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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
4部6章『勇気の意味』
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5話 「わたしであるために」

 

 わたしはいったい誰なんだろう? そんなこと考えたこともなかった・・・わたしはいつだって天使で悪魔でそれでレーチェル様に仕えてリューくんたちと笑っていればよかったはずなのに


 ふわっ・・・とする浮遊感。冷たい金属なのに何故か感じる心地よい暖かさ・・・お兄ちゃん?


「レミー! 大丈夫か!?」


 緊張はしているけど優しいお兄ちゃんの声。そして目の前にいる見たことない人たち・・・ひょっとして戦闘中? それにリューくんたちみんな・・・わたしを守るように位置どってる?


「お、気が付いたみたいだな!」


 リューくんの優しい声が聞こえる。あんなに怪我をしているのはわたしをかばったから? なのに顔にも声にも非難の色なんてない。


「まったく、戦闘にも気が付かんほど考え事とはそなたらしくもない・・・いや、ある意味らしいのか?」


 あーちゃんも・・・ム~? なんかちょっと棘がある気がするよ~?


「この馬鹿天使! ちゃちゃとしゃきっとしなさい!」


 りーちゃん・・・言葉は厳しいけどレーチェル様と同じ優しさを感じるよ? だって、その傷・・・リューくんとおんなじでしょ?


「ふん、貴様程度がいてもいなくても戦況はそう変わらん・・・だが、貴様は笑顔でいろ。」


 アーくん・・・そうだよね! わたしはわたしなんだ。わたしの中にどんな存在がいたとしてもそれはきっと変わらない。ううん、その存在も合わせてわたしなんだよね? そしてきっと今、その力が必要なんだ。わたしにもわかる・・・あの2人、なんかおかしい。だから、力を貸して! もう一人のわたし?




 光を感じる・・・それは本来レミーが受けるはずのもの。闇たるわたしには無縁のはずのもの。・・・それをわたしが感じているということはあの子がわたしを認めたってことね。いいわ、ならばわたしもほんの少しだけ力を貸してあげる。


 目を開けばそこには闇はなく、光輝く世界。わたしにはこの世界は明るすぎる。だからこそ、この漆黒の羽をまき散らすの・・・世界にわたしという闇を認めさせるために


「クスクス、レミーが意識的にわたしを呼ぶなんてあなたたちのおかげかしらぁ? 今回は特別サービスよ、敵も敵だしね。」


「ほう? 主のような天使は初めて見る・・・。だが無駄なこと、死に抗える存在なし、そして死を司る我を殺す術も無し。」


「ふ~ん、まさに死神ね。じゃあわたしはこう返してあげる。死ごときで闇を覆えると思わないことね。それにあなたが不死? 違うでしょ? 貴方の力は殺すこと、死なないことではないわ。」


 まぁ、わたしに睨まれて平然としていることは評価してあげるけどねぇ・・・あなたはレーチェルに比べれば全然怖くないのよ。それに仮に不死が本当でも不死程度が竜神剣に勝てると思っているのかしらねぇ?


「フフ、いい? こいつら死神の能力は殺すこと・・・つまり」


「なるほど、俺たちの『攻撃』を殺していたのか。竜神剣の能力殺しと似たような力だな。」


 わたしの言葉に即座に反応するのはリュウト。そして無言で対抗策をすでに使っているのがアシュラ・・・この2人はなんだかんだ言って戦いに関するセンスは抜群。あのレーチェルが期待を寄せるわけだわ。


「っ!?」


「ほう? どうした? 今度はオレの攻撃を殺せなかったようだな?」


 理由なんてわかっているくせにそう問うアシュラは意地が悪い・・・のではないわね。アシュラはああ見えて戦いが始まった後は様々な手法をとる。言葉一つだって重要な武器、もっともその程度で大きく崩されるようならそもそも彼らの敵にはなりえないでしょうけどね。


「馬鹿な・・・そんな小娘の一言で何が変わったというのだ!?」


 まぁ、失礼ね。わたしをそこらの天使たちと一緒にしないでほしいわ。それに彼らもね


「レミーは仲間だ、天使も堕天使も関係なくな。その言葉ならばそれだけで信用に値するさ。それに言っただろ? 竜神剣の能力殺しと同じ能力だってな。ならば、弱点も同じだってことだ。」


「なるほど、それは明確な弱点じゃな。それさえわかれば恐れるものはありはせん!」


「どうやら俺には不利な相手のようだが・・・ならば今回はサポートに回らせてもらおうか。」


「竜神剣の弱点ね・・・まぁ、ワタシには言われなくてもわかっていたけどね!」


 レミーの記憶によればずっと前にもリュウトは言っていたことがあるけど、これが彼ららしさで彼らの強さ。今回はわたしはその言葉のサポートで十分、彼らは彼らの戦いをすればそれだけで強いのだから。


「さぁ、行こうぜ! 俺たちらしくな!」



またしても登場の堕天使レミー・・・最近随分出てくるようになったものです。


堕天使レミー「クスクス、それだけわたしは重要だってことよ。」


まぁ、否定はしません。実際、能力以上に存在そのものが一つのキーを持っています。


堕天使レミー「その上強くて美しい・・・その他大勢から嫉妬の視線を受けてしまいそうねぇ?」


強さも美しさもレーチェルの方が上ですけど・・・い、いえ! 何でもありません><


堕天使レミー「そうよ? 生きていたかったら主人には忠実にね? じゃあ、次回もわたしの美しい活躍を見逃さないことね!」

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