけばいいだけのこと! それに確実にこいつ以上の神がそこでニコニコと笑っているしなぁ・・・


「これしきの圧力でどうこうなるほど私たちは弱くないのじゃ! ファイヤーバード!!」


 アキの火の鳥が舞う。これが本来のゼウスならばどうであったかなどわかりはしない・・・だが、俺達は自らの本当の意思さえも持たない者の覇気なんかに負けは・・・いや、どうなんだろうな。アキが俺たちが、そんなものに負けない修羅場をくぐっているのは間違いない。だが、俺は? 俺は本当に胸を張れるほど自分を持てているのか?


「こら~、リュウト! リーダーがそんなんじゃダメだよ~。みんなリュウトと共に戦っているんだから!」


「その通りだ。お前がお前を信じていなくても、皆がお前を信じている。今はそれで良しとしろ」


 直接は戦えないママナの言葉、そしてある意味俺の同類であるコクト・・・そうだな、それを今考える意味はない。今考えるべきは!


「ああ、俺も皆を信じる! お前もな、リュム! 行くぞ、竜神剣! 第一封印解除!!」


 先ずはここから行こう。第一封印ならばある程度の時間は持つ・・・そして第2封印・・・最後にようやくつかんだ次の段階、第3封印解除でどこまで戦えるかだな!


 そう、解除は出来る。だが、まだ能力のほどは不明だ。そして・・・レーチェルがここで見ようとしたものはきっと第3封印の解除ではない。それはきっと先代が見せていたはず。まだレーチェルが確認しなければならない何かがこの戦いにはある。


「さぁ、行くぞ! 俺達らしくな!」


 それでも俺達に出来ることなんて、こんなことしかないからな。レーチェルの鼻を明かすぐらいの気持ちで戦ってやるさ!

さて、やっぱり大事なキーを握っているのはこの人か!? レーチェル=フラン!


レーチェル「呼んだかしら?」


いえ、呼んでません>< まぁ、いいや・・・物語最大のキーマンの1人として一言どうぞ


レーチェル「そうね~。ま、私がそんなに簡単に操られたり敵対したりするわけはないわよってところかしら?」


さらっとネタバレ発言ありがとうございました~。でも前作では敵に操られてリュウトと敵対したこともありますからね。油断はできませんよ


レーチェル「・・・人が忘れかけている過去の失態をもちだすなんてね。前作の私と今の私・・・どっちが強いかもわからないのかしら? うふふ」


あ、あの・・・どこに連れて行くつもりでしょうか?


レーチェル「前作でも散々教育したでしょ? もう一度私の強さを思い知らしてやるわ。ウフフフ、私だってね成長しているってところ教えてあげるわ」


い、いやいやいや! 良いですから! だから・・・拷問室は嫌~~~~~!!

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