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竜神伝説~リュウト=アルブレス冒険記~  作者: KAZ
3部5章『激闘再び! リュウトVSアシュラ!』
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4話 「荒ぶる風と雷」

「リュム! 第一封印、解除!」


 その言葉こそが一つの力。力を封じる鎖の一つから解き放たれた竜神剣の輝きが増す。同時に発動するは能力の強化・・・今の俺と竜神剣ならこの第一封印解除の状態でざっと10倍と言った所か。まだアシュラの本気には遠く及ばないレベルではあるが


「さぁ、リュウト! オレをもっと楽しませてみろ!」


 楽しげに歪むアシュラの口元。そして、先ほどまでとはまったく違う速度での突撃! 正面からの一撃を剣で受けた・・・と思った瞬間には背後から後頭部を狙って一撃が振られる。


 しゃがみながら繰り出した足払いはあっさりと避けられ、俺の顔面にはアシュラの飛びまわし蹴りが綺麗に入った。


「ふん、どうした、リュウト? その程度で参ったなどとは言うまい?」


 その程度ねぇ、普通どころか深層魔界の上位の方の悪魔ですら一撃で首を跳ね飛ばされそうな蹴りだったが? だが俺に対する決定打にはなっていないか、俺以上に俺の実力を知っているにはやつかもな。


「当然だ。お前こそ、その程度で限界などとは言わないだろうな?」


 口内が切れたことでたまった血を吐き出しながら俺は言う。無論、アシュラが本気などではないことなど百も承知だ。アシュラが本気なら発生しているはずの瘴気がない・・・なによりも本気であったなら今の一撃で勝負は決まっているからな。


 さて、じゃあ次は・・・どこまで効果があるか怪しいがこいつでいって見るか! 周辺の風を操る。風を操るとは空気を操ること。幾重にも積み重ねられた空気の層は光を歪め蜃気楼を作り出す。・・・俺の姿はこれでアシュラから見えないはずだったのだが


「ふん、甘いぞ! リュウト!!」


 見えていないとは思えない速度で正確にアシュラは俺を狙ってくる。ちっ、見えていなくても気配は残る。やはりアシュラに2度同じ手は通用しないか。


「竜神流・・・刹那!」


 普段は竜神流剣術なんて称している高速移動術を緊急回避用に使用する。もっともその程度(とは言っても音速の20倍強の速度は出てる)でアシュラを振り切ることは出来なかったようだ。ぴったりと追跡してきたアシュラはそのまま俺の腹部に一撃を加える。ま、まずい! これは!!


「修羅・・・烈風斬!」


「ちっ! エアフィールド!!」


 宙に浮かされた俺に対する追撃・・・アシュラお得意の修羅烈風斬! とはいえ、俺も素直に喰らってやるわけにはいかない。使ったのは風の基本技『エアフィールド』浮遊する球体は俺とアシュラの真ん中で破裂・・・吹き荒れる風の爆発を起す! その風に乗って・・・いやお互いに吹き飛ばされる形で追撃を回避する。


「フッ、なかなかやるではないか! そんな手段でオレの攻撃を回避するとはな!」


「よく言うよ。ダメージは俺の方が遥かにでかいじゃないか。」


 ポタリポタリと腹から流れる血が床を濡らす。喰らった一撃がただのパンチならともかく、アシュラの収納式の爪付だ。深く突き刺さった爪はその後の追撃を避けたとはいえ十分なダメージを俺に残している。その後の風のダメージなどは同じ・・・むしろ十分な受身がダメージでとれなかった俺の方がこちらも大きいかもしれない。


「その程度のダメージで貴様がどうにかなるなら、とっくの昔にお前は死んでいる。」


 まっ、そりゃそうだな。俺の能力を知り尽くしている相手というのもやりにくいものだ。レミーのように上手くはないが一応使える回復魔法で止血だけし再び俺たちは睨み合う!


「さて、忘れてはいまいな? 貴様が空気の層に身を隠すように・・・オレが何に身を隠すのか!」


 忘れられるものか・・・鳴り響く雷鳴の中、俺は思う。だがな、俺も心眼という新しい武器がある! そんなものに惑わされなど・・・!?


「分身!? いや、それだけならルシファーと同じだが!?」


 雷光の中に浮かび上がる無数のアシュラ・・・だが、その全てに気配がある!? そういえば、探知能力でも俺を遥かに上回るアシュラがどうしてあの幻影を見破れなかった? ・・・まさか!


「ふん、貴様もあの状況下ではそこまで気づいてはいなかったか。そう、これこそがルシファーの使っていた技の正体! 奴に使えてオレに使えぬはずがあるまい?」


 厄介だな・・・気配を伴った見分けのつかない幻影。だが、アシュラ? お前も一つ忘れているだろう? ・・・竜神剣に幻影は通用しない! (俺が)正体さえわかっていれば全てを切り裂くのが竜神剣だ!


  「リュム! 頼むぞ! 幻影を切り裂け!!」


 振り切った竜神剣から発せられる閃光が辺りを包み込み、幻影を消し去っていく! そして!!


「アシュラ! 貰ったぞ!! 竜神流剣術・・・刹那!」


 今度こそ剣術として使用した刹那がアシュラを捉える・・・捉えたのだが


「な・・・馬鹿な?」


 竜神剣はアシュラの皮膚を切り裂くことは出来なかった。一体何故? ん? 剣と皮膚の間に見える黒い影、いや、あれは薄いが闇の壁だ! まさか・・・


「ふん、貴様も見たことがあるはずだ。この壁の名は『ダークウォール』・・・敵意に反応して自動防御される鉄壁の壁というわけだ。」


 な! 確かに思えばアシュラは不意をつかれようが殆どダメージを食らったことがなかった。自動防御・・・こんな能力を身につけていたのか!?


「そして、その隙は致命的だ!」


 停止していたのは零コンマ10桁以下だろう。だが、それは俺たちのレベルなら十分に致命的な隙だった。風の魔法の風圧さえも利用して大きく避けたがそれでもアシュラの爪は俺の左肩を抉りぬいていった。・・・いや、この程度で済んでよかったと思うべきだな。それとも手加減をしたか? アシュラ? そしてさっきの幻影はこの隙を狙う為の囮か・・・。


「さて、さすがにこれで最後か?」


 心にもないことを言うものじゃないぞ、お互いここではまだ終われないだろう?


「まさか? ただ終わりは大分近づいてきているな! ・・・いくぞ、リュム! 竜神剣・・・特別モード、強制解除!」


リュウトVSアシュラちょっと本気モードの戦いでした!


レーチェル「まぁ、見てのとおりね。戦況はアシュラくんが圧倒的に有利よ。」


・・・レーチェル? そういえば、解説員をやってたっけ? しかし、リュウトも主人公なのに情けないことで・・・


レーチェル「元々自力が違うからしょうがないわ。リュウトくんが竜神剣の力で強くなっているのに対してアシュラくんはノーマルよ? まぁ、アシュラくんは竜神剣の力込みでリュウトくんと認識してるみたいだけど。」


竜神剣は誰でも扱える剣じゃないからなぁ。今の世でリュウト以外が使うのは無理だろう? まぁ、リュウトもまだごく一部の力を使えているだけなんだが。


レーチェル「そうね、まだまだ彼は未熟だわ。でもアシュラくんとの差はそれだけじゃないわよ? 生きてる年数が違いすぎるって言うのもあるけど戦闘経験値が雲泥の差だわ。」


・・・まぁ、アシュラは戦いにつぐ戦いの中に生きてきた奴だからなぁ・・・。少なくても4000年以上は。


レーチェル「そういうこと。まぁ、リュウトくんはこれからに期待ってところね。」


といったところであとがきは終わり! 次回は両方とも本気の戦いが見れるでしょう! ではまた!

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