表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
4部6章『勇気の意味』
260/1378

3話 「抗うべき神」

 暗い・・・ううん、実際の明るさじゃないよ。そのなんというか空気が暗い。


 こうなって見るとトラブルと面倒事ばっかり引き起こすレミーの存在が私たちの中でどれだけ大事だったのかよくわかるよ。


「ねぇ、リュウト・・・。」


「ああ、わかっている。」


 私が話しかけるとリュウトも同じぐらい真剣な顔をして答える。いえ、きっとみんな気が付いている。


 普段ならまだちょっと疲れるぐらいかもしれない。でもここは敵陣、ただでさえ精神力を削られるのにこの状態じゃ・・・。そして、精神的疲労は必ず動きにも悪影響がでる。私ならば魔法の威力に直結しかねない。


「だが、俺たちにはどうしょうも・・・アキ!?」


「えっ!?」


 え、えっ!? なに、リュウトが私の方にすごい形相で・・・竜神剣?


 ガギンという金属と金属がぶつかったような音が響く。ううん、片方は竜神剣なのはわかる。じゃあ、もう片方は何? ・・・竜神剣が私にあたるのを阻んでいるもの、これは鎌?


「不意打ちか・・・。いや、別に非難はしないさ。だが、そう簡単に俺たちがそれを許すと思われていたとこにはこう言いたいな・・・なめるなと!」


 リュウトが怖いぐらい真剣な顔で私の方を見て言う。そんなリュウトの顔もかっこいいな・・・じゃなくて! 言っている対象は私じゃなくて、私の後ろから鎌で狙っていた存在なんだと思う。


「なるほど、噂では竜神は運で奇跡的な勝利を収めてきた未熟者・・・という話だったが少々評価を改めねばならんようだな。」


「・・・奇跡的勝利っていうのは認めるがな、確かに運というのは取り下げてもらいたいところだ。俺は・・・いや、俺たちは絆で勝ってきたのだからな。」


 リュウトはいつも言う『俺は1人では戦えない』と。でも同時にそれはリュウトの強さでもあると思う。彼は自分自身の力でさえも1つではなく無数の力を組み合わせている。そして私たちの力・・・内と外から多くの力を得ての変幻自在の攻め、捕らえようのないまさに風のような存在。


 風の属性はよく言えば万能、悪く言えば器用貧乏。それゆえに使用者の戦略とスキルによって幾らでも強さが変わると聞いたことがある。だから・・・きっとそれがリュウトの本当の強さの秘密。


「ふむ、飄々とした中に強い思い・・・なかなか面白い男のようだ。このまま成長すれば神々のトップへも踊りでるかもしれんが・・・惜しむべきはここで死ぬべき定めだということか。」


「そのセリフは俺を殺した後に言って欲しいものだな。・・・なぁ、リデア!」


「ふん、ワタシがいる限り兄さんを殺させたりはしないけどね! い、一応、兄さんなんだし・・・えっ!?」


 敵がリュウトと会話をしている隙を狙って横から飛び出してきたリデアだったけど、その攻撃はまるですり抜けるように回避させた。今までにこの手の回避をした相手は2人、ナイトメアのように幻影だとは思えない・・・ってことは邪竜神と同じタイプなの? ま、まさか幽霊って訳じゃないよね? ブルブル。


 はっ! こ、怖がっている場合じゃないわ。とりあえずリデアの攻撃をかわしたことで私の動きを抑えていた鎌はなくなったわけだから振り返って・・・ちょっと待って? 黒いローブに骸骨を思わせる顔、そしてあの大鎌って! まさか!


「ほう、そこのエルフは我のことを知っているようだな。そう我こそは・・・」


「何を偉そうに言っているのよ。あんたみたいな特徴的な姿をしているやつを見間違えるわけないでしょう? ワタシが言ってあげるわよ、あんたの名前はタナトス、死そのものを意味する死神タナトスね。で、あんたがいるってことは最低でももう一人ここにいるはずだけど?」


 怖がる様子もなく、その正体を言うリデア。死は生き物にとって絶対の恐怖のはずなんだけど・・・ああ、神である彼女に寿命はないからか。リュウトにしてもリデアにしても殺されない限りは死なないわけだからね。そして、彼女が言う通り最低でももう一人・・・ううん、もっと隠し玉がいてもおかしくはないかも。


「ほう? 我を前にしてその胆力・・・なかなかのものだ。良かろう、ばれている伏兵になど意味がない。紹介してやろう、ヒュプノス!」


「ふう、兄さん・・・僕の出番はないっていうからついてきたというのに。」


 現れたのは温和な優男と言った感じの風貌をしたヒュプノスという神。たしかに伝え聞く限りではタナトスと違って心優しいと聞くけど、今の天界の状況を考えれば油断はできない。それにああ見えて『眠り』を司る死神なわけだし。死とは最後の眠りとはよく言ったものね。


「ふん、自分たちは背後から隙をついて襲ってきたというのに、戦いが始まった今となって背後をおろそかとするとはな!」


  突然聞こえた声にハッ! とその方向を見ると(リュウトは全く驚いていなかったけど)アシュラが思いっきりヒュプノスに攻撃を仕掛けていた。後一歩のところで直撃は避けられたけど先制攻撃としては十分すぎるよ! でも、さすがアシュラって感じかな? まぁ、死も神も恐れるようなタイプじゃないし、レミーの分までってところかな? さ、私も・・・ちょっと怖いけど・・・リュウトの為だったら戦えるってことろ見せないとね!

相手が神・天使連合軍ですからいつか出ると思っていた人もいるのではないでしょうか? という死神です。


マリア「まぁ、定番と言えば定番よね。」


おや、これは珍しい人が・・・ああ、死んでいるからか。


マリア「その納得のされ方はちょっと嫌だけどね。いまさら怖がっても仕方がないし。それにこの2人って死神の中でもさらに定番よね。」


なにせ、ギリシャ神話に出てくるれっきとした死神ですからね。たぶん名前付きの死神としてはもっとも有名でしょう。


マリア「まぁ、そうよね。でもあの2人って少しマイナーになるけど他にも・・・」


ストーップ! それは言っちゃダメです! ネタバレ禁止です!!


マリア「ああ、なるほど。でも、作者くん? その発言で知っている人は大体候補が絞れたんじゃ?」


あ・・・え、えっとでは次回も見てくださいね・・・?


マリア「逃げたわね・・・。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ