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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
4部9章『激突! ラグナロク!?』 
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3話 「炎、風をはらんで」

 

「行くぞ、竜神剣・・・モードチェンジ『風』!」


 リュウトのその言葉と共に竜神剣の様子が・・・力が変わる。あの力はきっとリュウトに更なる力を与えるのだと思う。


 そして、それを素直に喜べない私がいる。確かにリュウトが力を望む反面、嫌ってもいる。でも、そんなことじゃない。うん、リュウトは凄いよね。どんどん強くなって新しい力を手に入れて・・・どんどん私を置いて行って。


「悪いが一気に行かせてもらう! 竜神流 竜爪閃!」


 リュウトが剣を振るう。どれほど強くなってもリュウトがあの技を使うのは意外と優秀なのよね、あれ。注ぎ込む力が増えれば威力だって上がるわけだし・・・そう、風の属性が強く現れた竜神剣を媒体にしたことによって発生している風の刃がとんでもないことになっている。地形に影響が出ないようにしているのはいつもどおりだけど、たぶん一本一本が普通に星の数個ぐらい壊せると思う。実際にかなり上級の方の天使たちをまとめて切り裂いて・・・あれで死んでいないのは竜神剣の方の力かな?


「さ、さすが兄さん・・・い、いえ! ワタシの兄さんだったらあれぐらいやってもらわないと駄目よね、うん」


 リデアも冷や汗を流しながらそういうのはきっと私と同じなんだろうな。ホント、ライバルだからってこんなところもまでになくてもいいんだけどね。でも


「もう一度行くぞ!『星の子の祈りを受けて、大いなる光よ、万の敵を打ち倒す戦輪となれ!』 スターループ!」


 私だって負けてはいられないもん! リュウトの役に立ちたくてこうやって新しい技だって覚えたんだもん! 忘れていない、研ぎ澄ますのは心。この戦場を生き残るために私たちは力を合わせるんだから!


「アキ! 頼む!」


「うむ、『真紅なる業火よ。我が命の火を糧に偽りの生命となれ!』ファイヤーバード!」


「竜神流 火炎風竜斬!」


 リュウトは私たちを必要としてくれるから。戦力としても心の支えとしても・・・それはきっとあなたも同じだよ、リデア。


「リデア、何を呆けておるのじゃ? この戦場を生き残るにはお主の力も必要じゃぞ? そなたは竜神のサポート神ではなかったのか」


「ふ、ふん! わかっているわよ! そうよね、ワタシの力なしじゃ勝てないわよね。協力してあげるからありがたく思いなさい! 『魂さえも凍るは失われた世界。今ここに再現す』エンド オブ フリーズ!」


 リデアを中心として広がる白銀の世界・・・勿論ちゃんと仲間の場所は円を書くように避けられているけど、私のファイヤーバードは余波だけでも1億度を楽に超える。火炎風竜斬ならばその10倍は堅い・・・どれだけリデアの熱を奪う力がすごいのかってことね。まぁ、アシュラみたいに無視してその中でもバリバリ戦っている人もいるけど


「な、なによあいつ! ワタシがちゃんと避けてあげたのに・・・その前になんでワタシの冷気をまともに受けて何ともないのよ!!」


 アシュラの防御力は今更言ってもよ、リデア。私なんか弱点の炎だってダメージにならなかったのよ? ましてアシュラは冷気には強いんだから・・・。


「あいつのことは今さらだろ? さ、一気に押していくぞ! ・・・このままで終わるはずがないんだからな!」


 あはっ、リュウトと同じ意見ってだけで嬉しくなっちゃう。やっぱり相性がいい? と思える瞬間。結構、私って単純? とも思っちゃうけどね。・・・でも、確かに油断できない。今までの攻撃で確かに数は大きく減っている。だけど、後方にいるどっしりと構えた連中は全くダメージを受けていない。つまりこれって・・・


「嫌な戦い方をするわね! この大群の大部分はワタシたちの体力を奪うだけのために連れてこられたってこと!? けして弱くはない・・・普通だったら天使の1部隊の長を任せられるぐらいの実力がある天使たちなのに」


 うん、私もそう思う。竜神のリュウト、レーチェルさんの力を受け継いだリデア、お馬鹿だけど実力は最上級のレミー、サタンの懐刀だったコクト、今や魔王さえもはるかにしのぐアシュラ・・・それに私だって(潜在能力は)エルフのNO1。相手が相手だから目立たないというだけで全員かなりの実力者ではある・・・でも奥にいるのは


「リデア、それにアキも。気持ちはわかるが怖がるな。これだけの数だ、気持ちで押されたら実力で勝っていようが飲み込まれるぞ。俺達の本当の敵はこの遥か背後・・・戦場にさえ出てこないで高笑いをしている奴なのだからな」


  本当は余裕のない戦場、本当は怖くてたまらない戦場。それなのにリュウトはちゃんと私たちのことを見ていて、ちゃんと心が揺らいだ時に引き締めてくれる。ほんの一瞬だったけど笑ってこっちを見てくれたその視線がどれだけ私の心を支えてくれているか。うん、やっぱりそうだと思う・・・私は炎、リュウトは風。炎はね、風が吹いてくれないと燃え続けられないんだよ。


「安心するがいい。私はそなたと共にある限り燃え尽きることなどない。風をはらんだ炎はどこまででも強く燃え盛るのみ!」


「ワ、ワタシだってそうよ! 冷気は風に乗って広がるんだから!」


 クスッ、じゃあ・・・風に乗って炎と冷気を届けるとしましょう? 自分は安全な場所にいると思い込んでいる黒幕さんまでね。

ヒロインのアキの思い・・・相変わらずリデアはライバルなのですね


リデア「まったくよ・・・兄さんはワタシのものに決まっているのに! あんなのでも、い、一応兄さんなんだから!」


そして、こっちも相変わらずと・・・リュウトも苦労しそうだなぁ。まぁ、その苦労の原因が全くわかっていないから救われないんだけど


リデア「それはこっちのセリフよ・・・兄さんのあの鈍さでワタシたちがどれだけ泣いていると思っているのよ」


まぁ、それに関しては確かに^^ でもあれは一生治らないと思うけどね。


リデア「それがわかっているから困るのよ~~~!!」


と言ったところで今回はお開き! 次回もよろしくお願いします~!

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