表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
4部4章『新たなる目覚めの時!』
244/1378

3話 「兄と妹」

 目の前に現れる天使の大群・・・ふむ、これは


「なぁアシュラ、どう思う?」


「ふん、先ほど感じた気配はあの中にはない。様子見か、それとも消耗でも狙ったか・・・いずれにしても馬鹿ではないとみるべきだな。」


 なるほど、つまり見立ては俺と同じというわけだな。馬鹿ではないか・・・だが、唯一落ち度があるとすれば・・・こんな下級天使たちでは俺たちをどうこうなどできないということだ!


 殆ど一方的な虐殺(いや、アシュラとコクト以外はちゃんと殺さないように手加減しているぞ)になっている戦場。戦いは数だとかいうのも真理だろうが、それはあくまでもある程度質が近い場合の話。いや、これほどの差を埋めるほどの数をこれでもまだ揃えられていないというべきだろうか。


 何にしても数は見る見るうちに減っていく。そして・・・出るに出られないということかな? じゃあ、きっかけを作ってあげようか。わざと隙を作って・・・


「!? フリーズアロー!」


 その隙を狙った・・・天使をうち貫いた氷の矢。こういった時には素直に出れるんだから、初めから参戦していればいいのにな。


「ふん、竜神のくせにあんな隙を作っているじゃないわよ!」


 悪態をつきながら出てくるのは勿論リデア。それでなお、可愛いと思えてしまうのは兄としての欲目なのだろうか。


「な、何よ!?」


「いや、なんでも。さて、出てきたついでにこいつらを片付けるのを手伝ってくれないか。」


「ふ、ふん! 仕方がないわね!」


 天使たちの群れが綺麗にいなくなるのはそれからすぐのこと。




「さて、敵がいなくなったところで・・・答えてもらいましょうか。なんであんたがここにいるのよ!」


 天使たちを片付けたところでリデアが真っ先に行ったのはコクトのもと。この2人・・・何か因縁があるのか?


「俺はリュ・・・竜神の仲間だからな。」


「ふん、何が仲間よ! 百年とちょっと前、ワタシたちの村を・・・ワタシの両親を殺したのはあんたじゃない!」


 訪れた痛いような沈黙。リデアの・・・ってことは同時に俺のってことでもあるんだよな。何も覚えていない両親とはいえ何も感じないわけではない。それでも・・・


「リデア・・・やめるんだ。それはもう過去のこと。今のこいつはそんなことはしないさ。」


「何よ! あんたは関係ないじゃ・・・」


「関係はあるさ。・・・なにせ、俺はお前の兄なんだから。」


 信じられないというように見開かれたリデアの目。それは当然だろう・・・それでもなお、俺は彼女に告げる義務がある。そう、あったんだ。


「な、何をふざけたことを・・・」


「ふざけてなんかないさ。俺はリュウト=アルブレス・・・いや、本名はリュウト=アルバードというらしい。」


「らしい? らしいって何よ!」


「・・・記憶がないんだよ。ちょうど百年と十年ほど前以前のな。本名もつい最近レーチェルに教えられたばかり、それまではこれだけがただ一つの手掛かりだった。」


 俺が見せた半分にかけたペンダント。それを見たとたんにリデアがひざから崩れるように倒れこみ・・・


「そのペンダントは・・・ワタシのものと・・・同じ?」


 リデアが出したのはおそらく俺の持っているペンダントのもう半分にあたる部分。そして2つはぴったりと合わさった。


「あの時俺が斬った・・・いや、俺の剣を防いだペンダントか。俺の記憶が確かならばお前たちはこれを再会の証としていたはず。これでわかったはず、記憶など無くても・・・お前たちは兄妹だ。」


 そんな事を言うコクトをキッと睨み付けてリデアは呟く。


「記憶なんてなくてもいい。ただ、もう一度だけ会いたかった。会って謝りたいことがあった。でも・・・なんであんたなのよぉ。ただ一人だけ、兄さんであってほしくなかったあんたがなんで兄さんなのよぉ。」


 そうか、理由はわからないが俺はそこまで嫌われていたとはな。許してくれとは言わない・・・が守らせて欲しい。これから先ずっと・・・っ!? どうやら本命が来たようだな!


「リデア! 悪い、話は後だ! まずはこの戦いを終わらせないとな!」

再び、天使の大群との大激戦・・・じゃなくて、大虐殺。いいんだろうか?


レーチェル「いいんじゃない? 私やリュウトくんだって神よ?」


どっちも神としての威厳無いしなぁ。ある意味レーチェルはあるけど。


レーチェル「・・・ある意味ってどういうことよ。まぁいいわ、祈ってもいいわよ?」


まったくご利益なさそうなんですが><


レーチェル「馬鹿ねぇ、神なんてね願いをかねえるものじゃなくて願いを誓うものなのよ。神に誓ったのだからやらなくてはいけないってね。」


め、珍しくレーチェルが正論を!?


レーチェル「自分に有利なものを知らなくて・・・って何を言わせるのよ!」


いや、勝手に言ったんじゃ? え~、皆様はもっとご利益のある神様にお参りに行ってくださいね


レーチェル「はい、であなたはこっち♪」


えっ、そっちは拷問部屋・・・?


レーチェル「仏の顔は三度でも私の顔は二度目はないわ。ってなわけでお仕置きタイムよ!!!」


またこれかぁ~~~!!! 誰かた~す~け~て!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ