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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
1部2章『エルファリア』
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11話 「あなたのために」

 お姉ちゃんがリュウトの内部エネルギーを計った結果(悔しいことに私はまだそこまでの技量がないの・・・なんで悔しいんだろう?)リュウトは竜神と認められた。


 それは嬉しいんだけど、もう少しお喋りと思っていた私の思惑は見事にお姉ちゃんに阻まれてこうして引きずられるように執務室へとつれてこられた。まぁ、さすがに中庭で談笑していたドクターと看護師のルルの前(話が終わった事を伝える為に会いに行ったのよ)では手を離してくれたけどね。


「では女王様、リュウト殿にはどのような協力をいたしましょうか」


 私としては個人的にもエルフ族の代表としてもできる限り協力したいから・・・


「そうだな、我らが提供できるものといえば・・・情報・戦力・武具・資金・・・こんなものだろうか」


 本音を言えばもっと大々的な支援もしたいんだけど、リュウトの目的に沿いそうなものはこれぐらいしかない。


「そうですね。しかし、情報は私たちもそう多くは持っておりません。勿論、人間であったリュウト殿よりは多いでしょうし、知っている情報は提供すべきですが新しい情報を調べて旅の途中のリュウト殿に伝えるのは困難と思われます」


 う~ん、伝達が出来ない危険性が確かに高いわね。でも


「たしかにそうだが、それでも収集しておいて損はなかろう。無駄であろうともやっておくのだ」


 たった一つの情報が明暗を分けることだってあるんだからね。


「そうですね。問題はむしろ他のものです。武具はリュウト殿は防具に頼るタイプではないですし、武器は剣しか使わないようです。我らエルフは魔法と弓術がメイン・・・杖や弓ならばいくらでも提供できますが剣となると大したものは在りません」


 確かにそうね、リュウトと一緒に戦ったあのダークエルフは剣を使っていたけど、あんなのは例外中の例外ね。正直、リュウトの持ってるのは安物の剣なんだけどエルフの国にある剣はあのレベルのものが精一杯。


「では資金は・・・駄目か」


 この国は外貨を稼ぐ手段なんて殆どないから、お金だけは私やお姉ちゃんの一存では決められないのよね。時間をかければ理由が理由だから問題ないだろうけど、その間リュウトに旅を中断してもらうわけにもいかない。


「はい。私や女王様の私的なものならばすぐにでも出せますが・・・」


 私たちのお給料なんて大した額じゃないものね。なくてもこの国の中では困ることないからいいんだけど、国外で足しになるほどの貯蓄は持ってないし。


「そうだな・・・リュウトのためなら出してもいいのだが、受け取ってくれぬだろうな」


 リュウトはそんなお金を喜んで受け取るタイプじゃないことぐらいはわかる。


「そして戦力ですが、リュウト殿の状況から言って数が多くてもかえって邪魔になります」


 そうね・・・どう見たって一軍を指揮できるわけないし邪竜神に目をつけられてるのならそれは狙ってくれって言わんばかりね。


「つまり、数ではなくて質というわけか」


「はい。しかしその質にも問題があります。エルファリアはその大きさゆえ兵の数も多いため優秀な兵は数をまかなえぬ都市へと派遣しております」


 つまり、質のいい兵を呼び寄せるには時間がかかるってことよね。・・・私たちって何の役にも立てないのかな?


「ですが・・・今現在は強くなくても強くなる素養・・・潜在能力に優れたものならばいるかと存じます」


 潜在能力・・・!? そ、それってそういうことよね? お姉ちゃんが私に笑いかけてくれてるし!


「ならば私がリュウトに付いていこう! これでも潜在魔力ならエルフのNO1だ」


「はい、本来なら先のダークエルフ討伐などより危険性の高い戦いに女王様が赴くのはいいことではございません。しかし、こと竜神様の助けの為と言うならば民たちも納得するでしょう」


 お姉ちゃんの手腕なら少々の無茶でも何とかなる気もするけどね・・・アレ? なんでお姉ちゃんは私が行く事に賛成してくれるんだろう。


「そして・・・できることならばリュウト殿をエルファリアへお連れ下さい」


 ・・・? それってつまり!?


「そなたはリュウトを政治に利用する気か!?」


 まだまだ私たちエルフは対外的な立場は弱い。でも女王である私が邪竜神討伐の英雄となり、さらにリーダーであるリュウトまでエルファリアにいるとなればエルフ族の立場に与える影響はけして小さくはない。


「はっきりと言ってしまえばそうなります。勿論、女王様とリュウト殿がよろしければというのが前提ではありますが・・・女王様は個人的にリュウト殿がお傍に居て欲しいのではないのですか?」


 やっぱりそうなのかな? 私が感じている思い・・・それはただの友人と言うものではすでにないのかもしれない。


 お姉ちゃんは少なくてもそう思っているのだろうし、私自身リュウトの傍に居たいのは事実。私がエルファリアから動けない以上・・・リュウトに来てもらうしかないというのも・・・。


「わかった。その件は考えておこう。・・・これで方針は全て決まったな。あとでリュウトに伝えておかなくては・・・」


誰が見てもはっきりわかる(だけど肝心のリュウトは気づかない^^)アキの思いです。


そもそも、リュウトの旅に自分からついていく時点で・・・って感じですね。例え火の中水の中、イス○ンダルのかなたまで♪


アキ「さすがにイスカ○ダルは遠いな。」


・・・突っ込むところはそこなんですか、アキさん?


アキ「他のどこに突っ込めと? 今の私がこの場で恋愛に言及していいのか?」


それはちょっと・・・勘弁してください。一応ネタバレになっちゃいますし・・・。


メイ「女王様、このような愚か者と話をする必要はありません。私が処分しておきますゆえ・・・」


しょ、処分って一応作者なんですよ? ゴミみたいに扱わないで・・・


アキ「うむ、任せる!」


任せるな~~~~!!!

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